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虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

ままごと遊びで能力アップ

2015-10-18 13:00:15 | 0~2歳児のレッスン ベビーの発達


  

 

手先が不器用な子のために、ペグさしやモンテッソーリ教育のお仕事をすすめても

嫌がってしないことがよくあります。

教室に来るちょっぴりこだわりの強い子たちが好きな手先のお仕事を紹介します。


◎封筒におもちゃのお金を入れる

◎さいふにおもちゃのお金を入れる

◎貯金箱におもちゃのお金を入れる

などです。

学習っぽくない、封筒にお金を入れる作業は特に人気があって

不器用さの目立つ子も熱心に取り組んでくれます。

他に、100円ショップの南京錠をはずす作業も喜びます。

 

ままごと遊びを少し工夫すると、さまざまな能力を育てることができます。

まず他と区切られた空間は大事ですね。教室ではテントを吊ることが多いですが、

お家なら敷物を敷くだけでもいいと思います。

ごっこ遊びのお家のインターホンをならして(声真似です)宅配品を届けます。

宅配ごっこは「包む練習」にもってこいです。

 

おりがみで包む場合、小さめの小物を。いらない包装紙を適当な大きさに切ったものも

重宝します。あまり引っ付かない状態にしたシールやテープで最後にとめます。

紙で包む以外、ハンカチやナプキンで包むのもいいです。

手先が器用になる上、見積もる力がついてきます。

こうした遊びを加える際は、教え込むことよりも

遊びの世界のバリエーションを豊かにして、子どもの「やってみたい」を増やすことが

大事です。

きれいに包ませようと教えすぎると、遊び心が失われて学ぶ意欲が弱くなります。


2歳児さんたち (お友だちが興味を持っていることを自分の遊びに取り入れる)

2015-09-08 14:12:25 | 0~2歳児のレッスン ベビーの発達

2歳半のAくん、2歳10ヶ月のBちゃん、Cちゃんのレッスンで。

同じ部屋で過ごしていても、まだ平行遊びの3人。

それぞれお気に入りの遊びに夢中です。

Bちゃんは、細かい作業が大好きです。

チェーンリングに小さなキラキラしたシールを貼って指輪作り。

作った指輪を写真のように立てることができます。

Bちゃんは、ひとつひとつの作業が楽しくてたまらないようでした。

 

ヨーグルトの容器に取っ手をつけて手提げを作ったり、

太いストローに小さなポンポン玉を入れてジュースを作ったりしていました。

 

↑ ストローをさしているのだそうです。

 

 いつもはドールハウスに小物を並べて遊ぶのが大好きなCちゃん。

Aくんが新幹線で遊んでいるのを見て、興味しんしん。

長いレールに新幹線を滑らせる遊びに加わりました。

息子のAくんと遊び慣れているAくんのお母さんが、

新幹線が滑って行く先にトイレットペーパーの芯のトンネルを置いてみたり、

障害物を置いてみたりすると、男の子風の遊びにCちゃんは大満足の様子でした。

 

「ママはどこ?ママ~ママ~」と探す子どもザリガニと親ザリガニが

再会するストーリーで、Cちゃんがお人形遊びをはじめました。

「ママかなぁ?」と違う種類の生き物を連れてくると、

「ちが~う。それは、カニさん。」「ちが~う。それはペンギン」と

うれしそうに答えていました。

 

まだ上手に協力しあって遊ぶことができない年齢の子たちは、

相手の遊びや相手そのものに関心がある時、物を取りあったり、いきなり大きな声を

あげて怒ったり、固い表情でにらむように見ていることがよくあります。

最初に揉めた子らは、後で仲良しになりやすいです。

揉め事が勃発したら、お互いに相手の子のしていた遊びに参加できるように

フォローしてあげると、それまで興味を示さなかった遊びを楽しそうに

やりはじめるのです。

 

黙々と物作りや細かい手作業をしていたBちゃんが、Cちゃんが近づくなり

かんしゃくを起こす場面がありました。

おとなしくて笑顔が多いBちゃんが、

いきなり怒り出すなんて本当にめずらしいことです。

そこで、Bちゃんのところにカニのおもちゃを持っていって、

Cちゃんがそれまでしていた遊びを真似して

「ママ~ママはどこ?ママかな?」と声をかけました。

すると、Bちゃんはカニのおもちゃと別のカニのおもちゃをにぎりながら、

「ギューっとギューっとしてね。ママだね。ママ~ギューっとしてね」と言って

遊びだしました。

Bちゃんが心穏やかでなかったのは、やはり、Cちゃん自身とCちゃんの遊びに

強く惹かれていたからのようです。

それからはずっとそんなストーリーで遊びが続いていました。

 

