昨日、札幌コンサートホールKitaraで信時潔作曲・北原白秋作詩 交声曲「海道東征」を初めて聞いた。この曲については以前(昔)からとても気になっていたので、この歳になってようやくという感が強い。この曲が作曲、初演された昭和15年(1940)は私の生まれた年である。そのようなことからも若い時から、「どのような曲なの?」という思いを持っていたが、長く演奏されることは無かった(初演は1940年11月26日、日比谷公会堂)。しかし、最近、ようやく演奏の機会が増えて来ていることを知った。いつの日か自分も聞きたいという思いを抱いていたが、意外にも早くその日がやって来た。
演奏スタッフは下記の陣容であった。
札幌交響楽団 指揮:山下一史
ソプラノ:幸田浩子 ソプラノ:盛田麻央 メゾソプラノ:田村由貴絵
テノール:小原啓桜 バリトン:原田 圭
合 唱:札響合唱団、新アカデミー合唱団 合唱指揮:大嶋恵人
第一ステージが、モーツアルトの交響曲第41番で心地よい時を過ごし、休憩中に合唱指揮の大嶋氏と10分ほど会話をする機会があった。合唱曲としてはしっかりした内容であるとか、練習過程での苦労談なども聞きつつ本番を迎えた。歌詞は字幕で表示されたので、大意はそれとなく把握できても、見慣れず、聞きなじんでいない言葉が多くて歌詞の理解に気を取られてしまう。つぎに聞く時には、歌詞理解の予習をして臨まねば!の思いを強くした。
演奏内容としては、オーケストラも合唱も、ソリストも大変良かったと思う。特に合唱は、やや人数が不足等を懸念していた大嶋氏であったが、なんの、なんの、声もよく出ていたし、言葉も明快であり好演であった。特に、男性陣の充実を感じた。約1時間に及ぶ大作であったが、時間の長さを感じさせない演奏であり、ソリストも素敵であった。欲を言えば、女声ソリストの出番が少ないのがやや不満!(信時さんへ―笑)