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虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

1歳半~2歳半の子の『絵本大好きクラブ』

2015-02-17 14:01:15 | 0~2歳児のレッスン ベビーの発達

 

 

ベビー向けのレッスンで、

「科学」「算数」「モンテッソーリ」「ブロック」「絵本」といった

テーマのある活動日を設けてみると好評だったので、

今後も、子どもたちの反応とお母さん方の要望に応じて、

幼い子向けの『○○クラブ』の時間を作っていきたいと思っています。

 

今回は、1歳半~2歳半の子たちのレッスンでの『絵本大好きクラブ』の様子を

書かせていただきますね。

 

絵本というと、ページをめくりながら絵を眺めて、お話を聞かせてもらうもの……

という印象がありますよね。

それは幼い子たちの暮らしに欠かせない大切な体験です。

 

でも、時には、そうした受動的な関わりとは別に、

自分の五感や手や知恵を使って、もっと能動的に絵本と遊んでみると、

子どもはもちろん、親御さんもいっしょに、とても不思議で魅力的な体験を

することができます。

 

絵本は、子どもの活動を豊かにするためのヒントをたくさんもたらしてくれます。

 

見る、聞く、匂いを嗅ぐ、味わう、触る、知る、言葉を学ぶ、知りたいと思う、

疑問を抱く、調べる、描く、芸術に触れる、奏でる、考える、マッチングさせる、

作る、アイデアを言葉にする、意味を理解する、ごっこ遊びをする、劇をする、

料理をする、行事に参加する、人や物のつながりに気づく、

手品をする、ストーリーに心を添わせる、予測する、理由を考える、ユーモアを味わう、

実験をする、観察をする、発見をする、探検をする……といった行為に、

子どもたちを誘い出してくれます。

 

『絵本大好きクラブ』では、絵本を通じて、

子どもたちができる行為の幅を広げ、質を深めるためのアイデアを

体験してもらっています。

 

教育大学教授のハワード・ガードナーは、

 

「赤ちゃんや子どもは、世界を知るために世界で行為するのです。

私たちの知識は、行為から引き出され、行為にもとづく行為から引き出され、

ついには内面の心理的操作つまり内面化された行為から引き出されます。」

 

「知識を構成するというアイデアは、私たちすべてが人間として持っている力を

示してくれるものです。私たちが新しいものを創造し、新しい理解にたどりつくことが

できることを示してくれます。そして、子ども、アーティスト、発明家、科学者、

探究者の親近性を示してくれます。」

 と語っています。

 

今回、『絵本大好きクラブ』で使った絵本とお母さん方についでに見ていただいた絵本です。

特に「これらの絵本がおすすめ」というわけではなく、2歳半までの子と楽しむので

ストーリーがあまりないものをあれこれ選んでいます。

 

1冊目

『おふろだ おふろだ!』

(わたなべ しげお ぶん・おおとも やすお え /福音館書店)

 

くまくんが、パパくまとおふろに入って、シャワーをあびて、おふろに肩までしずんで、

背中を洗ってもらって、次には、パパの背中を洗ってあげます。

湯船の中で、「いーち、にーい、さーん……」と数をかぞえて、

風呂あがりにママくまにバスタオルで

拭いてもらってり、自分でパジャマのズボンをはいた後で、

お水を「あー、おいしい!」と飲んで、パパに絵本を読んでもらうまでのお話。

 

どのシーンも、1、2歳の子たちにも、わかりやすいものです。

絵本を見ながら、背中をごしごし洗ったり、湯船につかって数をかぞえたりするシーンを

実際にやってみて遊びました。

シャワーがかからないように両手で頭をかばって、目をきゅっと閉じたり、

「あちち」と言いながら湯船につかるふりをして、「もっともっと肩までしずもう」と、

どんどん深くしずんでいくところを表現したりします。

 

時々、身ぶりで少しだけヒントを与えながら、「次は……次は……何をするんだっけ?」

と問いかけて先を予想させたり、

「くまくんがパパの背中洗ってあげているね。さっきは、パパが誰の背中を

洗っていたのかな?」と問いながら前のページに戻ってみるのも楽しいです。

 

絵本の中にあるものと同じものが用意できたら、

イラストと本物を「いっしょ、いっしょだね」と指さして見比べるのも喜びます。

 

教室では、この絵本の中から、すぐに作れそうなものをひとつ選んで

子どもたちといっしょに工作することにしました。

絵本の中から、何かひとつ選んで、作ってみるのはとても面白いです。

工作が面倒な時は、積み木やブロックで見立てるだけでもOKです。

 

子どもたちが作ったのは、

トイレットペーパーの芯に青いポリひもをつけただけの「シャワー」。

こんな簡単な作りですが、とても人気があって、どの子も作って遊んでいました。

 

「ボタンをとめる」「ファスナーをしめる」という大人には当たり前の行為も、

幼い子たちの目には新鮮で興味がそそられることです。

自分でも実際にボタンをとめたり、ファスナーをしめたりしながら、

絵本の絵を眺めることは、ハッとするような体験にもなるのです。

 

ブラシやくしでねこの毛をすいてあげること、手を打ちあわせること、楽器を鳴らすこと、

はさみを使うこと、積み木を積んで壊して、犬の頭をなでて、手をなめられること。

幼い子たちは、そんなひとつひとつの行為を目で見て、言葉で聞いて、

実際にやってみて、深く納得します。

日常のさりげない行為も芸術的で質の高い絵本を通して体験しなおすと、

頭の中や心の中で何かがつながったかのように

心の底から満足した表情を浮かべる子が多いです。

こうした子どもの感受性に響く体験は、キャラクターが登場する絵本や

しつけビデオでするのは難しいな、と感じています。

 

幼い子に絵本を読んであげた後で、

ひとつでいいので、絵本の中で描かれているものを

現実の生活の中で体験しなおすようにしてあげると、とても喜びます。

これは大人にとっても、新鮮でワクワクする体験になるにちがいありません。

 

たとえば、絵本に「あり」が登場していたら、

お散歩に出たついでに、「あり」を探してみてはいかがでしょう。

どんな場所にいるのか、季節や時間によって行動範囲が異なるのか、

蜘蛛やバッタのような他の虫たちはどうしているのか……幼い子とともに

大人も好奇心を持って世界を眺める楽しさを味わうことができるはずですよ。

 

 


2~4歳児さんのけんか どう対応すればいいでしょう?