Aくんは他の子への関心が薄いところや遊び方に偏りがあるところが気になる子です。

これまで電車でだけ遊びたがる姿が目立っていました。

が、今回、Aくんが遊んでいた線路と電車の遊びにCちゃんが加わったことで、

Aくんは少し離れた場所から

ポカンと口を開けたままCちゃんと自分のお母さんが遊ぶ様子を眺めていました。

しばらくしてようやく口をきいたAくんは、これまで遊びたがったことのない

(Cちゃんの十八番の)ドールハウスを取ってもらいたがっていました。

また、これまではお友だちに無関心だったのに、

自分から何度もBちゃんを遊びに誘う姿がありました。

 

算数タイムにアンウリーバードのパズル&ゲームをしました。

パズル問題は少し難しかったようですが、どの子もとても喜んでいました。

 

そこで、お家に帰ってから類似の遊びができるように

アングリーバードのおもちゃに似た手作りのパズルゲームを作ることにしました。

パズルのカード通りに的に人形を設置したら、せんたくばさみと割り箸で作った

玉飛ばし機で、玉にする人形を飛ばして的を崩す遊びです。

3人とも作るのも遊ぶのも楽しんでいました。


親子向けのベビーレッスン用のメモ用紙を作ってみました♪

2015-06-25 19:06:45 | 0~2歳児のレッスン ベビーの発達

0~2歳のベビーレッスンと親子向けの幼児のレッスンに来ていただいている方への

メモ用紙を作りました。

 

○歳○ヶ月メモ は、

<全体>

<身体・手指>

<言葉と言葉の理解>

<知恵>

<敏感期>

<数>

<個性・強み>

<人との関わり>

<創造性>

 

○歳○ヶ月 体験・遊び  メモ は、

<全体・一番好きな遊び>

<ブロック 工作>

<ごっこ>

<ゲーム>

<体験>

<観察・実験>

<絵本・図鑑・本>


親子向けのレッスンにいらっしゃった方に(毎回)上の二枚をお渡ししようかと

思っています。

教室でのレッスンを、家庭での子どもとの関わりに活かしていただけたらと

願っています。

 

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今日は1歳11ヶ月のAくん、Bくん、2歳3ヶ月のCちゃんのベビーレッスンでした。

Aくんの年中のお兄ちゃんもいっしょに、ブロックをしたりゲームをしたり工作をしたり

数遊びをしたりして楽しく過ごしました。

 

さっそく今回作った用紙に、それぞれの子の個性的な資質や子どもにあった

家庭での遊びのアイデアをメモしていただきました。

 

Aくんは今、見えなくなったものがどうなっているのか、気になってしょうがない

時期のようです。

警察のドールハウスに人形を入れてドアを閉めて、

人形がどうなったのか上からのぞいて確かめることを繰り返していました。

ものをじっくりとていねいに、さまざまな角度から観察する子です。

 

棒を引き抜きながらビー玉を落としていくおもちゃも

穴をのぞきこみながらじっくり関わった末、

どうなっているのか気になって上部のブロックをはずしてもっと中を

確かめようとしていました。

そこで、横から出し入れしていたブロックの棒を

電車のおもちゃに変えてみると、再び上からのぞきこんで、

キャッキャと声をあげて喜んでいました。

 

○歳○ヶ月 のメモを取っていただく際、この時期の子の発達の目安についても

確認していただくのですが、その月齢の言葉や身体の発達の目安に達していないと

思う部分があっても、それを気にかけて、「不足部分を補う」といった発想で

子どもと関わるのはよくないと思っています。

できないことや苦手なことを、訓練して上達させることに気を取られていると、

本当にその子らしい資質やその子が繰り返しやりたがる得意な部分を育むための

十分な時間がなくなってしまうからです。

 

