事前に有力な憶測となっていた「地球外生命体の発見」ではなく、地球上での「ヒ素を食べる細菌の新発見」であった。「大山鳴動してネズミ一匹」の感が無くもないが、「生物学の常識」を覆すwonderな発見であることには違いないようだ。この細菌「GFAJ-1」株は、天然のヒ素を多く含むカリフォルニア州の塩湖「モノ湖」で発見され、生物に欠かせない6元素【炭素、水素、酸素、窒素、硫黄、リン】の内、「リン」の代わりに「ヒ素」を取り込み成長するという。 殆どの生物はヒ素の摂取で中毒症状を起こすが、「GFAJ-1」はヒ素を摂取してDNAとタンパク質を作り出すというのだ。●発見者であるNASA宇宙生物学研究所のフェリッサ・ウルフ・サイモン氏は「地球外生命体の可能性へのドアが開かれた」と述べ、論文を共同執筆したポール・デービス氏は「生命体は最初、ヒ素を通じて発生し、その後リンに適応したのではないか」と推測し、この細菌は、太古のヒ素の時代の「生きた化石」である可能性もあるという。また、NASAエイムズ研究センターの宇宙生物学者クリス・マッケイ氏は、「従来の極限環境微生物は“極限環境”には生息していても、生化学的には極めて普通だった。GFAJ-1は、真の意味で“極限環境微生物”と言える初の例であり、極めて重要な発見だ」とコメントしている。 ⇒ http://www.asahi.com/science/update/1202/TKY201012020520.html、http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20101203001&expand&source=gnews、http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/science-technology/2777655/6541550