2015-01-21 19:18:04 | 0~2歳児のレッスン ベビーの発達

2~4歳児というのは、それはよく揉めるものです。

とにかく相手の子の遊んでいるもので遊びたいし、

仲良く遊びを発展させるほどの能力もありませんから、

物を取り合ってるだけで遊び時間が過ぎていくこともあります。

 

そんなときの親御さんの介入の仕方によって、

子どもが精神的にしっかりしてきてお友だちと上手に遊べるようになる場合と、

いつまでも幼いままでとどまって、少し心配な態度をしめすようになる場合に

分かれるように思います。

 

わたしが少し心配な態度だと感じているのは、

その子の感情と態度が、かけ離れているように見えるケースです。

 

たとえば、おもちゃの取り合いでけんかになっているとき、

「そのおもちゃが欲しいんだ!」という欲求が、相手の欲求とぶつかって、

「そのおもちゃでどうしても遊びたい!貸すのはいや!おもちゃを取られそうに

なったらいや!」と、思い通りにいかない事態にパニックを起こして、

わんわん泣いて、しまいにお母さんに抱きついてなぐさめてもらう、感

情が鎮まってくるまですねている……という具合に幼い子の感情が素直に表現されて

いるのはとてもいいことだと思うのです。

 

幼児はまだ感情をコントロールするのが難しいですから、

何度もそうした体験を重ねるうちに、次第に、

感情をコントロールするのが上手になっていくものです。

 

そうしたネガティブな気持ちを親御さんに受け止めてもらって、

自分でも認めて受け入れていくうちに、

他の子に対する理解や、自尊感情が芽生えてきます。

そのうち意味もなくけんかばかり繰り返すよりも、

協力しあって楽しく遊ぶ方が楽しいことを学んでいくはずです。

 

わたしが気にかけているのは、けんかをしていても、

その子自身の感情とかけ離れたところで揉めているように見える子です。

 

物を取り合っていても、

実はそれを本当に欲しいと思っているわけではないようで

大人に取りあっていた物を取り上げられてもさっぱりしていて、

たちまち別の物に興味を移していきます。

 

いろんな場面で、その子の気持ちが見えにくく、

ニコニコとよく笑うけれど、感情そのものは希薄な印象があって、

簡単に大人の指示によって動かされてしまう場合、

ちょっと子どもとの関わり方を見直す必要があるかもしれないと感じています。

 

子どもの揉め事を解決する際、

大人同士の親しい関係を保つために、子どもの気持ちがほとんど無視されたままで

「揉めさえしなければいい」「けんかにさえならなければいい」という

解決法が取られている場合、

そうした気になる態度につながりやすいように感じています。

 

「わが子には、相手の親から心が優しい良い子だと思ってもらうような

態度をしめしてほしい」という一方的な親の期待が押し付けられている場合も、

子どもが気になる態度を取るようになりがちです。

 

心理カウンセラーの袰岩奈々さんが、

『感じない子ども こころを扱えない大人』という著書のなかで、

次のように書いておられます。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「授業中にほかのことをしているので、注意をするが、ぽかんとしている。

何を注意されたのか、わかっていないようだ」

「『そんなに言うことを聞かないのなら、もう帰りなさい』というような

言い方をすると、本当に帰ってしまう。言葉のニュアンスを受け取ってもらえない」

(略)

子どもとのコミュニケーションがうまく成り立たない……

教員たちのこういう訴えから気づくことは、

相手の気持ちや自分のなかにおこる危険や不安といった感覚、感情を

子どもたちがうまく感じとれていないのではないか、ということだ。

小学校で知識を学び始める。その段階までに、開発されるべきものが育っていない。

そんな子どもたちを多く抱えながら、知識を伝えることを主とせざるをえない、

という矛盾が今の学校にはあるのではないだろうか。

では、知識を学び始める前までに開発されるべきものとは、なんだろうか。

それは「自分の感情を十分に味わって、その自分なりのコントロール方法を、

ある程度身につけているかどうか」ということだ。

かつては、気持ちを取り扱うための訓練が、家庭のなかで自然になされていた。

たとえば兄弟ゲンカをしたり、家族との家族との駆け引きをしたりしながら、

自分の気持ちを自覚し、それを表現する方法を自分なりにみつけ、

磨く機会があった。

(略)

けれども、今の子どもたちは、そういった予行演習の場がない。

突然に学校といった公の場に出ることになる。

(『感じない子ども こころを扱えない大人』 袰岩奈々 集英社新書)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

袰岩奈々さんは、自分の子どもの子育てを振り返って、

「年齢がいってから子どもを産んだせいもあって、親である私は

モノの名前や状況についての説明には長年慣れ親しんでいたものの、

情緒的な反応やイマジネーションの世界からは遠ざかっていた」とおっしゃっています。

絵本に猫がいれば「ネコよ」、ハリネズミはいれば「ハリネズミよ」と反応して、

ネコが気持ちよく眠っていてかわいいとか、ハリネズミの針がツンツンして

さわると痛そうだとかいった、情緒的・感覚的な反応が出てこなくなっていた

そうです。そうした子育ての体験から、

「もしかすると、世の中全体でこういった「知的」なものを

乳幼児期からいっぱい注ぎ込む傾向が強くなっていて、

子ども自身、自分のなかにわき起こる感情をもてあましているのかもしれない。

気持ちを言葉にしたり、コントロールする体験が少なく、

自分なりの気持ちのコントロール法を編み出す機会が少なくなっているのでは

ないか?」という疑問を導きだしておられます。

 

