の続きです。
こちらが準備した課題をやらせるのと
子ども自身から出たアイデアをていねいに受け止めて、
一緒に広げていくのでは、その後の子どもの成長の質がずいぶん違います。
特に自閉っ子の場合、
周囲とコミュニケーションがほとんど取れない状態から、
積極的に会話を継続させていこうとする状態に劇的に変化する
きっかけともなりやすいです。
この日、さまざまな時計作りに取り組んだあとで、Aくんは
電車の絵本の泣いている赤ちゃんを指さしながら、
「赤ちゃん、泣いてるねぇ」と言いながら、お母さんとの会話を楽しんでいました。
この電車の絵本は、何度も真っ暗なトンネルを通るシーンがあります。
一緒にレッスンしているBくんは、
このトンネル内の場面になるたびに、教室の電気を切って、
「暗くなった、暗い、暗い」とはしゃいでいます。
Aくんは、Bくんのしていることがまだピンときていない様子です。
それでも、自分が興味を持った本をBくんも面白がって
「トンネルだから暗くする」と言って、毎回、電気のスイッチを操作している……
という状況は、Aくんの次の成長のための伏線の役割を果たしてくれるだろうとも
思っています。
ポップアップ絵本のドールハウスを見ながら、
お母さんと簡単なごっこ遊びを楽しむAくん。
偶然、丸めて置いた段ボールが
Bくんが思っていた駅の屋根のイメージにピッタリだったようで、
Bくんはとても得意そうでした。
「すごいのができたね。どうやって作るのか教えて!」と言うと、
段ボールをギューッ抱えて、「こうやって、こうやる。」と答えました。
「そう、段ボールを抱えて、手でギューッと丸めるのね。そうするとトンネルみたいな、
丸い屋根みたいな形になるのね。大阪駅の屋根はこんなふうよ。本当にそっくりよ」
と言葉を添えました。
そんなBくんの姿が、Aくんにさまざまな良い影響を与えているのを感じます。
テレビとDVDプレイヤーを作ってBくんと遊びました。
差し込むブロックをDVDに見立てて、
「魚のDVDか、アンパンマンかどっちを見る?」と聞きながら、
映像を見ているフリをして遊んでいます。
Bくんが作ったリモコンです。
青いブロックは音量を大きくしたり小さくしたりするスイッチなのだそうです。
Aくんは、このごっこ遊びをBくんほどきちんと理解していたわけでも楽しめていたわけでも
ありませんが、見たいDVDを決めて、ブロック板のリモコンを触っていました。
Aの母です。
レッスンの様子を書いてくださり、ありがとうございました。
コメントさせていただいたように前回のレッスン後、3日くらい、Aの調子はかなりよかったです。
でも3日後に市の療育(TEACCH)で、始まったばかりということもありますが、スタッフの方との意思疎通が上手くいかず(スタッフの方も謝っておられました)
それがきっかけかのように、元のAに戻ってしました…
いま思えば、療育の後に自宅にまっすぐ帰っていれば、自分のペースを取り戻せていたかもしれませんが
お友達のおうちで遊ぶ約束をしていて、本人も行きたがったので行ってしまいました。
お友達のおうちですでに、独り言が多かったです。
さらに翌日から、前から計画していた温泉へ一泊旅行に行きました。(Aは温泉が大好きです)
持参した浴衣を着てゴキゲンでしたが、環境の変化のためか、またまた独り言が最高潮でした。
それから数日たった現在、少し落ち着きを取り戻せたかなと思っていたところ
自宅で紙製のドールハウスに(教室にあるメイシーちゃんの絵本を、かなり簡易的にした感じのものです。Aは、ああいったものが好きです)
ドアをつけたいと言い出しました。
元々は入り口の穴があいているだけのものに、簡単に紙のドアを作りテープで貼ったところ
鍵とチャイムもつけたいと言いました。
太さの違うストロー切って、太い方を鍵穴に、細い方を鍵にして差し込めるようにして、Aがテープを貼りました。
うまくできたことが、とてもうれしかったようで、そのあとブロックで、1時間くらい集中して、車を作って遊んでいました。
もう寝る時間をとっくに過ぎてしまったので、やめるように促しましたが…
教室で時計を作ったときのように、独り言なしでした。
ちょっと残念なのは、鍵といっしょに付けたがっていたチャイムは
私には、Aが満足する仕掛けを思いつくことができませんでした。
虹色教室だったら、いろんな材料で、なおみ先生がうまく誘導してくださるだろうな、と残念でした。(おそらくAがいちばん残念がっていたでしょう…^^;)
いま、Aはとても微妙な時期に差し掛かっているように思います。あまり旅行などには行かず、淡々と静かな日々を過ごす方がいいのかなと、なんとなく感じています。
家では、私とふたりのときが、いちばん落ち着いているようです。
それにしても、なんてセンシティブな息子なのでしょう。
私など、結構おおざっぱに育てられたので、驚くことばかりです。
子どもが関わりや環境で、ここまで変化することが、希望でもあり、怖くもあります。
たいへん長々と、失礼いたしました。
次回のレッスンも、心待ちにしております!
自閉系さんの特有かはわかりませんが、わりとよく耳にする気がします。特に後退したときは、かなりのエネルギーを使って前進した直後だったりして、内心2倍の徒労感がありました。今思うのは、後退しても、また進めるチャンスはあるし、進む能力は確認できた、と、あまり悲しまなくてよいのかもな、ということです。経験を重ねると、前進したときこそ、いや、ゆりもどしですぐ後退するかもだぞ、と、つとめて覚悟?するクセがつきました。とりとめないですが、ウチも遅延エコラリアが長く、当時を思い出しました。