足立直義の丹沢・大山山麓だより

生き物との出会いを楽しみに今日も山麓を歩いています

No.1049 ~ ヤマネコノメソウ の不思議 ~

2012年05月08日 | 植物

ヤマネコノメソウ全形

横長の皿状は 猫の目を連想

お茶をかてても種子は飛び散らない

種子と果は管でつながっていた

種子が飛び散った後には果の面には 管の跡が残っている

えま

雨を利用した種子の散布戦略でした

観 察 月 日  2012年 5月 5日 晴 26,5℃

観 察 場 所  厚木市 七沢 (県自然環境保全センター)

 「どうして、ネコノメソウという名が付いたのだろうか」不思議で

ならない時期があった。花の盛りに植物を見ても、“猫の目”を

連想出来る物は無かったのである。

 その後、種子が熟し果が2裂すると横長の皿状に沢山の種

子が現われ、それを目にした時、「これは、猫の目だ」と一人頷

いた事を覚えている。

 横に切れ長の目に見たて、その中に褐色の種子がまとまって

ある形は、猫の目その物に見えてくるから不思議だ。

 だが、次の疑問が湧いて来た。“種子はどんな方法で、散布する”。

 皿状の上に乗っている種子は、雨粒によって打たれ弾かれ

、種子が飛び散り散布される事が考えられる。そこで、持ち合わ

せたボトルのお茶を雨水に見たててかけて見た。ところが、予想

に反して種子は動かなかった。

 20倍のファーブルで見ると、小さな種子は果の壁と微細な

紐で結ばれていた。種子に養分を送り続けていた管なのである。

これでは、種子は簡単に動く筈はない。

 連休中強い雨が降った。ヤマネコノメソウの群落へ行って見ると

、種子は無く果の皿は空を向いたまま。養分を送り続けていた

管は使命を終え種子は果の皿を離れて飛び散ったのである。

 

 

 

 


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