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どこ吹く風

旅のことを主に書く。

氷河急行 Glacoer Express

2006年08月20日 09時30分32秒 | モンブラン
 始発でゴルナグラード鉄道で下る人はいない、あの池までハイキングして逆さマッターホルンを撮りたかったとか周囲の山がよく見えるように右に左に移動しながら別れを惜しむ。
このくらい晴れ渡った空の下でクライネマッターホルンに登りたかった。去年重たい荷物を必死で担いだリッフェルベルグ駅では思い出して妻と大笑い。
リッフェルアルプ駅で団体が乗り込んできた、そのスーツケースの量たるや数名のホテルマンが客車に投げ入れ、通路だけでなくシートにも積み上げている。ツアー旅行は荷物を運ばないでいいのでラクだ。

 マーティニから送ってあったスーツケースをチェルマット駅で受け取り急いで汽車に乗る。ほどなくサンモリッツSt.Mortzへ向けて出発した。
氷河急行は逆コースではあるが二度目なので余裕を持てる、ただ汽車に坐っているだけなので余裕もヘッタクレもないけど。車両はパノラマカーで窓が開かないがクーラーがかかっているので暑くない、去年は下っていくにつれて気温が上がり暑くてたまらなかった。車両は良くなったが窓が開かないので写真が撮りにくいので痛し痒しというところ。

 ほぼ満席でインド人の家族、英語を話す娘と母親、田舎のオバチャン達と様々な方々が乗っている、この車両の日本人は私たち3人のみ。たぶん1等車に乗っているのだろう。
飲物軽食その他を押した売り子さんが来たがキオスクで準備したので買わない。ランチの予約をとりにウェイターが来たがパンを齧るツモリなので注文しなかったら窓際においてあったメニューを下げた。
 メニューによると、水、サラダ、メインはパスタにチキン(?)、ポーク(?)でデザートのアイスクリームが出て30フランとあった。
食堂車に出かけるのではなくて、時間になったら運んできた、隣の席で食べるのを横目で見ていたが量・質ともに悪くない。

 ブリグBrigを過ぎるとアレッチ氷河の入口フィーシュを通った。ここも見る予定にしていたが、レ・ディアボルレに寄ったのとチェルマットにも3泊したので日にちがきつくなったので省く事にした。サンモリッツを2泊にしたらこの辺りも見物できるが、そんなに動き回る事も無いだろう、次の機会に峠越えを組み合わせて計画する事にした。そう言いつつ次があるとは限らないのだけど。

 フィーシュやベッテンのロープウェイは、私にさあ乗れと言わんばかりに口を開けているようだ、その先にはワイヤーが山の方にはしっている。空には色とりどりのパラセールが飛び交っている。ユングフラウやメンヒ・アイガーを目の下に見ているのだろう。ここの反対側はベルナーオーバーランドなのだ、ようやく概念図が頭に入った。

 四峠巡りにときに立ち寄ったオーバーワルト駅を過ぎるとトンネルに入りアンデルマットに着いた。去年はここに泊まったし峠巡りの途中でも寄ったので見覚えがある。交通の要所で線路と道路が四方に向かっていて駅は大きい方だ。今日の行程の半分まで来た。ここからは山を登りなだらかな渓谷を走るので景色がいいので窓に顔をつけて眺めていた。
 いったんクールまで行き少し戻る感じでサンモリッツへ向かう、川沿いに走るが古い城が見える。この辺りについては一番初めに書いた「カバンを持ったおんな」の項を見てください。私が期待していた場所を通ります。

 サンモリッツには5時前に着きホテルの場所を駅員に尋ねた。ホームの地下連絡道を湖方向に出ると、駅と同じ敷地といえる場所に Hotel Bellaval はあった。道路を隔てて湖がありロケーションは良い。ただ近くに五つ星であろうホテルが湖に突き出たところに建っているのでその差を感じずにはおれない。

写真は、アンデルマット風景です。

ゴルナグラード Gornergrat

2006年08月19日 09時08分07秒 | モンブラン
 7月10日の月曜日となっている。行きたいところへ行く、見たいところを見るという日々を過ごしていると何日とか曜日の概念が無くなる。前日やどの予約が出来なかったのは週末だからだったのだと気付いた。世の中の人がみんな休みになるのに自分らだけが休んでいる錯覚に陥っていた。

 電車から降りてホテルの方へ歩くと岩の上にヤギかカモシカがいる、角の生え方からカモシカのようだ。子供が切り立った岩の縁を歩いている大丈夫かなと気になるが子供は人間も同じで気にすること無く平気のようだ。昨年もいたのを思い出した、思いがけない歓迎を受けてフロントへ行く。何から何まで新しい、去年は改築中のため泊り損ねたので感慨もひとしおだった。
山小屋の面影はあるもののホテルそのもの。私の目には高級ホテルにしか見えない。

 夜中に目を覚ますと快晴、月明かりで山がよく見える、星は影が薄い。クルムホテルは建っている位置も高いが場所代も高い、コレまでのホテルの二日分(3人で440chf)を払った。
眺めは良く夕焼けに朝日にと申し分ない、目の下には氷河がありモンテローザは指呼の間でマッターホルンも刻々と色を変えながらその存在感を充分発揮している。

 ゴルナグラードにある3ヶ所のホテルはどちらも高級だがムリしてでも一泊する価値がある。金銭的に余裕のある方ー1拍2食付で1万5千円だから普通の人にはそれほど高くないでしょうーはゴルナグラードに連泊してそこを拠点にしてもいい、そこまでの鉄道で登り降りしなければならないけども得られるものと比較するとオツリがくる。

 リッフェルベルグは山々を見ながら草原を散歩する、ほんの少し登れば景色もまた違う、小さな教会とマッターホルンの組み合わせがいい。
ゴルナグラードは裏のピークに登ればモンテローザ、マッターホルンは言うに及ばず四方とも4000m級の山々が連なっている、この景色を独り占めしているようで気が大きくなる。氷河は川なのだと思わせるような流れ方がしている氷河が前にも後にもある。雄大さは天下一品です。
もちろんゴルナグラードには必ず登ってくるでしょうが泊まるとまた違う景色が楽しめます。バカの高上がりと言われようが、山では高い場所のほうが気持ち好いです。

