観察月日 2019 9.08.晴 29℃
観察場所 山北町 玄倉
林道沿いの暗い林床で、ベニシュスランを見付けたのは、7月
14日雨の日であった。
その場所は、ビジターセンター開館以来、毎月第2日曜日に歩
いていた林道で、今まで沢山の目に付かなかった筈はなく、初
開花の日だったのだろう。
植物生育の始めが“種”だとすれば、このランは何処からやっ
て来たのだろうか。
その後、8月11日には花は終わり若い実に、9月8日には約
1㎝のラクビーボール型の実が2個、外皮には縦に切れ込みが
入り、中には膨大な数の種が用意されていると思われた。仲間
に断りを入れ、借りたミルビンに入れて持ち帰った。
家でミルビンの底を見ると薄茶の埃で塗されていた。超マクロ
レンズを用意、ステージ上でランの実を軽く振ると、微細な粉が
落ちた。カメラを覗きピントを合わせると同時に、私は「エッツ」と
疑問を交えた声を出した。
そこには、微細な埃の様な粒ではなく、細長い翼を持った形の
タネが現われた。アバウトなスケールで計ると翼の長さ約1.6mm、
翼の中心にタネらしい膨らみがあり、0.2か3㎜程で計れなかっ
た。種子は微小で軽い程大量に生産出来、風に託して遠く広く
散布可能なのに、翼までの用意には意外であった。
少々調べてみると、中央の膨らみ、タネの中味は超未熟で、
子葉も胚乳もなく、未熟な細胞の塊だという。ランの進化は、
土壌のラン菌が無ければ、発芽も成育もない所まできている。
限りある地球号上の人間世界も、何処まで来ているのか、
頭をよぎった。 (ナンバンギセルの種子)
毎月第2日曜日 玄倉に10時集合 林道を歩いている。
見つけたのは 7月14日雨の日であった。
8月11日は 若い実であった。
9月8日 今日は1cm程のラクビーボール型。
ベニシュスランのタネ。
拡大して見ると タネのふくらみが解りますか。
シランの タネ 長さ約2.2mm ふくらみの部分約0.4mm (厚木市 七沢) ベニシュスランと同拡大率
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