我が家の周りの道路や側溝を掃除していると実にさまざまな物が捨てられている。タバコの吸い殻、それから最近はマスクが目立つ。物のない時代に生まれたせいだろうと思うが時々耳にするあの言葉「もったいない」が最近は特に気になるようになってきた。というのは…
僕が気になるのが落とし物だ。ハンカチから学童の何を入れているのか分からない布袋、それから幼児の靴下から靴まである。小学生の通学用黄色い帽子は学年と名前があるので朝の通学時間に高学年の子に学校に届けてもらったこともある。問題は通学路脇の目につく石の上に置いておいても誰も持ち帰る人がいない落とし物だ。何日も放って置かれる物は不要品ということになる。英語ではアンウオンテッド・アイテム(unwanted item)、つまり“望まれていない物”だ。
僕には変な癖があって、誰かが大切にしていたと思われるような落とし物には「君、こんなとこでなにしてるの?」と話しかける。ランドセルに吊りさげられていたであろうマスコット人形の落とし物などは特に気になるのだ。だって人間の場合なら自分は望まれていないと感じる時に絶望が始まる。大切な人と思われたいのが人間だ。だから他人にも優しく、つまり、なんと言うか性善説のようなこと。自分の持ち物も大切に、などと言いたいけれどどうも昨今はそうでもないらしい。日常生活にあまり不足を感じない飽食の時代、なんとなく殺伐感をぬぐえない。落とし物や忘れ物、一度落としたり忘れらた物はもうアンウオンテッドなのかなぁ…
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