 サンモリッツ行きの氷河急行の時間の関係で8時前の始発電車で降りなければならなかったのはザンネンだが、後ろ髪を引かれる思いで下った。途中すれ違う電車は満席で9割が日本人と思われた。次々と登っていく電車の人数から静かだったピークも騒々しくなるだろう。夕日・朝日を静かに充分楽しむにはやはり上のホテルで泊まるべきだろう。

クラインマッターホルン とスネガ

2006年08月18日 08時49分59秒 | モンブラン
 シュワルツゼーの朝は素晴らしい、池のほとりの教会まで散歩する。
小さな池に小さな教会それに朝焼けに輝く山も水面に写っている。池の周囲を歩いてそこに写る景色を楽しんだ。近くにはヤギが草を食べている、この辺りは草が少ないのかヤギの世界で遠くには群れも見える。
エーデルワイズを探したが見つからない、朝露に濡れながら探すも目的の花は無い、こんな所に蛙が飛び跳ねている、池には魚もいるどのようにしてここまで移動してきたのか・・・・

 昨日この小さな教会で式を挙げるカップルを見た、参列者もシュワルツゼーのホテルに泊まって朝早くからの式だった。ホテルの人が米袋に入れて持って行けというので式が終わるまでいて米をかけると、私たちが周りをうろついているので不審そうに見ていた関係者もニコッとした。
こんな山の中の小さな教会で式を上がるのは二人が何か思うところがあったのだろう。
 
 今日もクラインマッターホルンへ登ることにする、昨日はスッキリしない天気だったので今日は心ゆくまで眺めよう。
フーリまで下り乗換してトロッケナーシュテークで又も乗り換えして展望台へ上がる。去年と同じで初日は天気がよくなく二日目は良い。景色も満喫して去年は気付かなかった氷河洞窟の氷の彫刻を見た。この施設は今年できたようには見えないので前から在ったに違いない、しかしガイドブックで読んだ記憶がない。氷河のこのような施設は3ヶ所目だったのでそれほど強い印象を受けなかったが他所で見る予定が無い方は見ておく方が好いでしょう。トンネルを出たらすぐの所に倉庫のようなものが見えるでしょう、そこが入口です。

 降りる途中のトロッケナーシュテークは大勢の客で賑わっている、みなさんは私たちのようにセカセカしていない、のんびり日光浴をしている。我々から見るとクラインマッターホルンを目の前にして寝そべるなんて勿体無いと思うが、彼らは眺めを楽しみ、澄み切った空気を吸うだけでマンゾクのようだ。
私たちも長椅子に身を横たえたマネだけのバカンスの写真を撮りスネガへ向かった。

 スネガは地下ケーブルカー、ロープウェイで山頂まで行く。昨年より立派になった駅舎は未だ仕上がっていない部分もあった。ロープウェイの鉄塔は去年は基礎工事をしていたのにもう建ってしまっていた。
昼過ぎのスネガから見るマッターホルンは気だるさを感じる、逆光で霞がかかったようなボケた感じがそうさせるのだろう。この次は朝来てみたいものだ。

 中間駅からスネガまで下りのハイキングをした、頂上直下にエーデルワイズが咲いていたと聞いてそこから歩かなかった事を後悔する。これもこの次にということにしよう。
シュワルツゼーの小屋からゴルナグラードのクルムホテルに電話を入れてもらったので今夜の宿は心配ない。
チェルマット駅で氷河急行の予約をしたが10時の便は満席で1時間前しか空いていない、これで早めにゴルナグラードから降りなければならなくなった。

 ゴルナグラード鉄道は森林帯を越えると目の前にマッターホルンが聳えている、。去年泊まったリッフェルベルグも過ぎてどんどん登っていく、氷河が見えモンテローザが目の前に迫ってくる。
この時間だから乗客も少ない、右に左に席を変えながら景色を見ているうちに着いた。
憧れのゴルナグラード クルムホテルだ。

またもシュワルツゼーに

2006年08月17日 06時59分06秒 | モンブラン
 きのうはシャモニから移動してきただけで終わってしまった。
夜もガスが晴れたり出てきたりで窓から見えるチェルマットの明かりが見え隠れした。チェルマットが部屋の窓から見えるということはマッターホルンは見えないということです。
朝目が覚めると晴れている。セーターに雨具を着込んで外へ出るともう先客がいる。マッターホルンにかかっているガスが上へ上へと上がっていく、もう少しアガレとばかりにフ~っと息を吹きかけて吹き飛ばしたい気分になった。暫らくすると山頂それも先っぽに光が当たりそれが次第に降りてきてマッターホルンが輝きだした。
山の上に泊まってヨカッタ~。谷間にあるチェルマットではこの景色を見ることはできないだろう。

 朝食の頃までは晴れていたが又ガスり始めた、ホテルの向かいにあるクラインマッターホルンへ登るロープウェイは動き出さない。1時間も待っても動く気配さえない、ガスってはいるものの展望台で待てば見るチャンスもあるだろうに。
下から登ってきた団体の添乗員に聞くと展望台行きのロープウェイは動いていると言う。エッ! 目の前のロープウェイは動いていないのに・・と思いよく聞くと、フーリからロープウェイはとっくに動いていると言う。

 去年はフーリとトロッケナーシュテーク間は休止していて、ここシュワルツゼー経由だったので勘違いしていた。今年はシュワルツゼーとトロッケナーシュテークは運休しているのだ、冬場しか動かないようだ。ホテルの従業員に尋ねたとき動かないと言われたのは夏場は動かないという意味だったのだ。
もう11時になる、無駄な時間を過ごしたものだ、中途半端な知識が災いした。
急いでフーリに下りクラインマッターホルンへ向かった。

 乗換場のトロッケナーシュテーク周辺の雪が去年に比べて少ない、去年は建物の直ぐ脇までスキーで滑っていたのに今年ははるか向こうまでしか雪が無い。山頂もガスがかかっている。時間はタップリあるので昼食のパンや果物を齧りながら晴れるのを待つ、ブライトホルンは目の前に現れたり消えたりしている、マッターホルンも同じ。