今回、メモ用紙を作ったのは、子どもにとって今何が大切なのかを十分理解した上で、

家庭で楽しみながら、発達上の気になる部分を支援したり、語彙を増やしたり、

知恵を伸ばしたりするアイデアを学んでいただくためです。

 

子どもはとても個性的で、

「この月齢の子にはこうした働きかけをしたらいいですよ」という本や資料から

集めてきたアドバイスは、

「ほんの少し気にとめておく目安」としか役立ちません。

そうした情報と上手に付き合いながら、

わが子がどんな魅力的な資質を持っているのか、遊びや日常の関わりを通して

理解を深めていただきたいと思っています。

 

レッスン中、Bくんを抱っこして、棚の上のおもちゃを指さしながら、

「どれにする?どれが取ってほしい?」とたずねました。

すると、Bくんは哺乳類や両生類や爬虫類などの

フィギュアが入っている箱を指さしました。

1歳代の子を抱っこしてこうした質問をすると、たいてい黄色いアヒルの箱や

ミニカーが入っている箱を指すのですが、

Bくんは前にBくんの自分のお兄ちゃんたちがこのフィギュアで学んでいたのを

覚えていたようで、見たところ地味なこのケースを選んでいました。

サメを触っていたので、ブロックの海のプレートを出してあげると、

サメやワニや魚やカエルといった水の中の生き物をその中に入れていきました。

 

話の途中ですが次回に続きます。

前回までの記事の続きも近いうちに書きますね。

 


ダメ出しではなく正しい方法を見せる

2015-05-18 16:24:03 | 0~2歳児のレッスン ベビーの発達

4歳までの子は、大人のようにさまざまな体験を積んでいませんし、

身体や感情が自分の思うようにコントロールできるわけではありません。

あたり前のことを言っているようですが、

この当たり前の事実を大人が把握していないために、

子どもが何かするたびに、

きちんと「使い方」や「方法」を教えるのではなくて、

子どもの心に「罪悪感」を植えつけて、

先々の困った心の癖の原因を作ってしまう場合がよくあります。

例えば、子どもがはさみを使いだしたとたん、

「そんな持ち方はダメダメ。ゆがんでるって。」

「そこじゃないでしょ」「それは切らないの」「こっちはしないの?」

と、常に、ダメ出しのオンパレードになっているものの、

「正しいきちんとした切り方」

「どんなものは切っていいのかのルール」などを、

正確に子どもに見えるようにしめすことはほとんどしないという方が

多いのです。

「ダメ!」とダメ出ししようにも、

ダメのもとになる「正しさ」がしめされていないし、

子どもがそれをしっかり理解していないので、

子どもの心に残るのは、「ダメなことをする自分」という罪悪感でしか

ないのです。

4歳くらいの子の行動は、自由にさせる部分は自由にし、

「ダメ」という場面では、まず、「ちゃんと見てちょうだいね」

と言って、「正しい形」を見せることが大事です。

また失敗すれば、「ダメ」ではなくて、もう一度、「ちゃんと見てね」と

「正しい」ものを見せるのです。

子どもは何かを集中しているときに、ダメ出しすると、

「ダメ」という言葉の表すものの方向に気が取られて、

正しい方法が受け入れにくくなります。

すねてそんなふうになるのでなくて、同時にふたつのことに集中するのが

難しいのです。

 

