中隆の山遊記

登山、山スキー、沢、食べ物(特に日本ワイン、麺類、ご当地料理)等の趣味を随時更新

南アルプス縦走(北岳~笹山~伝付峠)

2016-08-11 06:08:17 | 南アルプス

2016811日(木)~13日(土)

 

◆目的地:南アルプス北部~南部縦走(北岳~間ノ岳~農鳥岳~笹山~伝付峠)

◆メンバー:M松さん、中隆

◆コースタイム:【1日目】6:42広河原~8:44二俣~10:50八本歯ノコル~12:04北岳山頂~12:55北岳山荘13:1813:55中白根山~14:55間ノ岳~15:55農鳥小屋

【2日目】5:05農鳥小屋~5:55西農鳥岳~6:34農鳥岳~7:49広河内岳~9:09大籠岳~9:55白河内岳~11:01笹山(北稜)~11:11笹山(南陵)11:3012:46ルートミスにより再度笹山(南陵)~15:54奈良田越~18:03伝付峠

【3日目】4:55伝付峠~6:15保利沢小屋~8:27伝付峠駐車場~8:50新倉湧水(県道との合流地点)

◆天気:【1日目】晴れ時々曇り

    【2日目】晴れ時々曇り

    【3日目】晴れ時々曇り

 

 

【概要】

・山梨県の背骨とも言える北岳から笊ヶ岳の南アルプス北部から南部への大々縦走

・昨年度までの岩稜系バリエーションルート縦走から今年は長時間修行系縦走に変更

・1日目は、広河原から農鳥小屋まで、2日目は農鳥小屋から伝付峠、3日目は伝付峠から笊ヶ岳の予定。

・しかし、Nakaaka2日目に木の枝により目を負傷したので、伝付峠から新倉に下山

・少し悔いは残るが、2日目までの縦走でも満足度は高かった。

 

1日目】

2時に豊富道の駅西のセブンイレブンでM松さんと待ち合わせ。

 

一路早川町や向かい、戸屋集落から戸屋林道を進む。

M松さんの事前のリサーチにより、林道の最新データを得ていたので安心していたが、

暗闇の細い林道には本当に心細かった。

舗装終了地点から100m程進み路肩が少し広くなっている地点に1台車をデポ。

 

もう1台で、マイカー規制のある県道南アルプス公園線の無料駐車場に向かう。

300台駐車できる広大なスペースである。

4時半に到着したが、既に7080台が駐車している。

バス停にザックを並べ、5時半の始発を待つ。

 

登山者が多く、バスは2台発車。1台に30人くらいの乗車である。

 

40分で広河原に到着。結構な人出である。

広河原山荘で登山届けを提出。

大樺沢ルートを進み、左俣コースを登りあげ、八本場のコルに出るルートをとる。

 

登山道は多くの登山者で賑わっており北岳の人気の高さがうかがわれた。

(広河原山荘の少し上)

 

 

久しぶりの重い荷物に苦しみながら、二俣到着。

ここから左俣コースを進むが、こちらは登山者がぐっと少なくなる。

(二俣)

 

前方には北岳のバットレスがそびえ、

振り返ると、甲斐駒、鳳凰三山、八ヶ岳の勇姿が疲れた体を元気づけてくれる。

八本歯ノコルまでは、結構新しい木製の階段があり、斜度もかなり急でまいりました。

(後ろは鳳凰三山)

 

(北岳バッドレス)

 

(左奥は八ヶ岳)

 

(八本歯)

 

八本歯ノコルから北岳への稜線まであと一踏ん張り頑張る。

合流地点に荷物をデポして北岳頂上を目指す。

 

360度のパノラマで大感激。

しかし、先が長いのですぐに出発。

天気は少し曇り気味。

 

 

(右奥に見えるのが北岳山荘)

 

