【ただいま読書中】

おかだ 外郎という乱読家です。mixiに書いている読書日記を、こちらにも出しています。

ミサイルは武器ではない

2015-08-06 07:23:19 | Weblog

 たしかにミサイルは、弾薬に推進装置と誘導装置をくっつけたものですから「吹っ飛んでいく弾薬」だとは言えますね。もっとも私の感覚では、推進装置と誘導装置がセットとして組み立てられた時点で「君はライフルの銃弾とは違うのだよ」と立派な「武器」扱いしてあげても良いのではないか、と思えますが。

 【ただいま読書中】『絶対に行けない世界の非公開区域99』ダニエル・スミス 著、 小野智子・片山美佳子 訳、 日経ナショナル・ジオグラフィック社、2014年、2200円(税別)

 本当に限られた人間以外立ち入り禁止の場所を世界中からピックアップしてまとめた本です。CIA本部・MI5本部・バチカン機密文書館などは当然ですが、大型ハドロン衝突型加速器・ヘビ島(世界でここにしか生息していない猛毒のゴールデンランスヘッドが1平方メートルに1匹生きているそうです)など、立ち入ったら命の危険が明らかな場所もあります。別の意味で命の危険があるのが、海賊の町ホビョ(ソマリア)・カシミールの停戦ライン・朝鮮の軍事境界線など。
 そうそう、日本からも一つ紹介されています。伊勢神宮です。皇室の血を引く神職以外は立ち入り禁止の場所がありますが、欧米の人にはとてもミステリアスで神聖な「立ち入り禁止」に見えるでしょうね。イギリスでそれに相当しそうなものとして、バッキンガム宮殿の女王の寝室が紹介されていますが、神宮の正殿と寝室ではちょっと“神聖さの重み”が違うような気がします。
 立ち入り禁止(非公開)の理由は様々ですが、世界地図と重ねると「今の世界の一面」が見えてきます。できたら本書の続編も期待したいところです。本書で上げられた非公開区域に「実際に行ってみたら実はこうだった」という本です。とてもインパクトがあるか、あるいは逆にとてもしょぼい実態なのか、私の想像力は膨らみます。