 去年吹雪かれたことを思えば天気はまだ良い方だ。トロッケナーシュテークで大勢の観光客に混じってのんびりした時間を過ごしてチェルマットに降りた。予定していたゴルナーグラートのホテルに電話すると満室という、それも2箇所とも。慌てて案内所に駆け込んでももう遅い。スネガにホテルは無いし・・チェルマットは高くて見晴らしは良くないし・・と考えた末にもう一度シュワルツゼーに戻る事にして電話を入れるとそこも満室と言う。昨夜泊まった者だとプッシュすると従業員室を空けるというのでロープウェイで上がった。

 ホテルに行くのに21.5フランかかる、約2千円だ。しかしホテルの料金が85フランで2食付いているので費用的にはチェルマットで泊まるのと変わらないと思う。夕食は簡略化されているとはいえコース料理で美味しいし、周囲の環境・風景は比べ物にならないのでお得だと思う。しかしあくまでも高級山小屋なのでその辺りは覚悟すべきです、フツーの人は。

 従業員室は倉庫の隣の半地下で高窓からヤギが草を食べているのが見えた。昨日載せた写真の右端石組み窓がある所です。

写真は朝焼けのマッターホルンです。

シュワルツゼー

2006年08月16日 06時32分49秒 | モンブラン
 シオンで思いもかけない楽しいひと時を過ごし予定より2時間遅れの汽車に乗った。フィスプでチェルマット行きに乗り換える、谷の間から真っ白な雪の冠を被った山が見えてきた。河原を埋め尽くさんばかりの大崩落のあった箇所見て、ガソリン車が乗り入れできる最終地点のテッシュ Taschを過ぎるとチェルマットは直ぐそこだ。

 駅前ホテルに飛び込みで行くと高い、やはりチェルマットだ宿泊料は高いようだ。シュワルツゼー Schwarzseeまで登る事にしたがロープウェイの最終時間が気になって買い物もそこそこに急ぎ足で歩く。天気は良くない、西のシャモニ・モンブランの雲が移動してくるであろうからしょうがない。途中駅のフーリ Furiはガスの中でシュワルツゼーで降りる頃には雨まで降ってきた。
ガスで視界が極端に悪くなり近くにあるはずのホテルも見えない、雨具を取り出すのもメンドウだしと濡れてホテル入りする。4時ごろになっていた。

 シュワルツゼーは昨年素通りしたが、泊まってみたいと思っていたのでインターネットでいろいろ調べてあった。クライネマッターホルンへ行くのも便利だし・・晴れていたら景色が素晴らしいところでもある。

 部屋は二段ベッドが二つ置かれている4人部屋で、2階に8~10室あり共同のシャワーが3ヶ所と2ヶ所のトイレがあり、改装したばかりなのか思いの外綺麗で日本人のハイキングツアーのグループがいた。
ヘルンリ小屋まで行ってきたとのこと、年配者が多かったがみんな元気でした。添乗員は若い女性だったので、きっとあの人はハイキングに参加しないで小屋で休んでいただろうと思い、本人に確認すると一緒に歩いたと言う。添乗員もラクでは無いタイヘンだ、明日もハイキングで下ると言う。
ハイキングツアーは数年ぶりに企画されたらしい、スイスまで歩きに来るのだから国内のハイカーは多いのだろう。歩け歩け運動は見たことがあるが暑いオキナワではハイカーの姿はお目にかかったことが無い、気付かないだけかもしれない。

 夕方になってもガスは消えずマッターホルンは目の前にあるはずだが姿を現さない。ホテルの近くをブラブラしたが寒い、明日は晴れる事を期待するのみ。
夕食はコース料理で前菜はパスタの中にフーチバー(よもぎ)が入っているもので珍しいパスタで何か懐かしい味がした。メインは魚のソース掛けで他にほうれん草やライスが出た。
ワインのハーフボトルを取ったので食卓がいっそう賑わった。

シオン Sion

2006年08月15日 11時21分21秒 | モンブラン
 朝から雨模様、晴れるならもう一泊しても良かったが先へ進む事にする。Aiguille du Midi の展望台へもう一度登りマンブランを眺め、イタリア側へリフトで渡りたかった。

 7時40分発の電車に乗るために早めに食事を取り駅へ行く。Hotel Point Isabel の宿泊料は238.2ユーロ、3名の2泊分なので朝食付きで6000円というところ、駅に近く出歩くにも何ら不便を感じない場所でこの値段はお勧めの宿です。

 電車は昨日バスで通った道沿いにスイスに向かう。グラン・モンテッツへのロープウェイ乗り場も見える、ほどなくトンネルに入ったのでラトゥールは見えない。来る時に見た谷から垂直に聳える断崖絶壁の雄大な景色を眺めながらモンブランから遠ざかった。

 ところで昨日面白い光景に出くわした、モンタンヴィエール Montenvers 登山電車の駅の近くに踏切がある、踏み切りの警報が鳴り出したするとなんと電車が止まり自動車が行き来しているのです。チンチン電車ではない電車が踏み切りでストップするのを初めて見ました、その電車に乗っていたので驚きもした。
それほどのんびりした田舎町です、シャモニは。

 マーティニでスーツケースをチェルマットに送った、受け取るのはチェルマットを出る日なので3・4っ日分の着替えをリュックに詰めてある。列車の時刻表を見ると予定していた汽車の前にもう1本普通列車があるので、深く考えずにシオンが終着の各駅停車に乗った。予定している汽車30分後に来るだろうと考えていたので駅構内をぶらついたりトイレへ行ったりした。ふと掲示されている時刻表を見るとその汽車はあと2分で出発となっている。慌ててホームに行こうとするが妻がトイレから出てこない、イライラしながら待ちホームへ走ったがドアの開閉ボタンを探すうちに動き出してしまった。

