観 察 月 日 2015.2.15 晴 12℃
観 察 場 所 厚木市 七沢 (県自然環境保全センター)
枯れ草の中から突然2匹のキチョウが飛び出した。二匹は戯れ
て飛び、一匹は少し先の枯れ草の中に落ちる様に止まった。
「今日は2月にしては陽射しが暖かい。成虫で越冬しているキチョ
ウは、こんな日には飛び出すだろう」季節のささやきが私の頭を
過った。
1~2歩進み遠目で見ると、それはキチョウではなく、モンキチョウ
♂と解った。
「モンキチョウは成虫越冬だったかな?」隣で蝶の図鑑を見ている
Rさんに問い掛けると、「違います」と返って来た。
私には子供の頃持ち歩き、頭の中に沁みついた程の昆虫図鑑があ
る。それは昭和8年発行 原色千種昆虫図譜 三省堂 には、カラー
の標本と共に、“モンキテフ(ヲツネンテフ)とあり成虫で越冬する”とあ
る。そう言えば、とんでもなく早く飛び出したり、冬枯れの枯れ草の中
で寒さに耐えて止まっていたりするのに出会う事がある。当時の人は
こんな経験から予想したのだろう。
昭和29年発行 原色日本蝶類図鑑 保育社 私が若い盛りの頃持
ち歩いた図鑑だ。そこには(オツネンチョウ)と付加しているものの、
“成虫越冬は誤りで、オツネンチョウの名は抹殺されるべき”との言葉
が見られる。自然は時々刻々解明されて行くものだろう。
止まったモンキチョウを見ると、枯れ草の中に斜めに翅を畳んで止ま
っているのに気が付いた。今日は暖かいとは言えチョウにとって温度は
不足している。この時期、太陽の南中高度は40度だ。太陽の熱エネル
ギーを得る為、翅の傾きを合わせているのだ。
早く出過ぎた冬を、克服するすべをモンキチョウは身に付けているの
かも知れない。
野山は枯葉色一色だ。
枯葉色の中から 黄色のチョウが飛び出した。 「キチョウだ!」・・・・・
予想外れの モンキチョウ♂であった。
近付いて見ると 枯れ草の中に斜めになっている。
どうしたのだろう? 冬 12時なのに人の影は長い!
飛び立って また別の場所に落ちるように止まったが ・・・・
また 斜めに止まっている。 同じように! 何故!
* 翅の向きを 太陽の高度に合わせているのだ!
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます