虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

算数が得意な子が口にする「わからない」という言葉 1

2017-06-20 06:45:46 | 算数が得意?苦手?の分かれ目

小学5年生のAちゃんが外部の模試を受けた結果、算数の成績が偏差値70以上だった

という話を聞きました。

Aちゃんとわたしは2歳の頃からのつきあいです。

教室に来始めた頃、とにかくおままごとが好きでたまらなくて、

お皿とトングを手にしてちょこまか歩いていた

2歳の頃の姿が今も目に浮かびます。

 

現在、小5のAちゃんは虹色教室に2ヵ月に1度顔を出すくらいで、

自分ひとりでマイペースに学習している

塾には通っていない子です。

でも、お母さんから、一度、塾の短期講習に通ったことがある、

という話はうかがったことがあります。

理解力の高いAちゃんのことだから塾の短期講習なんて簡単だったろう、

と思って様子をたずねると、

「こうやって解きなさい、という方法は教わったけど、

ああした教え方ではどうしてそうなるのかわからない」

と言って頑なに拒絶したそうです。

それからは、「わからない」ところだけためて虹色教室に持ってきて、

わかるところは自主的にどんどん解いていくという形で勉強を進めています。

 

教室で関わっていると、すごく算数が得意な子たちというのは、

Aちゃん同様、「わからない」とはっきり言葉にする姿をよく目にします。

Aちゃんが通った塾の短期講習というのも、ただ覚えればすむことで、

公式に当てはめたら誰でもできるような問題を扱っていたようで、

Aちゃんが「わからない」と言ったのは、「できない」という意味ではなく、

解いて正解することはできるけれど、

ういう理由でこの解き方をしているのか納得できないということだったようです。


途中ですが、次回に続きます。






 

 

 


自閉症の子が初めて作った絵本

2017-06-17 20:19:36 | 自閉症スペクトラム・学習が気がかりな子

 小学5年生の自閉症のAくんは、教室に着くなり、「森之宮駅で6分電車が遅れたから遅刻した」と言い続けていました。

それが途中から、「森之宮駅で宇宙人が乗ってきたから6分遅れた」という話になり、

送ってきたお父さんがたしなめても、その話ばかり繰り返していました。

Aくんは同じことを何十回も言い続ける癖があります。

この日も、お父さんから、「その話はやめて先生の話を聞きなさい」と注意されても

どこ吹く風で、「森之宮駅で宇宙人が乗ってきたから6分遅れた」と言い続けていました。

 

そこで、「Aくん、森之宮駅で宇宙人が乗ってきた話を絵本にしてみる?

画用紙を折って両面テープでひっつけていくと、すてきな絵本ができあがるよ」と言うと、

「絵本作るよ」と乗り気でした。

 

Aくんはこれまで画用紙に電車などの絵を描くことはあっても、絵本を作ったことはありませんでした。

絵の中に人や動物の姿を描くのも見たことがありません。

イメージすることに苦手があるので、ごっこ遊びをした経験もありません。

そんなAくんが初めて作った絵本なのですが、きちんとストーリーになっていて、

すばらしい出来でした。

勉強の時間が来たのであせらせてしまったため、最後の方が乱雑な塗り方になってしましました。

Aくんは自分の作った本を虹色文庫の1冊にするのを許してくれました。Aくん、ありがとう。

 


感覚、思考、直観、感情タイプで違う勉強のモチベーション

2017-06-16 07:41:06 | それぞれの子の個性と才能に寄りそう

私が子どもたちの学習を見ていてしみじみ感じるのは、それぞれの性格タイプによって「やる気のもと」となるものは異なるし、

「勉強嫌いの原因となるもの」もずいぶん違うということです。

十把ひとからげに「子どもは競争を好むもの」とか、「子どもは褒められればがんばる」といった捉え方をしている

場合には、性格タイプによる勉強との付き合い方の違いを知ると、少し考え方の幅が広がるかもしれません。

 

それでは、算数の学習について、それぞれの性格タイプの「やる気のもと」と、「勉強嫌いにさせないコツ」について

私の考えを書かせていただきますね。

 

感覚タイプの子は、コツコツと几帳面に作業をこなしはじめると、そうした作業そのものに

モチベーションを感じることが多いです。幼い頃、パズルをしたり、モンテッソーリの教具のようなもので遊びだすと

ひとりで何度も繰り返す時の達成感が、そのまま学習の動機となりやすいです。

 