 しょうがないのでシオンを観て廻る事にする。旧市街の方へ歩いていくと広場にミニ電車があり乗客もいる、丘の上の教会、城へ行くというので乗ることにした、一人3フラン。市内の名所を回り丘へ向かう、狭い道だがこのミニ列車は人ごみや家並みを縫って走る、この汽車から街の人を見るということは、逆に見られているということなので何か面映い気もする。
丘の上の城では僅か15分しか時間が無いのでハーハーふうふう言いながら城門まで登り、直ぐ降りた。

市場や路上のカフェ、公園や教会広場も1時間で廻るのでシオンに降りる時間がある人は是非乗ってみてください、楽しいですよ。シオン駅から乗ることも出来ます、向かって左側にこのミニ列車の時刻表があり旧市街の広場まで歩かなくてもそこで乗れます。
デズニーランドの施設内だけの列車とは違い、観光バス並みに公道を走るので楽しさが違います。終着が広場なので降りてから市場なり路上カフェへ向かえば地理感もできていいと思います。

 各駅停車で30分かかったところを急行でも30分かかるとカン違いした結果、思わぬ観光を楽しむ事が出来ました。行き当たりバッタリ、これも個人旅行の良いところです。

写真は、シオン駅前のミニ列車

シャモニ周辺

2006年08月14日 09時08分54秒 | モンブラン
 この旅もちょうど折り返しに入った。長いような、短いような・・
朝食を早めに取って、バスでCol de Balme へ向かった。途中街中の大きな建物に Ecole・・という文字がある、学校のはずだがとよく見ると登山学校だった。ガストン・レビュファの写真集「雪と岩」を思い出した。

 バルム峠の知識が無いままバスに乗り、終点の Le Tour で降りたが、そこはハイキングコースの名所なのでただ上まで登ってもしょうがないので別のピークへ行くことにする。バスの出発間際に気付いたのだが、ほんのチョット歩けば氷河が目の前に迫って見える場所があったようだ、これから行く皆さんはお見逃しが無いように。

 もう一度エギーユ ドゥ ミディまで上がるツモリなのでハイキングする時間が無い、Les Grands Montetsへロープウェイで登った。頂上は3千メートルを越すのでサムイ、セーターに雨具を重ね着した。雪と氷河にドリュが目の前に聳えている。スイスより氷河が深いというか凄く感じる、山が深いのだろうか。雪がチラついてきた、天気は下り坂のようだ。シーズン前の点検作業でロープウェイの時間がずれている。

 街に戻りモンタンヴィエール Mnontenvers 行きの赤い登山電車に乗った。雨が激しくなった、晴れていたら窓越しにエギーユやモンブランが見えただろうにザンネンだ。雨の中氷河に降りるゴンドラに乗り氷河トンネルに展示されている氷の彫刻を見た。雨は降り止まない。1時間の滞在でまた登山電車に乗った、天気が良ければもっと形式を眺めていただろうけど、降りてエギーユの登山口へ向かった。
ところが「本日は悪天候の為ロープウェイの運行を停止しています。」の張り紙がある。これまたザンネンなことが重なってしまった。
 
 それではと、プレヴァン Les Brevent へ向かった、地図を持っていないのでロープウェイのワイヤーと鉄塔を目印に歩いたが、坂道を遠回りしてしまった。時間は2時半ごろになっており下りの最終まで30分間しかないと言われた。
その頃からは晴れ間も出てきて頂上からの眺めは良かった。朝行ったバルム峠、ラ・トゥールの村、グランモンッテッツの山々がよく見えた。目の下にはシャモニの町が細長く伸びている。
ドリュの西壁は他の岩山と重なって分かりづらい。Aiguille du Midi や Mont Blanc も晴れている、来て良かった~。

 上がってきた客はもう一人のご夫人との4名だけ、写真を撮ってもらったり撮ったりしていると係員が最終便が出ると呼びに来た、もっと見ていたかった。
シャモに降りるとお祭りが開かれて、イギリスやアイルランドのバグパイプにダンスが披露されていた。

写真は、あいにくガスっているがドリュの西壁です。
    ガストン レビュファの岩登りを思い出した。

エギーユ・ドゥ・ミディ Aiguille・de・Midi

2006年08月13日 06時50分27秒 | モンブラン
 夕べは夜中にたくさんのクラクションや奇声が聞こえてきた、ワールドサッカーでイタリアが勝ったお祝いのようだ。イタリア人が多いのかな。

 フロントからシャモニのPointe-Isabelleホテルに予約の電話を入れてもらう。1時までにチェックインしないとキャンセルされると言われた。ホテルの予約はこの方式、ホテルのフロントから電話を入れてもらうのが確実だ。

 マルティニ駅でシャモニ行きのホームを尋ねると40番と言う、この小さな駅で40番とは・・・探せない、1番ホームにいる人に聞くと直ぐそこを指さす、1番ホームより手前に盲腸路線がある、そこがシャモニ行きのホームで40番・50番と表示されている日本なら0番ホームというところ。既に汽車は入っている。

 9時43分に出た。マーティニの街は意外に広い、昔から交通の要所として知られシーザーもナポレオンも通ったとある。山に向かって登っていくが高度が低いので木々に覆われており、高度差はゆうに1000mはあるだろう切り立った崖にも木が生えている。パノラマ車両なので見晴らしが良い。国境の駅で乗り換えがあった。

 ホテルは駅前の通りに面しとても近いところにあった。チェックインし36時間のモンブランパスを買った、これで明日いっぱいまでロープウェイやリフト・バスが乗り放題になる。部屋へ行くとまだ掃除中だった、日本なら部屋へ通さないだろう。メイドさんにロープウェイ乗り場を尋ねるとバルコニーへ出て教えてくれた。目の前にエギーユ・ド・ミディへのロープウェイが見える。

 街のなか駅への途中も大勢の人がいる、日本の団体も数組到着した。ロープウェイはこの時間はピストン運行していたので待たずに乗れた。乗換があるが20分ほどで着き更にエレベーターで展望台へ上がる。
モンブランは目の前になだらかな斜面を見せ、エギーユ山群は天を突き雪原が広がる。見飽きることが無い景色だ。目の下のローソク岩ではロッククライミングしているパーティが見える。モンブランから下山してくるアリ粒のような集団も見える、一歩一歩キックしながら歩いているようだ。頂上直下の傾斜はきつそうだ。

