「灼熱の魂」

2012-06-16 05:05:32 | 映画
長く書けば書くほど訳分からないねm(__)m

「ファウスト」の感想を書いた後で、やっぱり書くんじゃなかったと後悔しつつあって、消そうかどうか迷ったので、ちょっと気分転換が必要かもと思い、ニコールが出演してるアダム・サンドラ主演のコメディ「ウソツキは結婚のはじまり」を借りてきて、そのついでにこちらも借りてきました。

去年のアカデミー外国語映画賞にノミネートされた作品で、いかにも私が好きなタイトルだったので映画館で観たいと思ってたんです。残念ながら観るタイミングを逃してしまったので、ちょうど良いタイミングでレンタル開始になったのでついでに借りて観ました。

ぶっちゃけ誰も興味ないと思うので、ネタバレ込みで書きますが、見終えた後の率直な感想は、アカデミー賞選考委員の懐の広さに感服しました。

イスラエルの話だと思ったらレバノンが舞台だったんですね。キリスト教とイスラム教の内戦が背景にあるので、てっきりイスラエルだと思ってましたが、レバノンも同じ状況下にあるとは正直全く知りませんでした。

母親の死後、遺言で双子の姉弟が実の兄(長男)と父親を探しに、カナダからレバノンに旅に出て真実を知るというのが大まかなストーリーなんですが…、

この作品、母親が何を姉弟に伝えたかったのかが一番のテーマなんですが、ズバリ、「ファウスト」の感想で書いたことと関係してくるので自分でもビックリしてます。書くのも必然だったし、借りるのも必然だったのかと…。

ストーリー的にはミステリアスな展開で、ラストに向かって真実が明らかになるんですが、

そのミステリアス性に関しては、予想がついたので何も驚きませんでした。私が知ってる作品を足して割った内容だったので。いわば、「オイディプス王」、野村宏伸さん主演映画の「恋人たちの時刻」、「悪魔が来りて笛を吹く」を足して割った内容なんですよ。

詳しくはあえて書きませんがそういう内容。

でも、テーマはやはり戦争と平和への祈りなんですよね。

亡くなったお母さんはキリスト教徒なんですが、最初に愛して生まれてきた男の子の父親はイスラム教徒(多分)で、殺されてしまうんです。

その生まれてきた男の子は、母親から引き離されてしまい、イスラム教系の施設に入れられてしまうんです。挙げ句の果ては、その施設のある地域はキリスト教系に襲撃されるんです。

それを知った母親は、自分がキリスト教徒に関わらず、復讐を誓って、イスラム教系に加担してキリスト教系の党首を射殺して監獄行きなるんです。

そこで双子の父親はストーリーにどう関わってくるのかがそこが味噌になってくる訳なんですが…。

はっきり言って、ミステリアス性には何の重要性は感じませんでした。

重要なのは、復讐からは何も生まれないということ。目には目を、歯には歯をでは永遠に戦争は終わらないということ。

お母さんはその復讐の虚しさを伝えるために、身を持って感じてもらうために姉弟を旅に出させたんですよ。

姉弟は出生の秘密を知ることで母親の本当の気持ちを理解する訳なんです。そして長男もまた…。

日本国内では宗教の対立でテロや衝突はなくても、ホント人間関係での殺人は絶えませんよね?今でも紛争が絶えない中東に比べたら日本は平和ですが、それって本当の平和じゃないでしょ?


たとえ世の中から殺人がなくなったとしても、天災による被害がなくなるわけでもないし。実は戦争より天災の方が怖いのに、虚しい争いばかりして…。

武器を持たないだけで平和に近づくのに…。そうは簡単にはいかないのが今の世の中なんですよね…。

この映画で、いい言葉を使ったなと思ったのが“洗脳”。宗教に関わらずこの洗脳が質が悪い。オウム事件もそうですが、洗脳されたら太刀打ち出来ないからね。分かってするのと無意識に当然と思って行う行為はは全然別物だからね。

そうそう、洗脳に関しては園子温監督の「愛のむきだし」がオススメ。めちゃくちゃ長いけど良く出来てた。

今の日本は戦争とはほど遠い、とは言い切れないけど、罪なき無関係な市民を巻き添えにするような大量殺戮が一刻も早くこの世の中から消え去ることを切に祈るばかりです。

オリンピックのように、武器を放棄してスポーツで戦って欲しいもんです。

今日のまとめ:「ウソツキは…」も観ましたが、ニコールが…。よく演じきった!出来れば見たくなかった壊れたニコールの姿でしたが…。