
2歳児さんたちと遊ぶ時に、面倒でもほんの少しだけ手間をかけることを
おすすめしています。
手間というのは、遊びの中で、はさみや紙やえんぴつや糊やテープなどを
使う場面や身体を使って、演じたり歌ったりする場面を作ることです。
どちらにしてもたいしたことをする必要はなく、
遊ぶ時に、折り紙といっしょに「切る」「貼る」「書く」の道具をセットしておいて、
遊びで必要なものを一回切るだけ、折るだけ、簡単な走り書きをするだけくらいの
ハードルが低い工作をしたり、ごっこの中でお弁当を食べるシーンでお弁当箱の歌の
手遊びをしたり、お誕生日会のシーンでハッピーバースデーを歌ってろうそくを消す
真似をしたりすることです。
そんな風に、少しだけ手間をかけて遊びに関わると、
成長するにつれて、子どもが面倒なことを面倒がらずに
積極的にやろうとするようになるので、
その時期の手間は何倍もの楽になって後から返ってきますよ。

それでは、
2歳1ヶ月のAちゃんと2歳7ヶ月のBちゃんのレッスンの中で、
「少しだけ手間をかける」ってどういうことなのか、具体的な例を挙げて説明しますね。
Bちゃんがお母さんとぬいぐるみの動物たちにえさをあげるシチュエーションで
遊んでいました。
そこで、どうぶつにあげるえさを作ることにしました。
折り紙を二度折って、丸を切り抜きます。
すると、一度に4枚のお皿ができあがります。
こんなふうに紙を折り重ねて、一度に何枚か同じ形を切り抜くと、
幼い子たちはいつもびっくりしたり喜んだりします。
くり抜いた穴を覗いて、「めがね」と命名したり、
残った紙を切り刻んで「ごはん」を作ったりして遊びます。
Bちゃんは、モールを丸めてえさを作りお皿に乗せていきました。
「手間をかける」って、こんな折り紙一枚で済む、なんちゃって工作で十分なのです。
どうぶつのえさ作りが面白くなったBちゃんは、
うさぎにあげる草の色の折り紙を選んではさみでちょきちょき。
お母さんによると、Bちゃんがこんなに熱心にはさみを使う姿は初めて見たそうです。

この日、Aちゃんは引き戸に軽く指を挟んでしまいました。
しばらく泣いた後で指にばんそうこうを貼ってもらいました。
そんな出来事があったので、
うさぎの人形に、「お手々が痛い、痛い。お薬塗って、ばんそうこう貼って!」と
言わせて、先ほどまでBちゃんのお皿だった切り抜きをうさぎの手に
ぺたんと貼りました。
とたんにAちゃんの目がきらきらと輝きました。
真剣な表情でもう一枚の紙をうさぎの手に乗せるとセロテープで貼りました。
ちょどお皿が4枚だったので、うさぎの手にも足にも(どちらも足?)
ばんそうこうを貼って、心から満足そうに息をついていました。

Aちゃんの病院ごっこはしばらく続き、紙を切っては耳や身体に貼りつけていました。

Bちゃんがかごに食べ物を詰めて買い物ごっこを始めました。
すでにいっぱい食べ物が入っているのにバナナを押し込もうとしていたので
お母さんが、「バナナは入らないよ」と声をかけていました。
それでもBちゃんはしつこくバナナを入れようとしています。
こんな時、「入らないよ」と言うだけではなく
「どうしよう、どうしよう入らないね」と共感しながら
もっと大きなかごを見つけてきて「入った!」と喜びあうとか、
「バナナさんが入りたいよって言ってるよ。牛乳さん、どいて!
ドーナツもどいて!」とかごの中身を減らしてバナナを入れるなど
少しだけ手間をかけてAちゃんの「バナナが入らない」事件に付き合ってあげると、
物のサイズや問題の解決法などの理解が進みます。
また、上手くいかない時に面倒がらずに知恵を使って解決しようとする根気が
身に着きますよ。

Bちゃんがビー玉コースターのおもちゃに興味を持ちました。
お家にはそうしたおもちゃがないという話だったので、
簡単なビー玉転がしのおもちゃを作ることにしました。

箱のの両端に筒を渡しただけの簡単ビー玉スターター。
出口に鈴をぶらさげました。

いっしょにビー玉コースターを作っていたAちゃんが、
ビー玉をポケットに入れていました。
今、何でもポケットに入れるのがマイブームなのだそう。
そこでビー玉スターターにポケットをつけることに。
ひもを引っ張ると絵カードが飛び出すしかけもつけました。

Aちゃんのお姉ちゃんがコマにはまっているそうです。
そこでいらなくなったCDを使ってコマを作ることにしました。
ついでにお母さんたちには1から3までの数のゲームを作ってもらいました。

コマをまわして指でとめます。指で押さえている数だけ
スプーンに玉をもらいます。
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教室でコマ作りが流行っています♪