感覚タイプの子は同じペースで持続していくことは好きだけれど、

直観的なひらめきを求められる頭脳パズルのような問題は、慣れないと嫌がることもあります。

感覚タイプの子を勉強好きにしようと思えば、毎日自然に繰り返したくなるような

スローステップの良質の教材を与え、手で触れる教具で五感から学ばせ、

このタイプの子を不安にさせる無理な負荷をかけないことだと

思います。黙々と同じことを繰り返す期間が長いので、進歩していないように感じるかもしれませんが、

そうした易しい作業を通して、単にそれができるようになるだけでなく、多い少ないや増減の感覚を自分の内面に発達させていきます。

すると、「この子、天才?」と驚くような数学的なセンスを発揮するようになる子が多いです。

感覚タイプはお金の計算をするのも大好きなので、おこずかいを与えることも算数好きにするポイントです。

 

思考タイプの子は、思考を必要とする「考える」問題を与えことが強い学習意欲につながります。

思考タイプは圧倒的に男の子が多いようです。(ユング派の心理学者の秋山さと子さんが、

「女性の思考タイプはほとんどいない」と書いているのを読んだことがあります)

すでにできている漢字を何回も書かされたり、作業的な学習が続くと

勉強を嫌がることもあります。放っておいても高学年くらいからは成績が伸びてくるはずです。

 

直観タイプは、好奇心を刺激される算数クイズのような問題や、

ボードゲームやカードゲームで頭脳を使うようにしていると、勉強好きになっていきます。

当てずっぽうで解いているように見えるときもあるので、調子よく学習しているときも、

答えを出すまでの道筋を言葉にするのを手伝っていると、思考が発達してきます。

このタイプに易しい問題ばかり解かせると、考えずに勘で言い当てることが勉強だと思い込むので、

そこそこ骨のある問題を絵を描いて解かせるなどの工夫が必要です。

また、漢字練習や計算練習などの地味な作業を極端に嫌い、かなり思考力のある子に限って、

作業の量が多すぎると、深刻な勉強嫌いに陥るかもしれないので注意が必要です。

 

感情タイプは、人から褒められることや認められること、みんなの注目を集めること、

友だちといっしょにわいわい活動することが

学習のモチベーションとなります。

人と関わるのが好きで要領もいいので、言語能力や記憶力が高い子が多いです。

(言語能力や記憶力があまりよくない感情タイプの子は劣等感を抱きやすく、

非常に繊細で、言葉を介さない面では、大人並みに人を観察していて、

人が自分をどのように評価しているかなどに敏感なため、

特別に気をつけて育てる必要があると思います)

感情タイプの子は、場の空気を読むのがうまくタイミングよく物事をこなすのが得意ですが、

ひとりで、「考える作業に集中する」ことを極端に嫌います。

感情タイプの子は、感覚が補助機能でもあるので、コツコツする作業もそれほど苦手ではないので、

記憶力がよい子の場合、「先に解き方と答えを覚えてしまって、さっと答えを出して、

即座に周囲からの注目や賞賛を浴びる」というスタイルで、ある時期までは、

たった1分間すら考える作業を持続できないまま優等生として過ごしていることもよくあります。

でも、感情タイプの子は抽象的な思考を毛嫌いすることが多く、

いつも満点を取っているような子でも、ほんの少しの時間でも「考えを練る」ことが耐えられない……熟考なんてとんでもない……

という子もよくありますから、

小学校高学年以降の学習でつまずきがちなのです。

 

特に、親御さんも感情タイプの方だった場合、一度つまずくと、なかなか持ち直せないときがあります。

というのも、感情タイプの親御さんは、子どもが幼児期や小学校中学年くらいまでの期間に、

効率的に「できるようになること」や「よい成績を取ること」だけに注目して、

自分で工夫したり、遠回りでも自分で考えたりすることを、時間の無駄だと捉えて

子育てしていることがよくあるのです。

生活の場面でもそうした傾向は強いです。

親御さんのそうした合理的に効率的に良い結果を出そうとする態度は伝染して、

もともと「学習内容への興味は薄いけれど、そこから得る結果には強い関心がある感情タイプの子」に対して、

「華々しい結果を出せないなら、全く何もしない方がまし。でも、考えることは嫌」

「自分の勉強ができないのは、

先生の教え方が下手だから。塾や家庭教師を変えるといい成績が取れるはず。

でも自分で考えるのは嫌。自分が変わるのは嫌」という考え方をするように

仕向けてしまうことが多々あるのです。

順調に物事が進んでいるときにも、親が自分の性格タイプの長所と弱点を把握しておくことが大事だと思っています。

 