虹色教室でグループレッスンをしていると、

子どもたちが本当に意味で、生き生きと学び出すのは、

友だちやわたしの前で素のままの自然な自分が出せて、それでいて

心から共感しあえ、笑いあえて、

互いの欠点が許しあえる友だち関係ができてきた後からなのです。

 

それまでは、学ぶことに対して斜に構えた馬鹿にしたような態度をとったり、

そわそわ落ち着かなくて、心から楽しそうでなかったり、

優等生ぶっていても、成果ばかり気にして好奇心が鈍っていたりするのです。

 

それが、人との関わりのなかでリラックスして楽しめるようになり、

自分の感情と素直につながるようになってくると、

面白くない訓練や

難しくてどう取りかかったらいいかわからないような問題にぶつかるのも

ワクワクする体験のひとつになってくるのです。

あらゆることに心が開かれてくるのです。

 

難しい問題にぶつかると、心もとない気持ちになって、

友だちと協力しあってそれを打破しよう、人と相談しあうのは

こんな風に大切なのかと実感できます。

また、それをやり遂げて、みんなのヒーローになりたいという気持ち、

「すごいな~」と友だちを賞賛する気持ち、

アイデアを出すのがうまい子、根気がある子など、それぞれの特技を生かして

互いの良い面を生かしながら、

認めあって物事にあたるすべが身についてきます。

わたしの役目はそうした関係をサポートしていくことですが、

そうした関係が成り立つには、

まずそれぞれの子が自分の感情と素直につながっていなくてはならないし、

友だちとけんかをしあえるほど仲良くならなくてはなりません。

自由に感情を表現して、それをコントロールしていくのを学べる時間や場が

必要なのです。

この夏、ユースホステルでのお泊りレッスンを実行したところ、

小学生の算数クラブや科学クラブの子らに大きな変化が見られました。

勉強に対する意欲と責任感が劇的に変化した子が何人も出たのです。

といっても、ユースホステルで特別な勉強をしたわけではありません。

ただ、子ども同士、ゆったりした時間のなかで、

本当に親しくなったのです。

 

2~4歳の時期には、とても大切な課題があります。

『自己統制力を育てる』ということです。

 

2~4歳児が、子ども同士で上手に遊べずに、

しょっちゅう大人の介入を必要をとするような揉め事を起こすのは、

大人の手と心を借りて、

自分を大きく成長させていかなくてはならない時期だからともいえます。

 

大人たちが遠巻きに微笑みながら見つめるなかで、

子ども同士、平和に幸せそうにじゃれあって遊んでいるという……

2~4歳の子を持つ親御さんたちが期待する「子どもの遊びの世界」のイメージは、

テレビCMのための作りあげた虚構の世界か、

子犬たちがドッグランで繰り広げる遊びの世界に近いものです。

 

実際の2~4歳の子たちというのは、

人間の子どもとしての育ちの課題を持っていますから、

いろいろと自分で揉め事を創り出しては、

大人から適切な指導を引き出そうします。

 

自分より先に生まれた大人という先輩の手と心を借りて、

今の自分より一段高い次元の精神的な力と態度を獲得しようと

がんばっているのです。

 

獲得する力が『自己統制力』なんていう一生を左右するような能力ですから、

1回、2回の練習で身に着くはずもありません。

それで、くる日もくる日もギャーギャーワーワーわめき散らしては

課題とぶつかって、大人に助けられながら

ゆっくりゆっくり自分の心と身体を作りあげていくのが、2~4歳児の姿です。

 

「大人の適切な指導」なんて言葉を使うと、

「ああ、しつけのことね」「きちんと正しいしつけを教えていくことね」と

感じるかもしれません。

もちろん、そうではあるのですが、

けんかをするから、「けんかしてはだめ」「おもちゃを貸してあげなさい」

「お友だちに優しくね」と教えることが、この時期のしつけだと思われていると

したら、ちょっと問題があるかもしれません。

 

なぜなら、いつまでも子どもの自己統制力が育たないままで、

親の前ではいい子でも、集団の場や、お友だちの前ではわがまま放題だったり、

小学校に入学してからも2、3歳児のように聞き分けがなかったり、

指示には従うけれど、自主性や意欲が乏しかったり、

自己主張ばかりして自分勝手に振舞うような場合も、

先に挙げたようなしつけはしっかりしていることが多いからです。

 

山梨大学の教育人間科学部の加藤繁美先生によると、

「子どもの自己統制力が育っていく道筋にはひとつの構造がある」そうです。

「子どもが自己統制力を自分のものにする過程で、その途中を省略させられたり、

ゆがめられて自己形成させられた場合、

うまく自分をコントロールできなくなってしまう」というお話です。

 

それでは、自己統制力というのは、どのように育っていくのでしょう?

『人とのかかわりで「気になる」子』にあった

加藤繁美先生のお話を簡単に要約して紹介しますね。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

まず、まだ泣くことくらいしか自己表現できない赤ちゃんの時期に、

大人たちが子どもの発する言葉にならない子声(自覚しない要求)を

読み取り、ていねいに「意味づけ」し続けること。

そうしたコミュニケーションの繰り返しのなかで、自分の要求が音声と対応すること

を知っていきます。

同時に人と関わる心地よさを無意識世界に形成していきます。

 

次に、「愛されることの心地よさ」をベースに、音声で表現できることを知った

要求世界を、自分の興味・関心にひきずられるようにして

どんどん表現するようになります。

(『人とのかかわりで「気になる」子(ひとなる書房)』より要約しています)

 

 

要求を主張する主体として成長していくこの時期、大人の対応が重要です。

 つまり「受け止めながら、方向づける」という対応が、

ていねいになされることが重要です。

大人の側に余裕と辛抱強さが必要になってきます。

どうして大人の側に余裕と辛抱強さが必要なのかというと、

この時期の子どもの要求は、融通が利かない一方向のものだからです。

どうしてそんなにわがままな要求なのかというと、幼児はまだ幼児だからで、

そうした原石のような要求を表現しつつ、

しだいにそれに磨きをかけて、自分の力でコントロールできるものにしていく

という課題を抱えて生きているからです。

 

