虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

トロイのヘレン(1955/米)

2004年06月17日 | 映画感想た行
HELEN OF TROY
監督:ロバート・ワイズ
出演:ロッサナ・ポデスタ スタンリー・ベイカー ジャック・セルナス

 これまたロバート・ワイズ監督。意識してじゃないけど、最近ワイズ監督をまとめてみてるみたい。
 この映画は、パリスも、ヘレンもまともな人間で、トロイ戦争ははげたかの如きギリシャの為政者たちの欲が一番の原因で、二人の駆け落ちは止むに止まれぬ仕儀…に見えます。いえ、「トロイ」では戦争の原因の二人、あまりにもアサハカっぽくヘナチョコだったもんですから。
 俳優さんたちも筋肉魔人みたいじゃない。でも戦士というより、スポーツ選手みたいだけど。
 ロッサナ・ポデスタのヘレンは本当に生けるギリシャ彫刻のように美しい。登場シーンは息を呑む。観客はパリスと共に、近づいてくるヘレンの美しさを刻一刻実感することになる。スタイルも完璧(特に腕と胸)それでいて少女っぽい初々しさがあって、本当に素敵。この場合はたまたま絶世の美女に生まれたが為の不幸をもった女性、って感じ。「トロイ」のダイアン・クリューガーもきれいだったけど、どこか尖ったところがあって、私はロッサナ・ポデスタのほうがいい。
 ラストも、夫がパリスを殺しヘレンを取り戻す。イリアッドでは、トロイの女性は総て悲劇を背負わされることになるが、ヘレンは別である。でもこの映画では、彼女は真に愛するものを失う悲しみを経験する。ワイズ監督はやさしい。
 戦闘シーンも、「トロイ」より生々しくなかったけど、セットや何かは負けてなかった。
若いブリジット・バルドーがでてるんだけど、完璧にポデスタに負けてる。主役の輝きってすごい。