 高度に順応していないのか歩くと息切れがするのでリュックを背負ってもらった。
イタリア側へ行くリフトに乗りたかったけど、イタリア側はガスっているようだし、ユーロの持ち合わせが無い。18ユーロで雪原の空中散歩が楽しめたのにザンネンだ。
遙か遠くにピラミッドのようなマッターホルンが見え隠れしている。クライネ・マッターホルンから見たモンブランの方が大きく見えるのは何故か。

 降りるケーブルは改札規制するほど混雑している。登ってきたロープウェイから女の子が担がれるようにして運ばれた来た。高山病になったようだ、暫らくすると今度は年配の男性がヘタっている、救護室に運ぼうとするが動きたくないのか通路に寝そべったままでいる。我々に向かって大丈夫だという風に話しているが言葉が分からない。女の子よりも元気だ、こういう人を見ていたので待ち時間が短く感じた。

 途中の乗換駅で休憩・散歩するのも面白そうだ、機会があればそうしよう。
次の目的はモンタンヴェールだ、シャモニ駅の近くから電車が出ている。そこへ行く途中に大雨が降ってきた。軒先で雨宿りしていたが止みそうも無いので少し早いけどディナーにした。珍しくコース料理にしたのです、22ユーロだったが美味しくたいらげました。

写真は、展望台直下のロッククライミング風景

レ・ディアボルレ  グレッシャー3000

2006年08月10日 07時13分07秒 | モンブラン
 グスタードを出発したバスはたちまち街並みを抜けて郊外へ出た。
あたかも峠巡りをしているようだ、峠へ行くのだから当たり前だが・・。この辺りはフランス語圏でコルとは鞍部、峠の事なのでコル・デ・ピヨンはピヨン峠です。峠はレストランとロープウェイ乗り場があるだけの閑散とした場所だった。駐車場は広い、冬場は大勢のスキー客がいるのだろう。

 スーツケースを事務所に預けて頂上へ、さらにリフトで雪原に下りた。一面雪に覆われている、これまでは山は雪に覆われて氷河は川のように流れていたが、ここは一面雪の平原だ。緩やかなスロープはスキーに適しているだろう、スキー用のリフトは動いていなかったが夏スキーのメッカらしい。

 しばらく雪道を歩いていくと犬が橇を引いているのが見えた。周回するコースと展望の良い地点までのコースがある、高かったが展望の良い地点まで犬ぞりに乗ることにした。スノコになった橇に座ると10匹ほどの犬が橇を引く。イヌイットのようにムチを振るうことはせずに声で励ましたり、ルートを誘導している。緩やかに上りだが犬はきつそうだ、声も止むことなく発せられている。
雪上車が通ったり人が歩く所はミゾが掘られてデコボコになっているので段差を乗り越えるのがタイヘンな様子だ、犬も一所懸命引っぱっている。

 途中から雪の原に入る、踏み後の無いまっさらな雪の上に出ると快調に進んだ、犬もすべりが良くなったせいか元気が出たようだ。ソリと座席のスノコの間に雪がたまって動きが鈍くなったので雪を掻き出すために一時ストップする、周囲を見回して雪原の犬ぞりツアーを実感した。
三人とも年甲斐も無くキャッキャと騒ぎ顔に雪つぶが当たるがこれも又楽しい、1泊分相当の費用がかかったがめったに体験できない事をした。
一人75chfでした、時間は20分足らずかな。同じ場所まで雪上車で行けば12CHFとのこと。
 レ・ディアボルレ、グレッシャー3000と銘打った雪原は日本からの観光客は少なくガイドブックにも説明が少ない、時間に余裕があるならシャモニへの途中あるいはジュネーブやローザンヌから足を延ばしてみては如何でしょうか。半日あれば寄り道して別天地を楽しめます。
 モンブランやマッターホルンが見えるはずだが高曇りのためにハッキリ確認する事は出来なかった。

峠のレストランでスープを頼みバスが来るのを待った。オーベーぶんぶん(ハエが多いさま)はスイスの特徴と諦めているがやはり気になるので手で振り払いながら食べた。
 今日はレ・ディアボルレの村に止まる予定だったが、少しでもシャモニに近づくのが好いだろうと、鉄道の分岐点マーティニMartignyまで出ることにした。
バスから降りて1両だけの電車でAigleエーグルに出てマーティニまで行った。

 アイガーの見えるメンリッフェンを朝出てグレッシャー3000の雪原を楽しみモンブランの入口マーティニまで行けるのだから、私たちの行動力というよりも”スイスは狭い”を念頭に入れて計画した方がいい。また日が長いので行動時間も長く取れるのもアタマに入れておくことも肝心です。

グレッシャー3000へ

2006年08月09日 16時46分13秒 | モンブラン
 7月4日の火曜日、今日で7日目になる。
長いようでアッという間に過ぎたようで、自分でもよく分からない。旅は非日常の世界なので日にち曜日は意識しないと分からない、気にもならない。まだ道半ば足らずでこのような日々が暫らく続く。

 5時過ぎにグロッセシャイデックの方向が赤くなり暫らくしてから雲の上から太陽が山々を照らし始めた。朝日に輝くアイガーは昨日載せた。
ベルナーオーバーランドはいいところだ、またスイスに来ることがあるなら又この地に来るだろう。何遍来ても感激することでしょう、この次はどのような歩き方をするか反省を加えながらベランダから眺めた。

 スイス観光局のサイトによると「アルプスの明峰」として次のところを詳しく紹介している。
1 サンモリッツ周辺
2 中央スイス地方
3 ベルナーオーバーラント地方
4 ディアブルレ周辺
5 アレッチ氷河周辺
6 サースフェー周辺
7 ツェルマット周辺