人の心から影響を受けやすい感情タイプの子らは、

堅実でぶれない大人の考え方の下では、

着実に苦手な面を克服していって、人を惹きつける魅力ある性質に磨きをかけていきます。

感情タイプの子の多くは、「あんな風になりたい」というあこがれの人を見つけて、努力します。

良い出会い、良い人間関係が大事です。

でもせっかくあこがれるような人と出会っても、それまでに強い劣等感を抱くようになっていて、

嫉妬や憎しみしか感じられないようになっていては、

せっかくの感情タイプの子の長所が発揮できません。

感情タイプの子は、憧れの対象を見つけると、火事場の底力のようなしごいパワーをみなぎらせて

がんばりだすことがあるのです。このタイプの子はたいてい、「思考ができない」のではなくて、「思考が嫌い」なのです。

食わず嫌いみたいなものなのです。

『ユングのタイプ論』に次のような一文があります。

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感情タイプが思考できないと考えるのもまた、大きな間違いである。

彼らはとてもよく考えるし、深くて素晴らしい本物の思考や非凡な思考すすることも非常に多い。

しかし彼らは気まぐれなのだ。たとえば、感情タイプにとって試験の間に適切な種類の思考を

引っぱりだすことは難しい。

     ( 『ユングのタイプ論』   M.L.フォン・フランツ J.ヒルマン  創元社P 27より)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

親はこのタイプの子の自己肯定感を高めるために、

勉強の成績とか、特技とか、態度といったものと関係なく

子どもが存在するだけで、その子の存在を丸抱えにあるがままで愛して認めることが、

他のどのタイプより大切なのでしょう。

 

感情が優れている子 と お勉強 1

感情が優れている子 と お勉強 2

感情が優れている子 と お勉強 3

感情が優れている子 と お勉強 4


オンライン教材の使い方について

2017-06-15 08:10:15 | 連絡事項

虹色算数オンライン教材の閲覧期限は念のため5年とさせていただいていますが、実際には何年でも見ていただけます。

 

ようやくできあがった虹色算数オンライン教材。

まだまだ手を加えて内容を充実させていくつもりですが、

今のままでも、

「2歳から小学6年生までの内容をいっしょに詰め込むとは、扱っている範囲が広すぎるのでは?」と

感じている方がいるようなので、それについて少し説明させてください。

(閲覧は期間はとりあえず設けていますが、何年でも見ていただくことができます)

 

この教材を作ったのは、子どもが何かにむちゅうになっている時、お母さん方から、

「先生には、いろいろなアイデアの引き出しがたくさんあるので、子どもが何かを好きになったら、

それをどんどん広げていってあげることができるのでいいですね。

わたしの場合、今、子どもにこれがヒットしているな、ブームだな、と思っても、

どう発展させてあげたらいいかわからないんです」

という声をたくさんいただいていたからです。

 

そんな話をうかがううちに、こんなことを思うようになりました。

 

もし子どもがはかりにいろいろな物を乗せて遊んでいたら、

それが小学校の何年生で習うどんな学習内容とつながっている教材があればいい。

どんな遊びや体験をさせてあげると、

「はかりに物を乗せると楽しい」という気持ちが、

「めもりを読みたい」という思いや、

「重さについての深い気づき」へ、

リンクで飛びながら即座につながっていけるような教材ができたらどんなにいいだろう、

 

そう思って、教材作りに取りかかったものの、作るうちにどんどん欲が出て、

最初は幼稚園児くらいから3年生までを含む予定が、幼い子を育てている方にも

面積や速さや体積が出てくる高学年まで含まないと、日々の体験と学びをつなげる意味がない……

と考えるようになり、また2歳の敏感期の過ごし方がわからない方のために2歳児から必要だ……と

感じたりして、

何だか意図がわからないほど広範囲を扱った教材になってしまいました。

 

