「ナイト・トーキョー・デイ」

2012-06-27 16:55:52 | 映画
偏見もあると思うけど、やはりカンヌで上映される作品だけあって私好みであります。

女性が観たらどう思うか分かりませんが、私は序盤の女体盛りからアート作品として魅入ってしまった。女性の方には大変失礼ですが、あれは映像的に芸術性がある。実際に東京にあんなお店があるのかは知らないし、なくはないと思うけど…、私は行きたくもないですが、映像的に許せてしまった。

女体盛りはさておき、ストーリー的にも非常に詩的な感性があって、特にナレーター的な役割を務めている田中民(さんずいへん付き)さんの台詞が本当に詩的で好き。

女体盛りのシーンから最後の銃殺のシーンまで愚かな男たちを描いていて、そこは台詞にもあるように、世界中の男はどこも愚かっていうのをテーマに描いていたと思うんですよ。と同時に、そんな男に振り回される、愛してしまう女もまた愚かだと言いたかったと思うんですよ。

菊地凜子さん演じる殺し屋がターゲットの男を愛してしまう愚かな女性を見事に切なげに演じていて、彼女を見て女性版「レオン」だと思ってしまった。

孤独の中に一筋の光を見つけて、その光が彼女にとってはかけがえのない大切なものになっていく様がレオンと被る。これこそ本当の愛ですよ。同じ日本を舞台にしていて、外国人から見た日本を描いていても、「ノルウェイの森」とは雲泥の差がある。

この作品で素晴らしいと思ったのは、暗殺者の主人公が殺した相手(だと思ってる)のお墓を綺麗にするシーンと、彼女が何を書いたか具体的な言葉はわからないけど、神社の絵馬をくくり付けるシーン。最後にこの2つのシーンが活きてくる。彼女は生きた証、愛した足跡を残しておきたかったと思うし…、う~ん、お見事!

殺しのターゲットとなるスペインから来た男の何がそんなに魅力的なのかは正直分からないし、それは愛した者だけが分かればいいことなので、分かろうとする必要はないと思うから、そういった意味でも詩的で凄く好き。マジ私の感性を刺激する。う~ん、こういう作品もマジ好き、エロさも含めて。でもこの作品に関してはこのエロさも一つの芸術だからね。っていうか、映像もそうだけど、色使いがマジ綺麗。築地の卸市場が以外と地味に魅力的に映し出されている。ま、本業も副業も似てるとこあるしね…。

「レオン」が好きな方にはオススメ…します。←自信ないけど…。きっと賛否分かれるんだろね…。ちなみに監督は女性てす。

今日のまとめ:やはりカンヌ作品は素晴らしい!大不評でも私は嫌いではない作品もある。タイトルは書かないけど…。めちゃ映像的にヤバイので。メッセージはスピの世界観だったんだけどね…。

基本、カンヌ作品はアート系(感性系)が多いから私は好き。いや、「アーティスト」は別やで。←まだこだわるよ(笑)

菊地さんの演技に興味があって「ノルウェイの森」と一緒に借りました。いい比較対象になった。

菊地さんの演技はめちゃくちゃ上手いとは思わないけど、表情がとても西洋的でそこが魅力だと思った。不思議な魅力がある。これからも海外のアート系の作品に出て欲しい注目の女優さんではある。