でも、ちまたで見かける大人の幼児への対応は、

子どもの要求自体を無視する、機嫌を取って紛らわす、

大人同士の関係維持のために要求を変形する、

要求を表現できない場に連れていく(習い事やショッピングセンターなど)

というものが多いです。

また、大人が子どもに対する余裕を持って辛抱強く接することが我慢できないため、

その言い訳として、

「子どもには小さいときから、きちんとしつけないといけない」

「最初が肝心」などの言葉を使って、問答無用で大人の意のままに従わせるという

場面もよく見かけます。

一方で、子どもの言いなりになって、大人として子どもの成長を方向づける仕事を

放棄してしまっているケースも目立ちます。

 

長くなってしまったので、続きを読みたいという方は、

2~4歳児のけんか どのように対応したらいいでしょう?4

を読んでくださいね。


「見えない世界」の栄養 1

2015-01-08 16:35:59 | 0~2歳児のレッスン ベビーの発達

お正月中の記事へのコメントでいただいた二つの言葉。

 

発見したのは、こどもにとって「見えない世界」の栄養がとても大事なんだな、

ということ。

ひとつのキーワードとしては、心、頭、感性を自由に働かせる、

それに夢中になって時間のないところまで行く、ということなのかなと思いました。

 

どちらも、とてもすてきで重要な言葉ですよね。

 

「見えない世界」の栄養って具体的にどんなものでしょう?

すぐにピンとくる方は、

子どもと過ごすあらゆる場面でそれを見いだしていることでしょう。

でも、わからない、という方は気づかないだけではなく、

子どもにより良いものが与えたくて、

「見えない世界」と「時間のないところまでいく」体験を減らすことに

躍起になっているかもしれません。

 

そこで、レッスンの中から、

子どもたちが「見えない世界」から栄養を得ているなと感じた瞬間を

いくつか切りとってみることにしました。

 

今日は2歳9ヶ月のAちゃんのレッスンでした。

まだ冬休み中なので、年長のお兄ちゃん(Bくん)も付いてきていました。

「工作をしよう」という流れになって、わたしがビー玉コースターの簡単な作り方を

披露しました。

2歳児さん向けの見本ですから、

「できるレベルであること」「やってみたいと思うような感覚的な楽しみを伴うこと」

「すでにできることをベースにすること」の3点が大事です。

幼い子には『興味があって自分ができそうなこと』しかきちんと見えていないような

ところがありますから。

 

両面テープを画用紙に貼って、はがします。

 

上の写真のようなレールの作り方なので、大人が作ってあげようとすると、

「先に画用紙を切って、両端に両面テープを貼る」という順序で作ってしまいがちです。

もちろん、その方が仕上がりがいいのですが、

それだといきなり難易度が上がって、2歳児さんの想像力では

作業の流れをつかむのは難しいのです。

また、もし訓練でそれができるようになっても、

他の工作でできるようになったことを応用しにくいのです。

 

そこで、テープを貼って、はがして、はがした後にストローを乗せて貼ります。

それからはみ出している部分をはさみで切り取るのですが、

その部分を大人がしてあげたとしても、見ていて、何をしているのかわかりやすい

ので、先の順序よりずっと学びやすいです。

 

わたしが両面テープを貼って見せて、先っぽを少しはがしてみせると、

Aちゃんはそれをペリペリはがして上機嫌でした。

「ここをはがしてごらん」と教えるよりも、思わずはがしたくなるような状態を

作る方がわかりやすいです。

Aちゃんは、うまくはがせたことで自信を得たのか、今度は自分で両面テープを

貼り始めました。何本も。

こんな時に、大人が仕上げたいものを意識して、「ここにこうして貼って……」とか

「2本までね」とか指示しないで(年齢によって、きちんと手本や指示通り作るよう

教えるのが大事な時もあります)、

よほどの無駄使いでもしない限り、

何度もやりたがることに熱中させてあげるのがいいと思っています。

次のアドバイスやお手本を見せるのは、本人が退屈しだした時でいいし、見本ではなく

大人は大人で自由に制作活動に興じるのもいいと思います。

Aちゃんは、ここまでこちらのお手本に添って作っていましたが、

そこからは、自由にはさみであれこれ切りだしました。

Aちゃんが空き箱を切ろうとした時、お母さんが、「Aちゃん、それ固いよ」と

注意したのですが、Aちゃんはどこ吹く風。ゆっくり着実に切っていきました。

Aちゃんは4歳違いのお兄ちゃんと同年代だと信じているような二人目ちゃん。

観察力の高く慎重に行動する一方で、

「それはAちゃんにはまだ難しいよ」というニュアンスの忠告をされると、

俄然やる気になるタイプなのです。

 

大人だって固くて切りにくい空き箱をチョキチョキした後で、得意気に

それを開いたり閉じたりしながら、「ご本ができちゃった」と言いました。

 

こんなふうに自分でやってみたことが何らかの形になって、おまけに

自分で見立てることができた時、

幼い子たちはどんなすばらしいものが手本通りできた時よりもうれしそうです。

わたしは、Aちゃんの作った本を開いて、読む真似をしました。

「Aちゃんが、おかいものにいきました。おしまい」とか「

むかしむかしあるところに、うさぎさんとかめさんがすんでいました」という具合に。

すると、Aちゃんは笑顔をはじけさせて、切った箱のもう一方も開いてみて、

それも本のように見えるのがうれしくてたまらない様子で作品を

ぎゅっと胸に抱きました。 

一回、真っすぐ切っていっただけで、二つもできた作品と呼べないような作品。

でもAちゃんにとっては、何も代えられないすごいもののようです。

  

