虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

100均文庫その3

2004年06月01日 | 
でもって、下段には、語句解説まで入ってます。
それがなければ、そのままでは、
今の読者には通じないでしょうか?

折敷…に解説があるのは納得できます。
「蚤…ノミ科の昆虫の総称。体長2~3㎜で、哺乳類・鳥類に寄生し、血液を吸う。ペストなどの伝染病を媒介することがある。」
「むず痒い…ムズムズするように痒い」

こんなのほんとに要るんでしょうか?
なんだか中高生のサブテキストみたいです

いやしかし、サブテキストだってここまでのネタバラシを
しょっぱなにしますか?

100均文庫その2

2004年06月01日 | 
それでそれぞれの作品の頭に
右ページ 「この作品を読む前に」という読書ガイドみたいなの
左におもな登場人物が入ってます。

それで、例えば「鼻」だったら、
成立年と発表媒体
4行程度のあらすじ
それに

「鼻の長いことを気に病む禅智内倶はどんな性格の主人公か?
 なぜ周りのものは短くなった鼻の禅智内倶を笑ったのか?
 禅智内倶の鼻は結局どうなってしまうのか?」

…これから読むものの、未知のドキドキをどうしてくれるのっ?!

100均文庫

2004年06月01日 | 
最近の100均では
文庫の名作全集みたいなのまであるんですねえ。
つい買っちゃいましたが。
芥川の1です。ということは続々でてくるんですね、きっと。

収録作品は
鼻・芋粥・トロッコ・舞踏会・蜜柑・河童
それに巻頭の作品ゆかりの場所の写真と
巻末の年譜。
スタンダードです。

かくも長き不在(1960/仏)

2004年06月01日 | 映画感想か行
UNE AUSSI LONGUE ABSENCE
監督:アンリ・コルビ
出演:アリダ・ヴァリ ジョルジュ・ウィルソン

 パリの下町。カフェを切り回して戦後を女一人で生きてきたテレーズは戦後十数年たったある日、大戦中にゲシュタポに連れ去られたきりの夫にそっくりな男を見かける。その男は頭に傷があり、一切の記憶を失っていた。

 夏のパリ。バカンスに行くことがない下町の人々。
 どっしりした、しかし疲れを見せる盛りを過ぎた年齢の女が消息不明の夫にそっくりな浮浪者を見つけ、何とか彼の記憶を呼び覚まして、夫であるのかどうか確かめようとする。それはまた、長い年月封印してきたであろう自分の幸福の記憶を呼び覚ますという苦い行為でもある。
 ラスト、私は男が夫の名前で呼びかけられて手を上げたシーンで、彼は夫であると確信してしまった。記憶の底の恐怖の記憶が彼にあの行動をとらせた、と。だが、これは映画にとっては余計な事なのかも知れない。
 その瞬間に気を失い、目覚めた後また彼女はあてのない希望を抱いて、あてのないと知りつつ生きていくのだ。「冬」を待ちながら。

 オープニングの構成から秀逸。「第三の男」で理想的美女だったアリダ・ヴァリの生活感溢れた身体と、哀切さも見事。

 しかし、どうしてこの映画がビデオにもDVDにもなってないの?