北岳山荘着。

通常はここで1泊だが、今回はさらに農鳥小屋のテント場が目的地だ。

ネットによると、農鳥小屋の主人は、客が15時以降に到着すると激怒するとのこと。

それが気になっていた、疲れた体にむち打って先に進む。

(北岳と北岳山荘)

 

(右奥に北岳)

 

 

15時台には農鳥小屋に到着したいと思っていたが、

何とか1550分に到着。

若い兄ちゃんが受付をしてくれたが、主人は現れず文句も言われなかった。

 

テン場には、既にテントが10張り程度あった。

テントを張り、ビールで乾杯。

M松さんが凍ったペットボトルを入れた保冷バックで持ち上げた

「エビスビール」の美味しいことこの上なし。

 

おつまみ①

自家製きゅうりのもろきゅう(味噌付け)。

 

おつまみ②

ザーサイとカイワレ大根とネギの和え物。

バーミヤンのおつまみメニューを参考にしたもの。

 

ワインは、フジクレールのマスカットベリーA(赤)です。

やはりフジクレールのワインは美味しいです。

 

メインは、豚バラ、ワンタン、白菜、ネギ、ニラのコンソメスープ鍋+うどん

3,000mのテント場は風が冷たく、温かい鍋は最高です。

 

 

【2日目】

3時に起床。

満天の星空。天の川も見える。

 

朝食は昨日の残りにもう一つうどんを加える。

 

日の出が近づく。

眼下に雲海が広がっているのが分かる。

素晴らしい景色である。

 

 

5時に出発。

最初から西農鳥岳へ向かう急勾配が続く。

 

(右奥に笊ガ岳)

 

西農鳥岳到着。

360度の素晴らしい景色が展開している。

遠くには笊ヶ岳が見える。本当に遠い・・・。

(真ん中最奥が八ヶ岳、その左が北岳) 

 

農鳥岳到着。

(右に北岳、その左に間ノ岳)

 

 

(真ん中が大門沢降下地点)

 

大門沢降下地点到着。15年ぶりくらいだ。

 

ここから先が未知の世界。

 

広河内岳(2,895m)、大籠岳(2,767m)、白根河内岳(2,813m)を

アップダウンを繰り返しながら進む。

 

(広河内岳から先)

 

(大籠岳より先)

 

白河内岳からの下りは途中から樹林帯に入る。

 

黒河内岳(笹山(北峰) 2,733m)到着。展望は良い。

山梨100名山の標柱は笹山(南峰 2,717.6m)にあるが、こちらは展望がきかない。

 

 

笹山(南峰)発。

しかし、ここで痛恨のミス。

「奈良田」という矢印があり、当然「奈良田越」と思って矢印のとおり進む。

 

30分したところでM松さんのヤマップで、

数年前に整備された笹山ダイレクト尾根コースを下っていることが判明。

200m下ってしまった。

このまま下山したいと思う気持ちを抑えて、必死で登り返す。

笹山に登り返してもう一度見たが、頂上からは本当に分かりにくい。

ダイレクト尾根コースが載っている新しい地図があれば間違えはしなかったかな。

往復で1時間20分ほどロスした。

 

奈良田越に向かう笹山からの下りは、一般登山道でないのでやはり分かりにくい。

基本稜線を進むことになるが、たまにあるピンクリボンを目印に進むが途中で道がなくなる。

樹林帯であり尾根も顕著でないので中々難しい。

ただでさえ時間をロスしているので焦る。

結局GPSを見て強引に稜線に戻り登山道に合流。

ここでも30分くらいロスした。

 

その後も木の枝が張っている登山道を進む。

木の枝を押しのけ下っていたが、木の枝が手からこぼれ右目に直撃。

眉毛の下の骨にも当たったので目への衝撃はある程度軽減できたが、

右目がかすんでよく見えなくなった。

 

精神的にも肉体的にも疲れが溜まっていったが、

白剥山(2,237.2m)を越し、何とか奈良田越(1,970m)に到着。

 

