にほん民族解放戦線^o^

米帝→官邸→マスコミの洗脳による植民地状態からの脱却を考えてみるブログ♪主権を取り戻し、日本の未来を考えよう。

「人の心に火を点ける」(『虚数の情緒~中学生からの全方位独学法』吉田武 著)より

2014年07月08日 | 雅無乱日記

2000年に執筆された『虚数の情緒~中学生からの全方位独学法』 吉田武 著 という書籍。

友人に紹介されて購入したが、独学で分野を超えて体系的に勉強できる、すごい内容である。総ページ数はなんと1001ページ。

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巻頭言から抜粋して紹介したい。

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【巻頭言】

さあ諸君勉強を始めよう勉強を。数学に限らず凡そ勉強なんてものは、何だって辛く厳しい修行である。しかし、それを乗り越えたとき、自分でも驚く程の充実感と、学問そのものへの興味が沸いてくる。昔から、楽して得られるものなんて、詰まらないものに決まっている。怠けを誘うあまい言葉は、諸君に一人前になって貰いたくない、という嫉妬である。思い切り苦労して、一生懸命努力して、すばらしいものを身につけようではないか。(中略)

二十一世紀の我が国は、嘗て無かった未曾有の混乱状態になるだろう。それは、何事に関しても、頼りになる大人が全く居なくなる、という諸君にとっては誠に情けない状態である。それぞれ立派な格好で、立派な事をいうかもしれないが、当てにはできない。(中略)

政治家、官僚、経営者、聖職者、評論家、弁護士、そして学者と、一般に社会的な地位を持っている、といわれている人たちの、余りにも深みの無い貧相な顔立ちと、優柔不断な態度を見れば、それは自ずと明らかであろう。(中略)

この意味で、本書はあきらめに満ちている。そして、同時に突然変異への期待にも満ちているのである。すでに崩れ去ってしまった世代から、何を言う権利も無いのかも知れないが、諸君が周りの環境や流言飛語に惑わされず、独立独歩の精神で新たな道を切り拓いてくれることを心から祈っている。

その為には考えねばならない。自分の頭で、他人の干渉を許さない絶対の意思の下で、それには基礎的な数学の訓練を受けておく必要がある。(中略)

世の中が如何に変化しようと、青少年が一個の独立した人間として社会に出ていくためには「読み書き算盤」が最低の必要条件である。これは五千年の大昔から変わらない。正に時間と場所を越えた人類普遍の真理である。この意味で、数学と国語の教師は他の科目の教師と異なる非常に特殊な立場にあるといえよう。責任の重さが違うのである。(中略)

著者は、現在の日本型教育の最大の問題点は「教え過ぎ」の一言に集約されると考えている。

十分な理解を得る暇もなく、次から次へと大量の法則、公式、事例など、これでもかと流し込んでいく。その結果は、大きく二通りに分かれる。

流し込み、詰め込みに成功した者たちは、大学受験までは良い結果を残し、恰も人生の成功者のごとく振る舞えるが、反面、幅の広い考え方を学ぶ機会を逸する場合が多く、伸び悩むものが多い。

一方、失敗した場合には、大きな挫折感とともに「知的下痢状態」とでもいうべき虚脱感に襲われ、その後一切の知的活動を受け付けなくなるものも居る。どちらにしても日本の将来にとって望ましい状態ではない。

とくに、問題なのはその低年齢化である。学ぶ内容によって、それを学ぶに「適切な年齢」というものがある。これを全く無視し、興味の持てない事柄を、暗記力を頼りに形式的に学習させていくと、真に美しい事、不思議なことを感じ取れる適切な年齢になる前に、感受性がマヒしてしまう。これでは、学問は、無感動な若者を大量に世に送り出すだけの遺物になってしまう。

教育に携わる者にとって、最も重要な行為は、「人の心に火を点ける」ことである。一旦、魂に「点火」すれば、後は止めても止まらない。自発的にその面白さの虜になって、途を極めていくだろう。それでは、どうすれば点火するのか、点火装置は何処にあるのか、それは「驚き」の中にある。(中略)

実際、我々はそんなに多くの知識を蓄える必要があるのだろうか。そこで、著者は、一つのことをじっくりと学んでいると、“知らず知らずの中に”色々な知識が増えたり、それまでは全く興味の湧かなかった分野に親近感を持てたりするような、科目の枠を超えた著作はないものか、と考えた。

中学生から読めて、かといって、決してごまかしたり、やすきに逃げたりせず、人間の知の全体を一望し得る著作は無いものか。これから、学問を学び、スポーツを愛し、人生を楽しむ為に必要となるさまざまな事柄を、綺麗ごとで終らせずに真剣に語り、読者と一緒になって考え、読後には何かしらの目標と呼べるものが見つかったり、或いは「志」と呼ぶに相応しい熱い感情が全身に漲ってくる、そんな著作はないものか。このような大それたことを考えながら、本書の執筆は始められた。

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 書いてあることがいちいちもっともで、うなずきながら読んでしまった。

 本当に中学の時にこの本に出会っていればよかったなあ。

 まだ遅くはない人、ぜひ入手して読んでみては?

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※画像は、ココから借りました。

※ここも読んでみて^^;)

 → 松岡正剛の千夜千冊 1005夜