虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

算数なんて必要ないんだと力説していたYくん。算数の面白さを発見する。

2019-10-11 08:51:55 | 子どもたちの発見

昨年、虹色教室のユースホステルでのレッスンに参加したYくん。

工作や遊びなど自分のしたい活動はしたいけれど、算数は必要ないからやりたくないと言い張っていました。

そんなYくんとのやり取りを、こんな記事にしています。

「算数なんて必要ないんだってことを先生に説得する」とYくん

 

それから1年。

何度か教室でいっしょに過ごすうちに、Yくんの算数への思いは大きく変化してきました。

大好きな工作の世界と算数の世界のつながりに気づくうち、図形のまわりの長さの計算

では、算数が得意な同学年の男の子と肩を並べて競いあう姿がありました。

そんなきっかけから次第に算数に興味を持つようになり、

今年のユースでは1学年上の子の算数の学習につきあっていました。

 

今年のユースの後で、Yくんが

100歳の人は、何日生きたのかな?

と突然言い出したそうです。

それは何時間なんだろう、何分なんだろうと、計算を始めて、

二桁の掛け算はまだ習っていないので、お母さんに方法をたずねて、説明を熱心に聞いていたそうです。

寝る時間になっても続けているので、

もう終わりにしよう、と言ったら、

もうちょっとやらせて!と言い、

Yくんのお母さんいわく、

まさに、「これは自分はできるから、もっとやらせてくれ!」状態を目の当たりにして、とても驚いた、

ということでした。

 

100歳の人は、何日生きたのかな?という疑問。

 思わずワクワクしながら計算したくなる疑問ですね。

リンク先の記事に残っていますが、

昨年、私はYくんにブログ経由でこんな手紙を出したんです。

 

Yくんへ

虹色教室で算数をする理由は、虹色教室では算数の中に隠れている

「面白さの秘密」を見つけ出すところだからです。

それは、Yくんが行きたくてたまらないアマゾンの奥地に隠された秘宝と同じような

貴重なものです。

それを手に入れれば、これからYくんが算数と会うたびに、

ちょっとずつ好きになっていくかもしれないという魔法のお宝です。

これから先、めちゃくちゃつまんなくてたまらない算数とおつきあいする時間が、

その秘宝さえ手に入れたら、

もしかしてめちゃくちゃ面白い時間になるかもしれないんです。

そうすればYくんが大嫌いな退屈で無駄な時間が、

たのしいわくわくする時間に魔法のように変化するかもしれないでしょう?

だから、算数の勉強が、ワニに食べられたり、毒へびにまきつかれたりするより

うんざりするつまらないことだと思うかもしれませんが、

そんな試練にめげず、算数の秘宝をいっしょに探しに行ってください。」


この算数の秘宝を、Yくんはこれからもたくさん見つけてくれるんじゃないかと思いました。

ひとりでも多くの子が、Yくんといっしょに算数の秘宝を見つける冒険に出てくれることを願っています。

 


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1 コメント

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ありがとうございます (Y母)
2019-10-24 02:41:20
「算数なんか必要ないんだ!」って熱弁していた一年前が思い出されて懐かしく、可笑しく、ついに、「算数の面白さ」を見つけたんだなあ、としみじみ、じーんとしました。

当時、「算数きらい」って言うので、そうなんだ、この子は算数には興味がないんだな、って思っていました。
嫌いって言うんだから仕方ないし、何に興味があるのかは人それぞれだから、っていう風に考えていたのですが・・・「面白い!」と感じた子は、これほど変わるのか、と、感動しています。

子どもの「嫌い」っていう言葉を安易に真に受けちゃいけないな~と反省しました。「算数の秘宝」を見つけて、Yの人生が、すごく豊かになったように思うのです。

「冒険」という言葉を使われていますが、本当にそうで、未知の世界に飛び込む勇気と好奇心で、算数の面白さや自分が変わっていく喜びに出会ったのだと思います。
それは、百人百通りの、その子だけの冒険物語なのでしょう。

これからもたくさんの「秘宝」を見つけて、新しい扉を開いて、世界を広げていってくれたらと願っています。

といっても、私が家で算数をさせたりすると(めったにしませんが)、Yの心の中に芽生えたこの新しい息吹が、どっかにいってしまう感があります!冒険ではなく、作業?労働?(汗)奈緒美先生との算数とは、全然違うのでしょうね・・・。
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