虹色教室では、使うものや基本の遊び方は同じものを使いながら、

働きかけ方やその遊びの後でする体験のバリエーションを変えることで、

さまざまな学年の子が学ばせることがあります。

 

たとえば、下のような「はかり」を使ったごっこ遊び。

100g 200円 という値札を作って、遊んでいます。

 

幼児や小学校低学年の子は、100gちょうどを量って、200円を支払うことだけを目指し、

中学年や高学年は、「50g分ください。いくらですか?」と注文を出したり、

「150円分ください」と注文を出したりします。

ついでに比や単位量当たりの計算についての他の体験と組み合わせて理解を深めたりします。

 

そうした、異なる年齢の子が基本の経験を共有しているため、

教材の中にはわざと重複している取り組みも載せています。

そして、その取り組みのすぐ下に他のページに飛ぶためのリンクを貼っています。

もし、子どもがその取り組みを面白がっていたり、もっと難しい課題に挑戦したがっていた場合、リンク先に飛んで、

別の学習範囲で、その子の旬を広げてあげることができることを期待しているからです。

 

 

算数オンライン教材の左にカテゴリーの上に検索の枠を作っています。

そこに、「分数」といった文字を打ち込むと、

右の画面全体に、「分数」を扱っている記事が出てくるようになっています。

つまずきがあった時や学んでいる内容が易しすぎるので学習を深めたいときなどに

利用できるようになっています。

 

教室では、この教材を、「この内容は簡単だ」「できそう」「もっと難しいものにチャレンジしたい」という意欲に

火をつける形で使っています。

学習前にウォーミングアップするような日常の体験やゲームをやらせてあげると、

「ワーク等で自分の力を発揮したい」という自発的な学習欲につながりやすいからです。

 

算数オンライン教材に申し込んでくださった方、本当にありがとうございます。

これからもっともっといいものにしていく予定ですので(追加費用は必要ありません)どうぞ、よろしくお願いします。


授業参観での出来事

2017-06-13 22:23:42 | 不登校

ウルトラマンの戦いシーンが作りたいという小2のAくんの作品です。赤いビームが相手に当たるようにしました。

 

写真と下の文章は関係ありません。

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3年生の子の授業参観に行ってきた親御さんから、こんな話をうかがいました。

わり算の導入の授業だったのですが、9÷3について

考えさせるために10人の子を当てるものですから、

間延びしすぎて見ている大人も何が何やらわからなくなってしまった、

とのことでした。

少しして海外に出かけた時、現地の学校を訪れたところ、

日本よりずつと遅れていると思われてきた国だけれど、

授業が驚くほどいきいきしていて魅力的で、子どもたちも夢中になって

よく頭を使っていたとお聞きしました。

 

教室で子どもたちの勉強を見ていると、参観日だけでなく、

「みんなで足並みそろえること」や

「わかっていても自分の思考の筋道を無視して、先生が指導する通りになぞるように答えること」

に気を取られるあまり、

勉強というものが、「考えてはいけない」ものになっていくケースが、まじめな子ほどあるのです。

 

「考える」ためには、ただ公式をなぞるのではなくて、

自分の体感でそれがよくわかっていて、それを土台にして、自分の頭で考えていける、

ということが大事なはずです。

 

日本と海外、2つの参観日を覗いてみた親御さんは、日本の将来がとても心配になったそうです。

 

 

 


虹色オンライン算数教室が、ようやくできあがりました ♪

2017-06-09 19:15:16 | 虹色オンライン教材

 

虹色オンライン算数教室

ようやくできあがりました。

無料で見ていただけるサンプルもたくさん用意しましたので、

ぜひリンク先に飛んでみてくださいね。

パソコンの左上の「虹色オンライン算数教室」のアイコン

をクリックすると、宣伝ページに飛ぶことができます。

オンライン教材はスマホやiPadでも見ることができます!

