8703の部屋

「ハナマルサンの部屋」です。音楽、スポーツ 世相 等々 気ままに綴ります

M氏の決断!その1.(原題「『うた』という武器を持って」)

2014-11-21 06:49:14 | 合唱
M氏が指揮をする合唱団が創立10周年を迎えた。10周年記念演奏会の曲目、プログラムをどのような内容にするかM氏は色々と思案していた。10周年の記念に華々しい舞台を演出しようと、当初は考えていたとのこと。その過程と結果について8703は大いに考える(賛同する)ところがあり、M氏の寄稿文を紹介させていただくことにした。以下、某紙に掲載された寄稿内容である(ご本人の了解を得ている)。

プログラム内容について、いろいろ思いを巡らしているうちに、集団的自衛権の行使、そして憲法9条の解釈変更と、世の中がきな臭くなってきた。私たちが世界に誇る平和憲法が侵されようとしている。そして、驚くべきことに、この国には、この事実に無関心か、あるいは肯定的な考えを持った人間が多く存在するということだった。戦慄を覚えた。考えてみれば、この合唱団が生まれてからの10年間、私たちの住むこの日本では、そして地球上では実に様々な事が起こった。過去に想像だにしなかった天変地異が起こり、放射能におののき、各地で戦いはやむことはなかった。

そして今年。戦いを放棄したはずの国は、政治家が数の権力でその掟を破ったのだ。私は思考のシフトチエンジをした。10周年だからこそ、戦争と平和を考えるプログラムにするべきなのではないか、と思い始めたのである。あえて、華やかで明るい曲を並べるのをやめた。今年らしくていいではないか。決定したプログラムは、以下のものである。全てが、戦争を題材にした曲のみによるプログラムである。

第1ステージ。ペンデレッキ「アニュス・デイ」・・・ペンデレッキの作品には、アウシュビッツの血が染み込んでいる。トーンクラスターの響きは、無念の叫びなのである。ペンデレッキの作品を、深く理解し表現できるポーランド人以外の人種は、そう、ヒロシマの記憶がDNAとして染み込んでいる我々日本人ではないか。

三善晃「その日ーAugust6-」・・・幼いころに機銃掃射に合い、目の前で友人を亡くしたぬぐい去れない記憶を持つ三善は、自らの人生の終焉を目の前にしてもなお、ヒロシマのその時その場所にいられなかったことに対する贖罪をこの作品で表したのだ。人間とはかくも崇高でいられるのだ。(続く)

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