2と3を見て廻ったので、これからシャモニへ向かうがその前に4のディアブルレ氷河に寄るつもりだ。今回の旅のテーマに氷河も入っている。テーマの数が多いが氷河を間近に触れて体感したい気持ちも大きかったし、シャモニへの途中でもあるのでディアブルレを組み込んだ。
 見所のグレッシャー3000は鉄道のゴールデンパスラインのグスタード駅と盲腸路線のレ・ディアブルレ駅の間にあるコル・デ・ピヨン(峠)からロープウェイ乗らねばならない。この峠へは1日数便のポストバスしかない、時間が狂うとそこまで行っても素通りせざるを得ない事態も考えられるし、また頂上まで上がったはいいけど街へ行く交通手段が無くなることもある。
慎重に計画しなければならないので、メールで運行時間の確認と確実に運行されるかをポストバスに問い合わせもした。

 スームーズにグレッシャー3000を見物するためにはインターラーケン発9時25分の汽車に乗ればいい、そのためにはメンリッフェンを始発のケーブルに乗る必要がある。
ということで朝は大急ぎで食事を済ませ駅に行った。ウェンゲンでの乗り継ぎ、インターラーケン駅でマイリンゲンから送ってあった荷物を受け取り予定していた電車に乗り込んだ。
ベルナーオーバーランドの山が小さくなり見えなくなった。ツバイジンメンで乗換てグスタードに着いた、スーツケースを持っての満席の汽車はツライものがある。

バスの出発までちょっと時間があったので例の如くスーパーで買出しをした。花を売っている店でエーデルワイズを売っていた、ひと鉢10フランで隣の紫陽花は20フランもする、所変われば物の価値も違うようだ。
聞くところに依ると紫陽花はシーボルトが西欧に紹介して、そこで品種改良されたものが日本に逆輸入されたとのこと。

 ポストバスは時間通りにコル・デ・ピヨンに向けて駅前を出発した。

写真は、ウェンゲンの駅前、後にメンリッフェンへのケーブルカーのロープが見える。

メンリッフェン Mannlichen

2006年08月08日 18時09分35秒 | モンブラン
 フェルストからベルナーオーバーランドの明峰アイガー・メンヒ・ユングフラウを見るために8時過ぎの電車に乗る。
クライネシャイデックや泊まったホテル方面の景色もいいが、アイガーの直下を線路が走っているので北壁が迫ってくる様はこれまた圧巻である。牧草が森林に変わりグリンデルワルトに着いた。

 スーパーで買出しをしてロープウェイに乗る。フェルストまでは20分ほどかかる長いロープウェイだ。去年はここフェルストで泊まったので窓越しに部屋を覗いた、キツネが出てきた所へも行った。
大空を飛び交っていたパラセールは無かった、時間的に早かったのか、気流の関係があったのだろうか。正面のアイガーや雪のユングフラウは素晴らしい、ここで夕日も眺めたいがメンリッフェンからクライネシャイデックまでハイキングの予定があったので早々に下る。

 麓に下るとアツイ、日差しが強く気温が高いので山の上に居たほうが心地よいとばかりにメンリッフェンに向かう。12時過ぎにはロープウェイに乗っていた。このロープウェイはこの辺りでは最長を誇るらしい。林越しにグリンデルワルトが遠のいていくのが見える。谷間に長く伸びる集落、牧場、山小屋のアルプス風景がいい。

 メンリッフェンは賑わっていた、屋外のテーブルで休んでいる人、食事をしている人とみんな満足げな顔をしている。ここに泊まりたかったので空室状況を尋ねると空いているようで直ぐ部屋へ案内された。グロッセシャイデックを望むベランダつきの部屋で内装も新しく気持ち良さそうな部屋なのでマンゾク!
 グリンデルワルトで買ったものを部屋で食べてハイキングに出かけた、クライネシャイデックで預けた荷物を取らねばならないのだ。

 ハイキングコースはダラダラとした緩やかな下りで快適この上ない。ズボラな年寄り向きのコースである、のんびりゆっくり道端に咲く花を見て、景色を楽しみ鼻唄交じりで歩いた1時間半だった。
荷物を受け取りウェンゲンまで電車に乗る、ウェンゲンも保養地・リゾート地で街並みも落ち着いて観光客が多い、最終に近いゴンドラでメンリッフェンへ登る。私はちょっと調子が良くないのでパスしたが、二人は頂上まで散歩しに行った。

 人気のいないメンリッフェンは静寂そのもの、昨日・今日と山の上は静かだ、その点でも麓・谷間・集落よりも山の上が気持ちがいい。静かに暮れていく、アイガーとメンヒの上の雲が夕日で赤く染めている、アイガービューのペントハウス風の部屋でベランダ付きなので満足いくまで眺めていた。
 朝日も夕日に劣らず素晴らしい光景を見せてくれた。山の上からの眺めを楽しむために是非ベルナーオーバーランドの高い所にあるホテルに泊まってもらいたい。ただ施設設備はグリンデルワルトのそれを期待すると問題が起きるだろうけど。
ホテルを楽しむのではなくアルプスの風景を堪能するために1泊は山の上にしたら如何でしょうか。

写真は、アイガー、メンヒの朝 メンリッフェンから見る

クライネシャイデック

2006年08月07日 07時25分01秒 | モンブラン
 宿も決まり夕食も済ませてからホテルの近くを散歩した。
直ぐ上のレストラン風の建物を夫婦らしい人が点検している、シーズン入りしたのでオープンの準備をしに来たようだ。考えるに未だ本格的なシーズン入りでは無いとも言える、それ故た易くホテルが見つかるのだろう。

 ダンスサークルのメンバーにこういう状況もあったと話したら、奥さんが怒ったでしょうとかこのような杜撰な計画で行くものだ、とかの非難の声が出た。私としては綿密な計画に基づく行動だから、予定外の宿探しも慌てずに次善策が取れるのだと言いたい。
 見るべき所は見たい、そうするには日程・行動に弾力性が必要だ、そのためには行動を縛るホテルの予約を避けなければならない。旅を恙無く続けるには宿を決めておいたほうがいい、しかし日程をフレキシブルに自由に変更したい気持ちもある、天候の都合で延泊しなければならない状況も出てくるでしょう。矛盾するがどのように折り合いをつけるかです。