 

 

虹色オンライン算数教室は、幼児が遊びの延長で

高学年までの算数学習に触れたり、

小学生が基礎に戻って学びなおしたりできるように

広範囲の内容を扱っています。


生まれてからのこれまでのデーター

2017-06-08 08:03:19 | それぞれの子の個性と才能に寄りそう
フランスの自己啓発セミナー
「セルフコンバット」について書かれた本で
興味深い話が載っていました。

人間の心のしくみ=潜在意識についてです。

マギル大学の神経外科医ワイルダー・ペンフィールド博士は
1951年に
何かを見たり 聞いたり 触ったりしたときに受けた強い印象は
潜在意識に蓄積されることを証明したそうです。
五感によって捉えられたものはすべて
潜在意識においてデーターとして処理されるのだとか…。

その際、幼少期に作られたプログラムが
データー処理に影響するそうです。

データー(生まれてから今までの体験)は
いっさい消去できないそうです。
データーの種類は 
 
親 
子ども 
大人
 
の3つに分けられるます。

親に頼らなくてはならない5歳児の心の中では
親の言動はすべて
「ペアレント(親)データー」として記録されます。
あとテレビや先生 祖父母のことばなども。

この「ペアレント(親)データー」には やがて子どもに影響を与える
あらゆる情報や発言が蓄えられていくそうです。

体験したことへの反応(うれしかった こわかった…)
は「チャイルド(子ども)データー」に
蓄えられるそうです。
よく注意されると 親が子どものためを思ってそうしていたとしても
「チャイルド(子ども)データー」には
おびえや落胆や劣等感が
記録されやすくなるそうです。
生後10ヶ月くらいから
「ペアレント(親)データー」の教えられたことと
「チャイルド(子ども)データー」の感じたことが
現実とどう違うかを見抜く力がつくそうです。
この能力をささえるのが
「アダルトデーター」なのだそうです。
物事を検討したり 選んだりすることも
含まれます。
これは 訓練と経験を通して成長するのだとか…。


潜在意識の働きを理解する上で
ポイントとなるのは 
子どもの頃の3つの「初期判断」なのだそうです。

繰り返し あれをしちゃだめ これをしちゃだめと
言われ続けると
「自分はよくない人間だ 相手はよいにんげんだ」と
考えるようになります。
「自己否定・他者肯定」です。


そうした苦しい状態が長引き 安らぎがなくなると
「自分はよくない人間だ 相手もよくない人間だ」
と「自己否定・他者否定」となるそうです。

周囲から拒絶されたときに生まれやすいのは
「自分はよい人間だ 相手はよくない人間だ」
と自己肯定・他者否定に陥るそうです。
動物も虐待されると
そうした心を作るようです。
この「自分はよい人間だ 相手はよくない人間だ」からは
攻撃的な性格が生まれ 人を値踏みしたり 批判したり 高圧的な
態度をとったりするそうです。
こうした初期の世界に対する判断は幼児期に
プログラムされるのですね。


 
紹介した3つの初期判断は
大人になっても影響し
心にネガティブな感情を生じさせるそうです。

何かを実行する前から 「きっと笑われる」とか「自分にはできない」
と感じたり
「あいつは嫌なやつだ」「説教してやる」
と怒りや劣等感でいっぱいになったりするのは
幼児の時に感じて 自分にインプットしたプログラムが
勝手に作動しているからなのだそうです。

それに妨害されて
自分の才能が発揮できない人は多いんですね。

そうしたことから判断すると
幼児期の経験は
子どもの一生を左右するのだなぁ!!
と感じます。

親って子どもに 何を与えたか 教えたか‥に
気持ちがいきがちですが
それよりも 子どもがどう感じたか
親が子どもにどのように接したか‥が大切なんですね。

でも それなら 
しつけはどうすればいいの~??
と悩んでしまう方もいますよね。
注意をしていかないと わがままな子に育つのでは~??

以前も書きましたが
幼児のしつけは
何度も 何度も 何度も教えて
できるようになる時期は子どもにまかせる。
が基本なのだそうです。
すぐにできるようになって欲しいと
あせらなければ
きちんとしつけをしても
幼児が不安や恐怖を記憶に刻むようなことには
ならないですよ。

幼児との貴重な日々を
楽しんでくださいね。



引用は「あなたの才能がすぐに目覚める4のステップ」 ダン・ロウ著 PHP

算数おもしろ大事典 1Q(いっきゅう)

2017-06-07 17:20:24 | 算数

算数おもしろ大事典 1Q(いっきゅう)という本が、なかなか面白いです。

子どもと数にまつわる遊びをする時に活用しています。

電卓で、こんな遊びはどうでしょう?