「ご本ができた」と見立てたとたん、それまで箱だったものが、本に見えて、

本として関わって遊ぶことができる、ということは、

まさしく「見えない世界」の栄養分。

『星の王子様』の童話にあるような、王子様には見えるのに、『数字が好きで、

一番大切なことは何も聞かない大人たち』には見えなくなってしまった世界からの

贈り物なのです。

 

 

「Aちゃん、よかったね。2冊も本ができたのね」とお母さんが声をかけると、

Aちゃんは目をキラキラさせて、次の箱を切り始めました。

 

切った後で、Aちゃんはセロテープをペタペタ。何枚も何枚も。

「切ったり折ったりした後で、セロテープでそれを覆うのが好きな

2、3歳の子って多いんです。

紙を折って、テープで封印してテレホンカードみたいなものを大量に作ってから、

『お手紙』と命名する子たちがいますよ」と言うと、

Aちゃんのお母さんが笑いながら、「そうなんです!うちでも折り紙を折って、

テープで完全に貼り合わせてお手紙を作っています。

それも、内側が色がついている面になるように折るので、

裏の白い面だけの同じようなものがいっぱいに……」と返しました。

 

Aちゃんの作品(切った後でテープで貼り合わせた紙)を使って手品ができるように

お菓子の箱に細工をしてあげました。

引き出し式になっている内箱を半分で切って、逆さまになるように貼り合わせると、

入れた紙が、箱を逆さまにすると出てくるようになるのです。

引き出す際に小さな覗き穴から顔のマークが見えるようにして、

その顔を押して、箱をひっくり返すと、上から入れたはずの紙が下からでてきます

……という仕掛け。

 

これはお兄ちゃんのBくんが、箱を覗きこんで不思議がって、

「どうして?どうなってるのかなぁ?」と夢中になっていました。

模倣が上手なAちゃんは、手品のタネはいまひとつわかっていない様子でしたが、

たちまち、手品の演じ方を覚えて披露してくれました。

次回に続きます。


2歳児さんたちの知恵遊び

2014-11-19 14:53:22 | 0~2歳児のレッスン ベビーの発達

過去記事です。

 

2歳児さんたちの知恵遊びの様子を紹介します。

裏に物の影が描かれているかるたで、遊んでいます。

「いちご」「さんりんしゃ」などよくわかっています。

 

こうしたかるたがない子も、お家に帰って影を見て何か当てることができるように

影絵遊びの提案をしました。

一部分だけ光を当てて、何なのか当てるのはさらに難しいです。

 

すぐに裏をのぞいてしまう時には、影絵用の箱を作るのもおすすめです。

右、真ん中、左の箱のどこかにピカチュウバスが入っています。

「こっちかな?」「ちがうね。ここかな?」と推測するのが楽しくてたまらない様子の

2歳4ヶ月の○くん。

 

2歳児さんたちは、未来に起こることをあれこれ想像しておしゃべりをするのも

大好きです。

 

たとえば、子どもが写真のようにバスに人形を入れたとしたら

「しまじろうのママがバスに乗ったね。お買い物に行くのよ。

お魚買って、どえらえもんのお菓子買って、レジではいどうぞってするのかな?

しまじろうのママはお買い物に行くのよ。

バスに乗って、それから、ピンポーン、おりますおります、ってするのかな?」など、

これからすることを想像して、子どもといろいろなおしゃべりしてみるといいですね。


2歳4ヶ月~3歳3ヶ月までの子たちの工作、ごっこ遊び、算数遊び

2014-10-02 20:55:10 | 0~2歳児のレッスン ベビーの発達

2~3歳前半の子たちのグループレッスンの様子です。

 

2歳4ヶ月のAくん、2歳11ヶ月のBちゃん、3歳1ヶ月のCくん、3歳3ヶ月のDくんの

レッスンの様子です。

Bちゃんが繰り返し、「ひも、ください」と言っていました。

何に使うのかと思うと、馬のたずなにしようと巻き付けていました。

Bちゃんは海外に住んでいた頃、よくポニーに乗っていたそうで、

ブロックで遊ぶ時も必ず馬の囲いを作ります。

ひもを結ぶのはBちゃんの手にあまるようだったので

モールを手渡すと馬の首に巻いてねじっていました。

 

囲いを上手に作れるようになってきたBちゃんに

スライドするドアの作り方を見せました。

作り方はコチラにあります。

Bちゃんはお母さんと一緒にドアを開閉して馬を外に出したり

お客さんを招きいれたりする遊びをしていました。

 

Bちゃんの今のブロック遊びの基本は囲いを作ることとプレートとプレートを

ブロックでつなぐこと、どんどんブロックを重ねて高い塔を作ること、

お家作りのパーツを置いていくことなどです。ひもを活用することが多いです。

 

こちらもBちゃん得意のひもを使った作品。

「Bちゃん、どんどんどんどん、ひもをのぼっていくの?高いところまで?」

とたずねると、「ちーがーう!ラプンチェル!」という答えが返ってきました。

そんなところから髪の毛がはえていたとはびっくり!

 

とてもおしゃべりでごっこ遊びが大好きなCくんとお母さんが

消防車や救急車やパトカーなどを作って遊んでいました。

Cくんはイヤイヤ期が少し収まってきて、

ほかの子ら一緒にする工作や算数遊びに積極的に参加するように

なってきました。

 

工作の時間。

3つのテーマで作品作りを楽しみました。

一つは、画用紙を折って、切って、切り込みを作ること。

そこに別に切った紙を入れて動かすと動く歩道のできあがり。

手本を見せると、みんなめいめいに真似っこをはじめましたが作品は異なります。

Bちゃんはわたしと同じ動く歩道。

 

Aくんはロケット。

切り込みを通って、ロケットが発射します。

「5~4~3~2~1~発射!」と言いながら、

なぜかモグラのように地下に潜る形で発射し、空に向かいました。

 

 

Cくんは電車に見たてます。切り込み部分を立体にしてトンネルに

するのを手伝いました。

 

Dくんはエレベーター。

動く歩道を立てると、上に上がって行く仕組みができあがります。

 