 そのために私はこの時期を選んだ、プレシーズンなので人出はそれ程多くないのでホテルは予約しないでもたぶん大丈夫でしょうと、根拠も無いのに確信に近いものを持っていた。この後でも満室で目当てのホテルに断られた日もあった。
でも旅とはこういうことがあっても良いじゃないですか、結果的に何とかその場を凌げれば。

 ベルナーオーバーランドではミューレン、クライネシャイデック、フェルスト、メンリッフェンで3泊することにしていたので、ユングフラウヨッホを見てフェルストまで上がれないというアクシデントは想定内の出来事といえる。騒々しいであろうクライネシャイデックでは泊まりたくない気持ちが何処かにあったのであのような行動計画を立てた面もあるにあった。

 ところが5時過ぎのグリンデルワルトにラウターブルンネン行きの電車が出てしまうと人影が見えない。昼間の混雑ぶりがウソのような静けさだ。
アイガーは目の前に聳えている、ユングフラウも頂上まで見える、陽射しも柔らかくなり肌寒くさえ感じる。鉄条網の柵を越えて牧草地帯に入ると花が咲いている、小さな池に木組みの小屋のベランダには大きな傘が付いているテーブルが並んでいる明日は大勢の客が坐ってこの景色を楽しむだろう。

 この空間、この景色を独り占めして暮れゆくクライネシャイデックを眺めた。
ホテルは二段ベッドが2台入っている狭い部屋でバス・トイレは共用のが3ヶ所あった。部屋からの眺めは悪く窓から洗濯物干し場に出られる。窓から出入りして星空や朝焼けを見た。
朝日に当たるアイガーを目の前にして”ハインリッヒ・ハラー 白いクモ”などの語句がアタマに浮かんだ、白いクモは何処にあるのか・・・
ピーク部分が赤くなり夜が明けた、気持ちの良い朝だ今日はフェルストに行きさらにメンリッフェンに登り、ハイキングでここクライネシャイデックに戻ってくる予定だ。荷物はここに預けておこう。

写真は朝日に映えるクライネシャイデックです。

ユングフラウヨッホ Jungfraujoch

2006年08月06日 06時28分04秒 | モンブラン
今朝はミューレン側の最高峰シルトホルンShilthornにロープウェイに登り昨年果たせなかった山頂からの景色を堪能した。午前中のほうが天気は安定しているようだ。続いて麓のトリュンメルバッハの滝まで見物してラウターブルンネンまで戻り、13時発の電車でクライネシャイデックへ向かった。

 天気が良いうちにユングフラウまで廻ってしまおうと考えたのです。45分の登りはスイスを代表する景色で、落ち着いて坐っている気分ではない、高まる気持ちを抑えきれずに立ち上がって窓にしがみついて眺めた。
 
 ラウターブルンネンとグルッチュアルプを結ぶケーブルの路線に数本のクレーンが立っている、路線の改修工事をしている。もし例年通り運行していたなら、運行時間に間に合わないので、あの時間にマイリンゲンからミューレンに上がる計画は立てなかっただろう。運行休止なのでステッヘルベルグ経由で登るようにとの案内を見つけ、運行時間が遅くまである事が分かったのです。

 クライネシャイデックはさすがに人出が多い、30分間待ち時間で登山電車に乗る、アイガーグレッチャーまでは素晴らしい景色が堪能できる、森林限界帯を越えているので遮る木々も無く草原が続き、迫り来る氷河にクライネシャイデックからメンリッフェンが額縁に入った絵のようだ、シルトホルンも見え隠れする。
後はトンネルの中だが、アイガーヴァンドからの岩や氷河、遥か下に見えるグリンデルワルトは別世界で、じっくり眺めたいけど列車は合図もなしに出発するので時間が気になり早々に電車に戻った。

 トンネルを抜けると行きの世界になっている、照り輝く雪が眩しくサングラスを取り出す。トップオブヨーロッパと宣伝している展望台へ急ぐ、ちょっとガスったり晴れたりのまあまあの天気だ。メンヒの山頂付近は賑わっている、山頂からの眺めは格別だろうが登る体力技術が無い、一昨年天候不順で敗退したOB仲間の無念さが伝わってきた。
ユングフラウもすぐそこに見えたがガスの中に消えた、アレッチ氷河は谷全体を覆い広大な流れとしてゆったり流れ落ちているように見える。ここからは判別できないが後日エッギスホルンから眺める予定なので、その方向をシッカリ見た、下からはここがどのような姿で見えるだろうか・・・
1時間ほどの展望を楽しみ降りる。

 今夜はフェルストに泊まる予定なので早々に降りることにした、地下フォームはこの時間からは下り客で混雑するのでそれを見越して早めに並んだ。
電車の中ででフェルストへのロープウェイの運行時間を調べると間に合わない事が分かった。今夜はクライネシャイデックで泊まらざるを得ない。
 一日でこれだけ動き回って更にフェルストまで登るのはムリだった。天気が良いうちに見るべき所は見て、天気が思わしくない日はハイキングでもしようと考えたのがいけなかったようだ。

 あれこれ考えているうちにクライネシャイデックに着き、駅舎と同じ建物の山岳ホテルに行くと本日は泊めないと言う。理由は言葉のハンディで分からなかったが、とにかく宿泊オコトワリだった、その代わりに近くのHotel Eiger Nordwand を紹介してくれた。
駅から200mほど離れており、メンリッフェンへのハイキングコースの出発点のところだった。

 夕食はコーンスープとラクレットを頼んだ、スイス名物なので食べるようにと娘に勧められたメニューです。隣で食べているものが美味しそうだったので料理名を聞くとベラビスタ Bellavista という、ラクレットと同じチーズの料理なので別の機会に賞味することにした。

写真は、Eigerwand から見た風景です。

シルトホルン、トゥリュンメルバッハの滝

2006年08月05日 07時00分15秒 | モンブラン
 身体は未だ日本時間ようだ、夜中に目が覚める。
天気は良く星が見える、山なみは薄明かりの中でも稜線がはっきり分かる。アイガーの明かりは印象的だった、赤い光も見えるが鉄塔か何かあるのか。
 