相手がしぶりそうな内容に「うん」と言わせるのが上手なセールスマンは、

最初にその内容とは全然別件で、お互いの意見が一致する話から

話をはじめるのだそうです。

大人だって、そう簡単に気持ちが切り替わるわけじゃありませんから

いい気分で、「うん」と返事していた相手には、

少しどうかな~?という内容に話がおよんでも、

「OK]を出してしまいがちなのです。

子どもの場合、もっと単純です。

最初良ければすべて良し、出だしが悪ければ、何を言っても無駄と

なりがちです。子どもが言うことを聞かない癖がついている場合、

お母さんが無意識にいつも「ダメ出しから入って、優しい説得へ」

という逆の流れを作っているケースをよく見かけます。

危なっかしい方法で、えんぴつ削りを使っているとすれば、

「そんなまわし方はダメ、危ないでしょ。反対にまわしてる」といった

注意の仕方をするのでなくて、

「静かに見ていてちょうだいね。えんぴつを刺しているときに、

えんぴつけずりのお耳を引っ張って、前へいくようにこうして。

えんぴつは少し力を入れて中に入るようにね。

ここで、手をはさむから危ないの。ここに手を置くと痛いのよ。気をつけて。

それから、前から向こうへ、ピョーンと跳ぶようにハンドルをくるくる

まわしてね。そう~」ときちんと説明し、

正しい方法を集中して聞く姿勢を育てます。

ダメ出しではなく、「正しい方法」に集中させると、子どもの気持ちは

正しいことを身につけようとする意欲的な態度で、物に集中します。

繰り返しになりますが、最初の話に戻って、

4歳までの子は、大人のようにさまざまな体験を積んでいませんし、

身体や感情が自分の思うようにコントロールできるわけではありません。

それで、きちんと教えていないのに「そんな持ち方は~」といった

ダメ出しから入ると、「学ぶ、教わる」といった気持ちに切り替わらせる

のが難しく、走り出した「ダメダメ言わないで~」という負の感情に

絡み取られているので、覚えがとても悪くなるのです。

ですから、ダメなことを教えるにしても、正しい方法から気持ちよく教えて、

本人が「私はこんなお姉さん(お兄さん)のお仕事もできる。

怖いことがおきないようにお母さんの話をちゃんと聞いておこう」と、

自分の有能感を刺激されて、

いつもよりお姉さんモード(お兄さんモード)になっているときに、

最後に注意点やどこがどうダメなのか、きちっと納得させておくと、

真剣な態度でうなずくのです。

といっても、この時期は手足がコントロールできないのですから、

頭でわかってもできなくて当たり前。

大人にしても、足の指で字を書けと言われたら、コツを教わったって、

きちんとはできませんよね。

子どもがやりたがることは、何度も気長に教えてくことが大事です。


2歳児さんと「まてまてゲーム」

2015-05-13 13:19:05 | 0~2歳児のレッスン ベビーの発達

2歳児さんたちと楽しめる簡単なゲームの作り方を

紹介します。

 

<材料>

赤、青、黄色、緑のブロック各2つずつ。輪ゴム。紙コップ。

サイコロの形をしたものと色をつける道具。チーズに見立てるグッズ(黄色いブロックで可)

 

<作り方>

輪ゴムを切ってブロックではさみます。

サイコロの面に赤、青、黄色、緑の色をつけます。

残りの2面にはチーズの絵を描いておきます。

 

<遊び方>

大人は紙コップを持って捕まえる役をします。

子どもはサイコロを振って、赤が出たら、赤いねずみのしっぽを持って、

逃げます。紙コップで追いかけます。

捕まらずに逃げることができたら

ねずみは子どものものになります。

チーズの面が出て、チーズをゲットできたらねずみにエサを与えます。


2歳児さんグループ 初めてのゲーム と 合体ロボット作り 

2015-05-03 20:34:00 | 0~2歳児のレッスン ベビーの発達

2歳4ヶ月の★ちゃん、2歳7ヶ月の☆ちゃん、2歳8ヶ月の●ちゃん、

○くんのレッスンの様子です。

 

●ちゃんがゲームの箱を引き出しては遊びたがるので、●ちゃんのお母さんが

『1,2,3 Go』のゲームの相手をしていました。

(まだ、ゲームしているつもり……の遊び方です)

 

『Make´n Break』というゲームも出してみんなで遊びました。

 

まだ「ゲームの小道具が面白そう」とか「お兄ちゃんやお姉ちゃんがこんなことして

いたから真似っこしたい」といった程度の関心です。

が、「そろそろこうしたゲームを買っておいたほうがいいでしょうか?」

という質問をいただいたので、「まだ少し早いかもしれませんね」とお伝えしてから、

デュプロブロックで(お家にデュプロを持っているという方が多かったので)、

この時期の子たちも楽しめる簡単なゲームの作り方を学んでいただきました。

 

ブロックで木を作ります。

サイコロを振って、出た目の数だけ、落とさないように人形を置くゲームです。

 

『立体駐車場ゲーム』。

ブロックで立体駐車場を作ります。

サイコロを振って、出た目の数だけエレベーターで車を上らせる動作をして

車を駐車します。

すでに駐車されているスペースには置けません。

自分の持っている車を全部置いたら勝ち。 

(ルールの理解が難しい時期は、間違っていても楽しく遊べたらOKとします)

 

●ちゃんがとても喜んで遊んでいたゲームです。

『Make´n Break』と同じように、時間内に課題の形を作るゲームです。

『Make´n Break』では絵カードを見ながら課題通りに積み木を積みますが、

ブロックでするときは、ブロックの作品(立体の課題)を見ながら、

同じ作品を作っています。

 

次回に続きます。


おりこうさんから乱暴な子に態度が急変する2歳児にどう対応したらいい?