前回のレッスンでゴムの仕掛けで飛ぶちょうちょのおもちゃに興味を

抱いていたDくん。

ふたつめの工作のテーマは、「ゴムを使っていろいろなものを作ること」

でした。

シンプルなゴム鉄砲。

指でゴムを上にずらしていくとよく飛びます。

 

 

ぱっくんワニ。

ゴムの力でパクッと噛みつきます。

 

プロペラがぐるぐる回る仕組みや

電池に輪ゴムを貼って、カタカタ動く人形なども作りました。

 

3つめのテーマは、『11ぴきのねことあほうどり』という絵本の

読み聞かせをして、お話に出てくる気球を作って、

話の一部を演じて遊びました。

風船を膨らませる道具が大人気です。

 

今回の算数遊びは、トーマスのすごろくゲーム、指を使った数遊び、

『11ぴきのねことあほうどり』の1シーンで11ぴきのあほうどりを数えていく場面を

楽しむことなどをしました。

幼い子たちと数遊びを楽しむコツは、

近いうちに時間をとってまとめていきたいと思っています。


1歳児さん 敏感期の遊び 

2014-05-12 14:26:33 | 0~2歳児のレッスン ベビーの発達

期教育の弊害と早期の教育の大切さ 6 の記事の続きは

近いうちに書きますね。

 

1歳7ヶ月のAちゃん、1歳9ヶ月のBくんのレッスンの様子です。

Aちゃんは内向的なおとなしい性質ですが、芯が強くて、「自分でやりたい」という

思いの強い子です。お人形を一体一体、椅子に座らせていく遊びに熱中していました。

物と物を「1対1対応」させていくことに敏感になっているようです。(お家に

椅子のおもちゃがないときは、積み木やブロックで椅子を作るのもいいですよ。

紙を折っただけの椅子も喜ばれます)。

 

 

動物の人形を、1体1体、「ねんね」と言いながら、寝かせています。

(写真では大きなバンダナ1枚で遊んでいますが、1対1対応の時期、

人形のサイズのお布団がたくさんあると、喜びます。いらない布や服の生地を

人形のサイズに切るものいいです)。

寝かせる動作、ポンポンと布団をかけてあげて、「夜ですよ」「あっ、朝がきた」

と言って遊びます。

人形を寝かせたあとで、Aちゃんは自分も眠ったふりをしたり、

パッと元気に起きあがったりして遊んでいました。

 

自分で扱える道具がうれしくてたまらない様子。トングでおもちゃをつまんでいます。

トングは危なくないもので、(先がとがっていなくても、子どもの指を詰めるような

作りになっているものもあるので注意)つまみやすいものを用意します。

おすすめなのは、100円ショップなどで売っている柔らかいブドウの食品サンプルの

粒をはずしたものなどです。ゴムのような感触がつかみやすいです。

 

Aちゃんは、穴があるものに一つひとつ物を入れていくのが楽しくてしかたがない

ようでした。

 

 

おもちゃを手作りするときは、子どもにとって、適度な手ごたえがあるように

調整します。

写真は、ペットボトルの口にデコレーションボールを入れる手作りおもちゃです。

AちゃんもBくんもどんなおもちゃより、これが気に入っていました。

デコレーションボール(100均)は、ペットボトルの口のところで一度引っかかり、

指でキュッと押し込むと入ります。それが面白くてたまらない様子です。

ペットボトルの横に取り出し用の穴を開けて、セロテープで縁を覆っています。

 

お皿にスプーンを添えていく作業も楽しい時期です。

 

 

Bくんは好奇心旺盛で動くものが大好き。

また、じしゃくやゴムを使った仕掛けにも強い関心を示します。

じしゃくのついた組み立ておもちゃで遊んでいます。

 

 

今、ブロックをはずしたりはめたりするのが大好きというBくん。

この時期、お家でお母さんが作ってあげるといいブロック作品をいくつか紹介しました。

ひとつは駐車場……車がきちんとおさまると喜びます。

3色くらい色を分けて作るといいですよ。

車の発射台……輪ゴムをつけて車が飛び出すような仕掛けにしたものです。

坂道……ブロックを積んだだけのもの、一部の向きを変えて滑り台のようなものを

作ります。車やボールを転がします。 

 

 

まだルールを守れるわけではありませんが、カードを出して

チンとベルを鳴らすゲームやいちごケーキのゲームで遊びました。

 

 

最後にティッシュペーパーの空き箱でエレベーターを作って

天井から吊らして遊びました。


2歳児さんグループ 初めてのゲーム と 合体ロボット作り 2

2014-04-25 20:49:09 | 0~2歳児のレッスン ベビーの発達

この頃、ブロックでロボット作りにはまっているという○くん。

お母さんに手伝ってもらいながら作っているとはいえ、

左右の腕をきちんとつけたり、壊れた部分を自分でなおしたり……

かなりしっかり取り組んでいます。

 

今回、2体のロボットを組み合わせて合体ロボを作ったり、3体のロボットで

大型の戦闘機を作ったりする方法を学んでいただきました。

合体ロボットの作り方はまたの機会に書きますね。

ポイントは、ブロックの組み方の向きを変えて作ることで

合体させたときにブロック同士がひっついてしまわないようにすることです。

 

ブロックを組む方向は変えず、パーツごとにバラバラの作品として

合体させる方法もあります。

下の記事は、小1の男の子が自分で考えた合体アイデアを写真に撮って、

解説書を作ったものです。とても参考になりますね。

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小学1年生の●くんはさまざまな種類の戦闘機のメカと、鳥の巣型の基地を作って

くれていたのですが、写真を撮りそびれてしまいました。

そこで●くんがお家で作ってきてくれている合体メカの、変形過程の解説書を

紹介しますね。


一つひとつ名前をつけているそうです。

 

