虹色教室には自閉症の子たちも通ってくれています。
教室では、自閉症の子たちが、さまざまな活動にいいイメージを抱けるようフォローしています。
写真は2年生になったAくんが、はじめて実験に取り組んでいるところです。
Aくんは小学校に上がるまでほとんど言葉がなかった重い自閉症の男の子です。
多動もひどかったので、ほんの少しの間、ひとつの活動にかかわらせることも難しい子でした。
でも、親御さんたちがていねいに根気よくさまざまな活動に触れさせてきたおかげで、
絵本の読み聞かせ、ブロック作品作り、ボードゲーム、頭脳パズルなど
熱中して取り組めるものがたくさん増えてきました。
最近では、言葉がいっきに増えて、「どうして?」を連発し、さまざまな会話を楽しむようになりました。
実験をする前に、『ビーカーくんと放課後の理科室』という絵本を楽しみました。
読みながら、実際に教室にある実験器具で遊んでみて、興味を引き出しました。
絵本を読み終わると、Aくんが、「ビーカーくんのじっけん、これとこれとこれとこれ したいです」と
ビーカーくんが自分の得意な実験をするシーンを指さしました。
そこで、最初に風船の中の氷を取り出して、塩を振って傷をつける実験をしました。
スポイドを使うのを楽しんでいたので、試験管にクエン酸と重曹を入れて、化学反応を起こさせる実験をしました。
泡があふれるたびに、Aくんの笑顔がはじけていました。
Aくんの世界がひとつひとつ広がっていくといいな、と感じます。