電卓で計算できないほど大きなケタになる場合、大人ががんばってひっ算してあげると、

なぜそんな不思議な数になるのか、理由がわかります。

111×111=

1111×1111=

111111×111111=

111111111×11111111=

(最後の計算の答えは、12345678987654321です。)

小学4年生のAくんと、

この算数おもしろ事典で、五角形や六角形をコンパスで作図する方法を練習するついでに

サッカーボールを作りました。

サッカーボールは、五角形と六角形の組み合わせでできています。

貼りあわせ方は、算数おもしろ事典に載っています。

 

何だか、いい感じにできてきていますよね。

 

この日の算数のレッスンでは、速さの少し難しい問題にチャレンジしました。Aくんはじっくり考えて、

自分の知恵を使って解ききっていました。


自閉っ子の遊びが生まれる時

2017-06-06 08:48:06 | 自閉症スペクトラム・学習が気がかりな子

自閉っ子が成長する時

自閉っ子が成長する時 2

で記事にさせていただいたAくんとBくんのレッスンの様子です。

前回のレッスンで、自分の思いついた言葉にそって工作してから

遅延エコラリアと場にあっていない発言が激減したというAくん。

今回も、遅滞エコラリアや場や状況に合わないひとりごとはほとんどありませんでした。

お母さんの話では、これまでおもちゃで遊ぶことがなかったのに

電車のおもちゃを線路の上で動かして遊んだり、お人形を使ってごっこ遊びをしたり

する姿が見られるようになったそうです。

教室でも、ブロックの線路をつないだ後で、電車のおもちゃをすべらせたり、

『メイシーちゃんのおうち』というドールハウスになるポップアップ絵本で上手に

遊んでいました。

ベビーレッスン用のおもちゃの箱を探っていたAちゃんが見つけた

扉が開く車。メイシーちゃんを乗せるとピッタリサイズなのに気づいて大喜びしているAくん。

前回のレッスンで、Bくんがトンネルの中のページになるたびに

教室の電気を消しても、

自分が見ている絵本の場面と教室が暗くなることのつながりが

さっぱりわかっていないように見えたのですが、

今回は、トンネルの場面になると電気を消すことを期待するような表情をみせ、

再びトンネルに電車が入る場面になった時は、自分で電気を消しにきていました。

これまでもAくんがBくんが遊んでいたおもちゃに後から触っているところを見ることが

何度かありましたが、今回は、Bくんのすることは何でも真似してみたい

という意志がはっきりと感じられる遊び方でした。

 

 

 

粘土を重ねて、ストローで抜いて遊んでいるBくん。

完璧主義で美しいものが大好きなのに

手先が不器用なBくん。

ただ型を抜くだけで美しい作品ができることが

うれしくてたまらないようでした。

型を抜いた後の粘土の塊は汚く感じたようで「いらない」と言っていたのですが、

ガチャポンの容器を用意してあげると、中に粘土を入れてからセロテープで密封して、

「地球だよ。やっぱり、どろ団子だよ」と満面の笑みでした。

 きれいな粘土でできる模様に夢中になっていたので、

水が自ら塗り絵をしているように見える実験をしました。

Bくんはすっかり心を打たれた様子です。

算数タイムの一コマ。前回までは、自分発で始めた遊びはするけれど、

こちらが「算数の時間だから席に着いて」と誘うと、頑なに拒否して座ろうとしなかったBくん。

今回は、粘土遊びに使ったガチャポンを見て、「この中に何が入っていたの?」とたずねるので、

「ないしょよ。算数の勉強の時間に中に入っていたおもちゃを使って勉強しようか?」と声をかけていたためか、

粘土の作品作りに心から満足していたからか、

素直に席について、算数の問題にいろいろ取り組みました。

わたしが出した5本の止まり木に鳥をとまらせてから、とまっていない鳥を数える問題も

きちんと解くことができました。

問題が終わった後で、Bくんはセロテープで積み木をピッタリ貼り合わせていってから

鳥を乗せて行きました。

積み木で列車の連結を表現して鳥を乗せていくのも

Bくんのアイデア。

Bくんは何でもセロテープできっちりと貼り合わせて

大好きです。鳥を入れる蓋つきの箱が作りたかったそうです。