 二度寝、三度寝とベッドに入っては又ベランダへ出るのを繰り返しているうちに夜が明け始めた。みなを起こして日の出をベランダで待つ。グロッセシャイデックの少し左側から日が昇りだした。近くのブライトホルンにも日が射し始めて雪が紅色に輝いている、これがアルプスの夜明けだと清々しい空気を胸いっぱい吸い込むが寒かった。

 シルトホルンは昼過ぎからはガスってしまうので早めに登る事にする。ロープウェイ運営会社の系列ホテルに泊まれば朝食は頂上展望台のレストランで取るサービスがあるのでそのホテルに泊まろうとかと考えた事もあったが料金の面で止めた。趣向としては面白いと思う。
荷物はホテルに預けて8時25分のロープウェイに乗る、去年はガスっていたのでビルグまでしか行かなかったが今日は晴れているのでサッサと乗り換えて頂上へ。
霞み様なものが薄っすらとかかっているので遙か彼方のマッターホルンはくっきりとは見えない。北の方にはテトリスが見えるかと思ったらとんでもない方角にある、東側にあるのだ、20chfを越すがやはり地図を買うべきか。(結局買っていない。)

 展望台を何周かして景色を楽しみ下山した、次はお花畑のアルメンドフーベルにケーブルカーで行く。5分ほどで着く牧場風のキャンプやハイキングに適したところで昨年はここからグッチュアルプまでハイキングをした。トラバース気味に緩やかに下り森林帯になると一気に下るルートで初級者コースだった。
今年は時間の都合で30分足らずで降りた。

 ミューレンは夜着いて午前中それも早い時間に降りたので14時間ちょっとの滞在でしかなかった。ピークに登るのを優先するか、のんびりしたハイキングを楽しむかは迷うところです。初めてアルプスに来た妹のためにロープウェイやケーブルが架かっているところは全て登る計画にしたがもっとハイキングを組み込んでも良かったと今頃になって反省している。

 トゥリュンメルバッハの滝は谷が細く深く切れ込んでいる場所を流れているのでまるで地下の洞窟にあるような錯覚を覚える。アレだけの水量が狭い谷から流れ落ちる様は将に圧巻のひと言、華厳の滝を10段並べた感じだった。
入場料の11フランは高いしスイスパスの割引も無い、気分的に面白くないが見たほうがいい。ラウターブルンネンからポストバスで10分ほどの距離だし1本道なので迷う事も無いでしょう。
10ヶ所ビューポイントがあるのでまずはエレベーターに乗り、降りたら滝を見ながら最上段の滝を目指し、そこからは下まで歩いて下るのが楽な見かたです。これなら1時間コースです。
数百メートルを落ちる滝も凄いけど狭い峡谷を流れ落ちる滝にも圧倒される、山の頂上から地の底の滝まで楽しみました。

 いよいよユングフラウヨッホへ行くのだ。


写真は、スイスらしくないけどシルトホルンの山頂展望台にて。
    自分の写真はめったに載せないけど例外として。

ミューレン Murrenへ

2006年08月03日 21時30分52秒 | モンブラン
峠めぐりは5時半ごろにマイリンゲンに戻った。峠への上りもすごいし、下るときのクネクネ曲がる道路を見るとこれまた凄く、周囲の山々が昔の峠越えの困難さを浮き立たせている。一日中バスに乗っていたが疲れは感じない、風景に圧倒されたのでしょう。

 これからミューレンまで行かねばならない。バスを降りてから汽車の出発時間まで5分しかなかったが、スーツケースは朝のうちにインターラーケンへ発送してあったので身軽に動き回れ無事乗れた。プリエンツ湖沿いに走りインターラーケン・オスト駅に着いた。待ち合わせ時間があったのでキオスクでビールを買う、高い4フランもした。カップヌードルが5フランもするのでしょうがないか。
韓国人ツーリストが多い、日本人はこの時間にこの辺りをウロチョロするはずが無い、既にグリンデルワルトのホテルに入っているだろう。

 電車はベルナーオーバーランドの入口である谷に向かって走り、山の切れ目からは雪を被った山も見え出す、いよいよアルプスだ。これまでも山に登り雪に触ってきたのにインターラーケンから谷沿いに進み上りだすと気持ちが高ぶってくる。アイガーやメンヒ・ユングフラウヨッホを中心とするベルナーオーバーランドはやはりスイスを代表する地域で他所とは違う魅力のある地で、スイスへ行ったら一度は見ておくべき場所なのだ。

 スイスパスはラウターブルンネンまで乗れるのを始めて知った、後で知った事だがウェンゲンまで有効です。なんだか得した気分になった、ミューレンへ登るケーブルカーが今年一杯改修工事のために運休なのでポストバスでシュテヘベルグまで行き、ロープウェイでミューレンに上がった。ポストバスはフリーになるのを知っていたが、なんとロープウェイまでフリー・ただなのです。またまた得した気分の倍増です。
途中のギンメルワルドで乗換がある、面白いのはシュテッヘルベルグ~ギンメルワルド間、ギンメルワルド~ミューレン間のロープウェイが同時に一ヶ所の運転所で運行管理されている。中間のギンメルワルドで2台が同時に発着しているのは距離が同じなのだろうか。

 バス・ロープウェイはミューレンでの生活の足になっているのでけっこう遅い時間まで動行している。観光の中に生活を取り入れたのか、逆に生活の中に観光を受け入れたのか、定かではないが上手く行っているように思われた。

 ミューレンでの宿は昨年泊まったAlpina、チェックインが遅くことは告げてあったので遅くなっても焦る事は無い。
8時過ぎに着いた。今年はちゃんとアイガーユングフラウヨッホが見える部屋を用意してあった。8時とはいえ日本の感覚で言えば6時ごろなのでそれ程遅い時間とは思えない。
夕日に照らされるブライトホルンは素晴らしい、メンリッフェンの方向に明かりが見える、アイガーヴァンドの光も見えた。とうとうミューレンまで来た、これまでは序章でいよいよ本編が始まる。

写真は、ミューレンの案内板