2015-04-10 12:11:05 | 0~2歳児のレッスン ベビーの発達

聞き分けのいいおりこうさん……と思いきや、

突然、噛んだり、物を投げたり、突き飛ばしたり……

と態度が急変する2歳児というのはけっこういます。

 

2歳だから、そんなもの……ともいえるのですが、

接し方を少し変えると、気になる行動が激減するかもしれません。

 

天使から小悪魔に、態度が急変する子というのは、

自分の気持ちを表現する前に言葉で大人に指示を与えられて、

何だかすっきりしない気分のまま動かされている子が多いです。

 

子どもの表情には、いきいきとその子の心の変化が浮かんでいます。

でも、子どもを目に入れても痛くないほど可愛がっている親御さんなのに、

可愛いから余計なのか、

子どもの気持ちの変化を読み取るより先に、

あれこれ指示を与えてしまう方がたくさんあるのです。

 

指示といっても「あれしなさい」「これしなさい」と命令しているわけではありません。

たとえば、2歳になったばかりの○くんがわたしの方におもちゃの電車を持って

近づいてきて、何か訴えようとしているとします。

その表情には、先生に電車を「はいどうぞ」ってしようかな?

「先生、電車でいっしょに遊ぼうよ」ってしようかな? と

その子なりのそれまでの経験した働きかけの中から、

何を選んで仕掛けようかと迷いつつ、「こちらに何かを働きかけたい!」という

いきいきとした気持ちの高まりが感じられるシーンで、

いきなり、「先生に、電車をはいどうぞは?」とか

「先生、いっしょにあーそーぼーでしょ」と先に子どものアウトプットを限定して

しまう方がいるのです。

お友だちとの遊びやおもちゃで遊ぶシーンでも同様のことがたびたび見られます。

 

子どもが、こういうことかああいうことをしそうだな……

という予感は見えているけれど、まだ何の行動もしていないし、

自分の気持ちも表現していないのに、

先に親の望む形の子どもの行動を口にしてしまうのです。

 

そうして先にすることを指示されてしまうと、

それまでいきいきと輝いていた子どもの表情には、

一瞬、とまどったような混乱した無表情が現れて、

次には、機械のように大人の指示通り動こうとする態度が続きます。

 

そうした対応を親からしょっちゅう受けている子は、

良い子過ぎるほど良い子でいたかと思うと、

突然、態度が急変して、噛んだり、物を投げたり、突き飛ばしたり、

ひっくりかえって親を困らせることばかりしたり、

冷淡な表情で意地悪をしてみたりします。

2歳前後の子はわがままで自己中心的なのが普通ですから、

それほど心配することはないのですが、

年齢の割に聞き分けが良過ぎたり、礼儀正し過ぎたり、素直過ぎる態度から、

ワルワルモード全開に態度が急変する子というのは、

その子の自然な感情の体験や自然な自分の意志で動く体験が

大人の声かけでたびたびゆがめられているケースが多いです。

 

目と目を合わせて、

気持ちをやりとりさせるような「おふざけや遊びのやりとり」の体験が少ないようで、

人とのやりとりのレパートリーが限られています。

 

「おふざけや遊びのやりとり」というのは、お母さんとふたりで、

「どーうーぞ」「ありがとう、パクパク」「はいどーうーぞ」とごっこ遊びのように

物を行き来させたり、

「あげようかな?どうしようかな?はいあげる、やっぱりやーめた」といった

じらしたり、相手の出方をうかがったり、親切にするのを楽しんだり、

すぐに得したりといったうそっこの物のやりとりをすることです。

 