ここからは林道なので平らで楽をできると思ったが、

奈良田越が最低鞍部なので伝付峠に向かう林道は約8割がダラダラした登りで、

かつ距離も非常に大変だった。

 

 

結局、13時間かかって伝付峠に到着。

重荷を背負ってまだ13時間歩けたので、少し自信になった。

 

さて、10年前に、M田君と、

新倉~伝付峠~荒川三山~赤石岳~椹島~笊ヶ岳~老平の2泊3日の縦走をしたときには、

伝付峠からちょっと下ったことろに十分な水量の水場があったのを記憶していた。

しかし、水場まで下ってみるとチョロチョロとしか流れていない。ちょっとショック。

(次の日に分かったが、さらに10mくらい下ったところにホースから十分な水が流れていた)

 

この水場の脇にはテントスペースがあることがネットの記録にはあったが、既に先客がいた。

しかし、峠まで登り帰る元気もなく、水を汲んで峠に戻ると真っ暗になるので、

隣の少し狭いスペースにテントを張らせてもらった。

 

ビールをチョロチョロの水場で冷やし乾杯。

チョロチョロでも結構ビールは冷え美味しかった。

 

行動食を食べて寝たくなったが、明日の活力のためにはきちんと食べることが必要。

今日は、夏野菜とスパムのカレー(ジャワカレー)である。

しかし、スパム缶詰のプルアップがとれてしまい、缶切りもないのであきらめた。

今日はついていない。

しかし、スパイシー夏野菜カレーも美味しく元気になった。

右目は相変わらずかすんでいて明日が心配だった。

 

【3日目】

起きると、右目は昨日より少し良くなった気がするが、まだかすんでいて痛みも少しある。

最悪のことを想定すると早く眼科で診てもらうに限る。

また、今日のランカン尾根をこの目で下るのは危ない。

 

M松さんには申し訳ないが、このまま下山し新倉に向かうことにした。

 

伝付峠からの下りは登山道も不明瞭で荒廃してもいる。

 

昭文社の地図には

「保利沢小屋~伝付峠入口間は廊下状の川の脇を歩く。

73本ある桟橋の中で数本は崩壊している」とある。

前回通った時は、まあこんなものかと特に困難は感じず、サクッと伝付峠に登れた。

 

しかし、今回は、この73本の桟橋を全て高巻き、

一本南の沢に降りるルートができていた。

このルート、こんな急な登山道ありかとういう所もあり、

これでは新倉から伝付峠に行くのは非常に体力を消耗するだろう。

 

田代発電所から、林道を進み、伝付峠駐車場を過ぎ、県道まで林道を進む。

(駐車場を過ぎた発電所手前の駐車スペース)

 

県道からは奈良田の駐車場まではバスで行かなければならないが、

次のバスは3時間後の12時半である。

 

これでは今日中に眼科下に行くことができないので、

早く降りてきた意味がなくなってします。

縁あって、親切なH沢さんという某会社の若者が、

奈良田の駐車場まで乗せていってくれた。

戸沢林道のデポ車を回収し、12時半には自宅に到着。

 

眼科に行ったところ、軽傷で来週には治るだろうとのこと。

 

M松さんには申し訳ないが、

無理をせず、引き返す勇気を持つことが山では必要だが、

今回はそれが実践できて良かった。

 

伝付峠~笊ヶ岳~ランカン尾根はできなかったが、

2日目までの北岳~伝付峠が歩けて結構満足だった。

しかし、3日目もそれなりに大変で、今回は本当に疲れました。

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3 コメント

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Unknown (M)
2016-08-18 12:45:08
今回もありがとうございました。苦しくも苦しくも、楽しい山旅でした。残念な部分はいずれ機会があればということで‥‥‥
返信する
Unknown (Unknown)
2016-08-18 18:25:07
それから、野菜おいしかったです。ごちそうさま
返信する
Unknown (naka-taka)
2016-08-19 08:33:59
こちらこそありがとうございました。
またよろしくお願いいたします。
返信する

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