東工大や国立遺伝学研究所などの共同研究チームが「生きた化石」と呼ばれる古代魚シーラカンスのゲノム(全遺伝子情報)解読に成功し、魚類と陸上動物の両方の遺伝子を持っていることが判明したそうだ。ゲノムサイズは約27塩基対あり、平均的な魚類の約3倍、人を含めた哺乳類(約30億)とほぼ同じであることが判明。遺伝子配列の比較から進化の過程を推測した結果、シーラカンスと陸上動物は一緒に魚類から分かれ、その後、シーラカンスと陸上動物は別の道を辿ったと考えられるそうだ。シーラカンスにはひれの根元に手足のような太い骨があり、陸上動物との関連性が指摘されていたという。魚類と分かれたときに働いた遺伝子を調べれば、陸上進出に関係する遺伝子が見えてくることが期待できるようだ。 ⇒ http://sankei.jp.msn.com/science/news/111228/scn11122814160001-n1.htm、 http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20111228-OYT1T00636.htm
●先日は、アフリカハイギョの一種がヒレで歩行することを発見したというニュースもあった。ヒレを交互に入れ替える「歩行」や同時動かす「跳躍」など、さまざまな歩き方をするという。ハイギョ(肺魚)は約4億年前に出現し、肺など両生類的な特徴を持ち、また、ハイギョやシーラカンスは肉鰭類(にくきるい)という分類に属し、最古の四肢動物(4本足の脊椎動物)に近い種と考えられているそうだ。初期の陸生動物と関わりの深い種で歩行が確認されたのは初めてという。 ⇒ http://mainichi.jp/select/science/nationalgeo/archive/2011/12/14/ngeo20111214001.html
肉鰭類(にくきるい)が魚から陸上動物に至る進化の途中に存在したことがより確かになったようだ。