行動に遊びが少なくて、良い子と悪い子の両極端にぶれる子は、

いきなり大きな子たちの現実の世界のように、

「けちんぼしないの。はい、どうぞしなさい」という、子どもの心がショックを

受けるような本番の体験しかしたことがないという子が多いです。

幼い子たちというのは、ごっこ遊びのような夢の世界に半分足を突っ込んで

暮らしている人種ですから、

いきなり大人の世界のルールをつきつけられてばかりいると

心がぎすぎすして、乱暴になってきます。

 

犬にしつけるように

これはマル、これはバツと、正誤を教え込んでいくのではなくて、

子どもが表現するものをしっかり受け止めて、

優しい子どもの身の丈に合った対応で返していると、

幼くてもちゃんと、その時々の場面にふさわしい態度をまねっこしていきます。

 

どうしたらいいのかな?どこから10円を入れるのかな?

と考え込んでいる2歳少し前と2歳になったばかりの男の子。

ブロックのお片付けも、本人の気持ちの流れを少しだけ待ってあげると、

自分からはりきって片付けはじめました。

 

↑ 椅子の脚を折り曲げたいけれど、ぐっと手に力を入れて握るところが

難しいのです。

でも、何がどんなふうにしたいのか、子どもの気持ちをしっかりと聞いて、

手順をゆっくり見せてあげて、それでもできないかどうかの見極めは本人の

判断に任せていると、すっきりと納得しました。

 


2歳児さんの遊びに考えたりイメージしたりする楽しさを加えるには?

2015-04-05 17:31:09 | 0~2歳児のレッスン ベビーの発達

2歳児さんの遊びに考える楽しさを加える方法を紹介しますね。

 

おしゃべりがだんだん流暢になってくる2歳児さんたちは、

目で見て、手で操作しながらさまざまなことを考えます。

自分の体験したことをよく覚えていて、ごっこ遊びで見立てをして遊ぶ中で、

身の回りで起こっていることへの理解を深めていきます。

 

また、易しい物作り(お砂場でのどろのプリン作りなども含みます)を通して、

物の長短や大きい小さいや工夫の仕方や

物が出来上がっていく過程について学んでいきます。

 

それでは、2歳10ヶ月の★くんのレッスンの様子から、

2歳代の子たちの遊びに考える楽しさを加えるための工夫を書いていきますね。

 

教室に着いた★くんは、トラックのおもちゃで遊び始めました。

子どもの自由な遊びを、あまり干渉せずにそっと見守ることは大切です。

 

でも遊び方が、「触って動かして飽きたら次のおもちゃ」とか、

「ちょっと遊ぶと、おもちゃを取り合い」という繰り返しだった場合、

身近な大人が遊びを豊かにするアイデアの種を蒔いてあげるのも

いいかもしれません。

 

遊びを豊かにするとは、

つまり、しっかりと自分の頭を使って遊ぶということです。

 

たとえ、1歳児さん2歳児さんの遊びであっても、

他人に動かされるまま、自分では何も考えずに遊ぶのでは面白くないのです。

 

また、おもちゃを飽きがくるまで触っていても、

心躍るようなワクワク感は生まれてきません。

おもちゃがあるから楽しいのではなくて、

遊びを通して、自分の記憶を再現し、アイデアを試し、想像し、疑問を抱き、

苦労して指先を使ってみて、できなかったことにがんばってチャレンジし、わぁ~っと感激し、

問題を解決し、自分の思いを言葉で表現し、自分の個性を遊びの中で目で確認し、周囲に認められていく

からこそ楽しいのです。

トラックで遊んでいた★くんに、

「駐車券をお取りくださ~い」という音声が流れる機械や

洗車場を作ってあげるととても喜んでいました。

立体駐車場のエレベーターも作りました。

洗車場は、両脇のブロックの高さが低くて、

トラックが通れなかったのですが、

★くんは即座に「もう少し高くしたら通れるね」とブロックを足して

いました。

また、車用のエレベーターの入り口に「車が外に出ちゃうから、ドアをつけたい」とも

言っていました。

 

こんな時に、トラックが出てくる絵本を見て、

ごっこ遊びにその絵本のストーリーを加えるのも面白いです。

 

男の子の車遊びも、工事現場でのお仕事を再現したり、

荷物を配達したり、道路や駐車場やコンビニなどを作ったり、

実際に体験したことや

絵本のストーリーや図鑑で得た知識を遊びにプラスすると楽しいです。

 

