虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

アカルイミライ(2002/日)

2004年06月24日 | 映画感想あ行
監督:黒澤清
出演:オダギリジョー、浅野忠信、藤竜也

 これは今日見た映画ではないけれど、お薦めしちゃったので一応参考までに感想をヒトコト。
 
 ヒリヒリくる映画。肌を一枚剥かれる様な感触がある。程度の差はあっても、誰しも社会や世間への違和感・疎外感・爆発しそうなものを抱えている自分というものに覚えがあるのではないかと思う。自分の周りのバリアの中に無遠慮に入ってくる人間への不快感もすごく痛切に感じられる。拒絶して、それでも何かを求めている。でも何を?ワタシハナニヲモトメテイルノダロウ?ワタシノイルベキバショハドコカ?苛立ちになって噴出してしまう。
 若い彼等の視界には他者への共感、とでも呼ぶものがまだ無い。しかし歳をとったところで、それで他者へのまなざしを獲得しても何がわかるというものではない。ただ受け入れられることの幅が少し広くなるだけ。でもそれがあるのとないのとでは、生きること、日常を過ごす重さがすごく違うんだけど。
 そして空の向こうが見えないことを認識して、そこから今日から明日へ、が始まる。
 オダギリジョー、浅野忠信、藤竜也すごくいいです。
 くらげの非現実感もぐっときます。