パワーの数値や技についての説明が、ぎっしり書きこまれています。

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2歳児さんグループの算数タイムの様子です。

キッチン周りの用品、掃除道具、服類とハンガー、赤ちゃん用のおもちゃ、楽器類、

靴類、学校用品などのミニチュアを分類してしまってある箱を一つひとつ開けて、

カテゴリーや数についての問題を考えています。

☆ちゃんは、まだ2歳7ヶ月なのですが、数についてとてもよく理解しているのに

びっくりしてしまいました。

「算数のお勉強をするからみんな椅子に座ってね」と呼びかけると、

大慌てで椅子を取りに行って、席についた☆ちゃん。

「☆ちゃん、1番だね」と声をかけたとき、わたしと☆ちゃんが同時に

「お勉強よ」という前から座って遊んでいた★ちゃんに気づきました。

すると☆ちゃんは、大人が誰も口を開かないうちに、

「あ~、☆ちゃん、2番だ!2番だね」と言っていました。

また、ちょっと難しいので、わたしの言葉と手の動きを見るだけで十分と思って話し

かけていた「タンバリンはタ、ン、バ、リ、ンで文字が5だね。

ピアノはピ、ア、ノで文字が3だね。くつは文字がいくつ?」とか「タイコはいくつ?」

といった質問に、指で数を作りながら「2」とか「3」と答えていました。

ほかの子らも算数のレッスンの時間をとても楽しんでいました(○くんだけは、

ブロック遊びではりきりすぎたのか、途中で眠くなってぐずっていたのですが…)。

 

 


2歳児さんグループ 初めてのゲーム と 合体ロボット作り 1

2014-04-25 14:04:21 | 0~2歳児のレッスン ベビーの発達

2歳4ヶ月の★ちゃん、2歳7ヶ月の☆ちゃん、2歳8ヶ月の●ちゃん、

○くんのレッスンの様子です。

●ちゃんがゲームの箱を引き出しては遊びたがるので、●ちゃんのお母さんが

『1,2,3 Go』のゲームの相手をしていました。

(まだ、ゲームしているつもり……の遊び方です)

 

『Make´n Break』というゲームも出して

みんなで遊びました。

 

まだ「ゲームの小道具が面白そう」とか「お兄ちゃんやお姉ちゃんがこんなことして

いたから真似っこしたい」といった程度の関心です。

が、「そろそろこうしたゲームを買っておいたほうがいいでしょうか?」

という質問をいただいたので、「まだ少し早いかもしれませんね」とお伝えしてから、

デュプロブロックで(お家にデュプロを持っているという方が多かったので)、

この時期の子たちも楽しめる簡単なゲームの作り方を学んでいただきました。

 

ブロックで木を作ります。

サイコロを振って、出た目の数だけ、落とさないように人形を置くゲームです。

 

『立体駐車場ゲーム』。

ブロックで立体駐車場を作ります。

サイコロを振って、出た目の数だけエレベーターで車を上に

上らせる動作をして車を駐車します。

すでに駐車されているスペースには置けません。

自分の持っている車を全部置いたら勝ち。 

(ルールの理解が難しい時期は、間違っていても楽しく遊べたらOKとします)

 

●ちゃんがとても喜んで遊んでいたゲームです。

『Make´n Break』と同じように、時間内に課題の形を作るゲームです。

『Make´n Break』では絵カードを見ながら課題通りに積み木を積みますが、

ブロックでするときは、ブロックの作品(立体の課題)を見ながら、

同じ作品を作っています。

 

次回に続きます。


怖いもの知らずで聞き分けのない2歳児。 強く叱った方がいい?

2014-02-28 09:54:57 | 0~2歳児のレッスン ベビーの発達

過去記事です。

 

怖いものしらずで、聞き分けのない2歳3カ月の☆ちゃん。

 

そうした相談をママ友や祖父母にしたところ、

「まだ2歳だから言うことを聞かないのは当たり前。いちいち怒る必要はない」

というアドバイスと、

「昔のように怖い人がいないから、大人の言うことを聞く気がない。

もっと大きな声で厳しく叱った方がいい」という正反対のアドバイスを受けて、

どう接したらいいのかわからなくなったそうです。

 

叱られても知らんふりするか、笑い声をあげるかして、

悪さを続ける☆ちゃんに対して、

怖がらせるほど強く叱った方がいいのか、

危ないことをしたときには体罰を加える必要もあるのか、

まだわからないのだから、抱きしめて気をそらしてやればいいのか、

迷っていたのです。

 

そんな相談をうかがいながら、

わたしは☆ちゃんと☆ちゃんのお母さんと連れだって公園に遊びにいきました。

そうしていっしょに過ごすうちに

☆ちゃんのお母さんが叱り方に悩んでいる理由がよくわかりました。

というのも☆ちゃんは、道路で車が通りかかったとたん、

突然、手を振り払って車の方に走っていこうとしたり、

他所の家の郵便受けを開けることとか、汚いゴミを触ることとか、

どうしてもやめさせなければいけないことばかりしたがる上、

それにしつこく固執するところがあったのです。

抱いて連れて行こうとすると、反り返って激しく抵抗します。

アスレチック付きの滑り台にのぼっていく際、小学生のお兄ちゃんたちが

滑り台の前のスペースでカードゲームをして遊んでいたのですが、

ひるむことなくお兄ちゃんたちの輪のなかを横断すると、滑り台に上についている鉄棒に

ぶらさがりました。

その後、滑り台をいきおいよく滑ってきて、何度もそれを繰り返しました。

言葉でだけ説明すると、

 

「2歳児はまだものがわかっていないから、そんなの当たり前」と

いえばお終いなのですが、

どうも☆ちゃんには一般的な2歳児とは微妙な点で異なる面があって

☆ちゃんのお母さんを悩ませていることがわかりました。

 

それは「危険に対する警戒心のなさ」「危険そうなものに惹かれてこだわる傾向」

といったものです。

 

「危ない、ダメ!」と強い口調でストップをかけたにも関わらず、

子どもが突然走っている自転車に近づこうとしてヒヤッとする……といった出来事が

重なると、大人が大きな声で「ダメ!危ない!」と注意したら、

ストップできるようにだけはさせておかなくちゃ、

怖いものがないから言うことを聞かないから普段からこの人は怒ると怖いよと

わからせておかなくちゃ、と思うようになる気持ちはわかります。

 

また、☆ちゃんのように、わざわざ触って欲しくないものにばかりこだわったり、

他人に迷惑をかけることをしつこくやりたがったりする場合、

「怖がらせておかなくちゃ」という気持ちがだんだんエスカレートして、

2歳児相手に一日中、怒り続ける行為にもつながりがちです。

 

☆ちゃんのようなタイプの子には

どのように接するのがいいのでしょうか?