想像力を使えば使うほど、頭を使えば使うほど、手を使って苦労して何かをすればするほど

遊びの楽しさは倍増するのです。

 

遊びの好みにはその子の個性が表われます。

★くんはとても気に入っていた立体パズルをテトリス風に組んでいく遊び。

お家にあるブロックなどでも、同じような遊びができるように

こんなパズルの作り方を教えました。

★くんと貝殻や昆虫のおもちゃなどが入っている箱を開けて遊びました。

輪ゴムの仕掛けで飛び立つちょうちょが

気に入って、何度も何度も、数を数えてゴムを巻いては、

飛ばして遊んでいました。

手作りの蜘蛛の巣や地面の下を描いた絵本にも興味を抱いていました。

パラパラマンガ風の写真図鑑。

青虫がさなぎになって、最後にちょうちょになって飛び立ちます。

ピカピカ点滅するライトの電池を入れてもらいました。

子どもは電池交換やおもちゃの修理が好きですね。

易しいルールで、お買いものゲームで遊んでいます。

買い物カードを見て、必要な商品を集めます。

まだ自分のルールで遊びたい模様。

算数タイムに数を数えながら、小さな恐竜たちを並べていきました。

★くんはとても細かい違いまでていねいに観察していく

几帳面な性質の子なので、

こうした作業を心から楽しんでいるようでした。

 


子どもと遊ぶ時に、面倒でもほんの少しだけ手間をかけること。

2015-03-04 15:24:59 | 0~2歳児のレッスン ベビーの発達

2歳児さんたちと遊ぶ時に、面倒でもほんの少しだけ手間をかけることを

おすすめしています。

手間というのは、遊びの中で、はさみや紙やえんぴつや糊やテープなどを

使う場面や身体を使って、演じたり歌ったりする場面を作ることです。

 

どちらにしてもたいしたことをする必要はなく、

遊ぶ時に、折り紙といっしょに「切る」「貼る」「書く」の道具をセットしておいて、

遊びで必要なものを一回切るだけ、折るだけ、簡単な走り書きをするだけくらいの

ハードルが低い工作をしたり、ごっこの中でお弁当を食べるシーンでお弁当箱の歌の

手遊びをしたり、お誕生日会のシーンでハッピーバースデーを歌ってろうそくを消す

真似をしたりすることです。

 

そんな風に、少しだけ手間をかけて遊びに関わると、

成長するにつれて、子どもが面倒なことを面倒がらずに

積極的にやろうとするようになるので、

その時期の手間は何倍もの楽になって後から返ってきますよ。

 

 

それでは、

2歳1ヶ月のAちゃんと2歳7ヶ月のBちゃんのレッスンの中で、

「少しだけ手間をかける」ってどういうことなのか、具体的な例を挙げて説明しますね。

 

Bちゃんがお母さんとぬいぐるみの動物たちにえさをあげるシチュエーションで

遊んでいました。

そこで、どうぶつにあげるえさを作ることにしました。

折り紙を二度折って、丸を切り抜きます。

すると、一度に4枚のお皿ができあがります。

こんなふうに紙を折り重ねて、一度に何枚か同じ形を切り抜くと、

幼い子たちはいつもびっくりしたり喜んだりします。

くり抜いた穴を覗いて、「めがね」と命名したり、

残った紙を切り刻んで「ごはん」を作ったりして遊びます。

Bちゃんは、モールを丸めてえさを作りお皿に乗せていきました。

 

「手間をかける」って、こんな折り紙一枚で済む、なんちゃって工作で十分なのです。

どうぶつのえさ作りが面白くなったBちゃんは、

うさぎにあげる草の色の折り紙を選んではさみでちょきちょき。

お母さんによると、Bちゃんがこんなに熱心にはさみを使う姿は初めて見たそうです。

 

この日、Aちゃんは引き戸に軽く指を挟んでしまいました。

しばらく泣いた後で指にばんそうこうを貼ってもらいました。

そんな出来事があったので、

うさぎの人形に、「お手々が痛い、痛い。お薬塗って、ばんそうこう貼って!」と

言わせて、先ほどまでBちゃんのお皿だった切り抜きをうさぎの手に

ぺたんと貼りました。

とたんにAちゃんの目がきらきらと輝きました。

真剣な表情でもう一枚の紙をうさぎの手に乗せるとセロテープで貼りました。

ちょどお皿が4枚だったので、うさぎの手にも足にも(どちらも足?)

ばんそうこうを貼って、心から満足そうに息をついていました。

 

 Aちゃんの病院ごっこはしばらく続き、紙を切っては耳や身体に貼りつけていました。

 

Bちゃんがかごに食べ物を詰めて買い物ごっこを始めました。

すでにいっぱい食べ物が入っているのにバナナを押し込もうとしていたので

お母さんが、「バナナは入らないよ」と声をかけていました。

それでもBちゃんはしつこくバナナを入れようとしています。

 

こんな時、「入らないよ」と言うだけではなく

「どうしよう、どうしよう入らないね」と共感しながら

もっと大きなかごを見つけてきて「入った!」と喜びあうとか、

「バナナさんが入りたいよって言ってるよ。牛乳さん、どいて!

ドーナツもどいて!」とかごの中身を減らしてバナナを入れるなど

少しだけ手間をかけてAちゃんの「バナナが入らない」事件に付き合ってあげると、

物のサイズや問題の解決法などの理解が進みます。

また、上手くいかない時に面倒がらずに知恵を使って解決しようとする根気が

身に着きますよ。

 

 

Bちゃんがビー玉コースターのおもちゃに興味を持ちました。

お家にはそうしたおもちゃがないという話だったので、

簡単なビー玉転がしのおもちゃを作ることにしました。

 

箱のの両端に筒を渡しただけの簡単ビー玉スターター。

出口に鈴をぶらさげました。

 

いっしょにビー玉コースターを作っていたAちゃんが、

ビー玉をポケットに入れていました。

今、何でもポケットに入れるのがマイブームなのだそう。

そこでビー玉スターターにポケットをつけることに。

ひもを引っ張ると絵カードが飛び出すしかけもつけました。

 

Aちゃんのお姉ちゃんがコマにはまっているそうです。

そこでいらなくなったCDを使ってコマを作ることにしました。

ついでにお母さんたちには1から3までの数のゲームを作ってもらいました。

 

コマをまわして指でとめます。指で押さえている数だけ

スプーンに玉をもらいます。

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教室でコマ作りが流行っています♪


2歳児さんたちの頭脳パズル と ゲーム

2015-02-18 11:01:17 | 0~2歳児のレッスン ベビーの発達

教室でゲームや頭脳パズルをこのんでやりたがるようになるのは、

3、4歳児さんたちが主ですが、

2歳頃から「なんちゃって○○」も含めて、そうしたものに親しむようになっていきます。

 

上の写真は2歳10カ月の★ちゃん。

課題の色の順になるように、色の玉を移動させて戻す問題にチャレンジ中。

横から覗いていた2歳11ヶ月の○ちゃんも、その後でチャレンジ。

○ちゃんは、こうした問題を解くのが好きなのか、初めてやったわりに、

うまい具合に玉を操作して元通りにすることができていました。

 

この頃、パズルにはまっているという★ちゃん。

Make´n Break もやってみたがりました。

タイマーを合わせて、カードの指示を見て、積み木を積みます。

2歳8ヶ月の◎ちゃんも興味しんしんです。

まだ形だけの「なんちゃって○○」の遊び方ではありますが、

2歳の後半にさしかかる子たちの「なんちゃって……」は、

大まかな流れをそれらしく真似るのが上手で面白いです。

 

磁石の棒に玉を付けて動かしていく迷路遊びをする2歳2ヶ月の☆ちゃんです。

 

この写真は別のグループの2歳2ヶ月の◆くんと、2歳4ヶ月の■くん。

「ニコニコ顔のカードの時はがまんして、プンプン顔のカードの時にベルを

鳴らします。」

絵をきちんと見分けたり、衝動を抑えたりするのが上手になります。

 

2歳児さんたちのゲームは、わざわざ購入しなくても

お家にあるものでいろいろ楽しめます。

 

たとえば、赤、青、黄色のブロックを置いて、

「赤!」と言えば、赤を取り、「黄色」と言えば、黄色を取るゲームなど。

それが易しくなると、「赤~じゃない色!」といった問題を出します。

 

算数タイムに小さなドーナツで数について学んでいる2歳児さんたち。