 

☆ちゃんを見るうちに、叱ったり、怖がらせたりするより

先にするべきことがあるように感じました。

 

わたしが気になっていたのは、☆ちゃんのお母さんを求める気持ちの薄さです。

 

☆ちゃんは誰にでもすぐ甘えて人懐っこい半面、

お母さんとほかの人の違いがわかっていないようにも見えました。

そのためか、転んだり、軽いけがをするような場面で、

泣いてお母さんに甘えるのではなく、

一瞬、泣き顔になって、放心したように突っ立っていたかと思うと、

たちまちケロリとして動きだすことがたびたびありました。

痛みや不快な体験に対する鈍感さのようなものも感じました。

 

暗い部屋にひとりでスーッと入っていって遊んでいたり、

ちょっとこれは危なそうだぞ、という人や場所にも躊躇せずに、

近づいたりする姿も目立ちました。

 

わたしには、☆ちゃんの問題は、厳しく叱る大人がいないため怖いものがなくて

危険なことをするというより、

人見知りをする時期の子が他人に見せる警戒心のようなものの足りなさや、

「怖い」とか「不安」といった感情に対する鈍感さにあるように感じました。

 

そこで、☆ちゃんのお母さんに、

☆ちゃんが、「お母さんじゃなきゃだめ。お母さんが一番好き」と感じるくらい

たくさんスキンシップを取って、☆ちゃんにかかわるように勧めました。

 

また、日常の小さな体験を☆ちゃんの目線でいっしょに味わいながら、

「そうっとそうっとね」とか「痛い痛い」「怖い怖い」など、

感情を言葉やジェスチャーで表すようにもしました。

身体が固くて、背中を触られても気づかないような鈍感さが気になったので、

ごろごろ転がったり、ピョンピョン飛んだりする遊ぶなど、

感覚を統合する遊びを増やすことも提案しました。

 

それから2週間後、わたしを見るとすぐにだっこするようせがんでいた

☆ちゃんが、少し固い表情でわたしを見上げました。

そして、お母さんには何度も笑いかけながら、抱きついていきました。

 

そんなふうに、お母さんが一番、よその人はちょっぴり怖い……という

人見知りに近い態度が出てくると、

気になっていた鈍感さが、目に見えて減っていました。

まるで耳が聞こえないかのように振舞うことも多かったのに、

呼ぶとパッと振り向いたり、

「それ、ちょうだい」と指さして指示すると、

ちゃんと指さしている先のおもちゃを取って渡してくれるようにもなりました。

「怖いね、怖いね」とか「どうしよう、どうしよう」など、

感情をいっしょに味わうのも上手になって、

おそるおそる覗きこんだり、怖がる真似をしてキャッキャッと笑い声をあげるように

なってきました。

 

そんなふうに、いろんな感情を感じとりやすくなってくると、

危険なものに会うと、ちょっと振り向いて、

お母さんの表情をうかがうようになってきます。

そうした☆ちゃんの変化を見て、愛着の薄さが感じられるときに叱って怖がらせて

さらに愛着がつきにくい状態にしなくてよかったとしみじみ感じました。

 

強く叱るべきかどうか迷ったときには、まず子どもの様子をていねいに観察してから、

接し方を決めるといいですね。

 


1歳半~2歳半の子たちのレッスンでの『絵本大好きクラブ』 3

2014-02-06 14:24:14 | 0~2歳児のレッスン ベビーの発達

2冊目の絵本は、『わたしの て』

(ぶん ジーン・ホルゼンターラー え ナンシー・タフリ 童話館出版)です。

「わたしの ては、こんなことができます」という言葉をはじめに、

1ページに一つずつ、手でできる仕事がていねいに

幼い子にとって魅力的な絵で描かれている絵本です。

 

「ボタンをとめる」「ファスナーをしめる」という大人には当たり前の行為も、

幼い子たちの目には新鮮で興味がそそられることです。

自分でも実際にボタンをとめたり、ファスナーをしめたりしながら絵本の絵を眺める

ことは、ハッとするような体験にもなるのです。

 

ブラシやくしで猫の毛をすいてあげること、手を打ちあわせること、楽器を鳴らすこと、

はさみを使うこと、積み木を積んで壊して、犬の頭をなでて、手をなめられること。

幼い子たちはそんな一つひとつの行為を、目で見て、言葉で聞いて、実際にやってみて、

深く納得します。

日常のさりげない行為も芸術的で質の高い絵本を通して体験しなおすと、

頭の中や心の中で何かがつながったかのように

心の底から満足した表情を浮かべる子が多いです。

こうした子どもの感受性に響く体験は、キャラクターが登場する絵本や

しつけビデオでするのは難しいな、と感じています。

 

幼い子に絵本を読んであげた後で、

一つでいいので、絵本の中で描かれているものを

現実の生活の中で体験しなおすようにしてあげると、とても喜びます。

これは大人にとっても、新鮮でワクワクする体験になるにちがいありません。

 

たとえば、絵本に「あり」が登場していたら、

お散歩に出たついでに、「あり」を探してみてはいかがでしょう。

どんな場所にいるのか、季節や時間によって行動範囲が異なるのか、

蜘蛛やバッタのようなほかの虫たちはどうしているのか……幼い子とともに

大人も好奇心を持って世界を眺める楽しさを味わうことができるはずですよ。

 

次回に続きます。