足立直義の丹沢・大山山麓だより

生き物との出会いを楽しみに今日も山麓を歩いています

No.1341  ~ ヤマユリ の 戦略 ~

2015年08月02日 | 植物

観 察 月 日  2015.7. 31.晴 35℃

観 察 場 所  県自然環境保全センター ・ 丹沢大山山麓

「ヤマユリの赤い点模様の所は、小さい突起になっている事に気

付きました。チョウが肢を滑らさない為の配慮でしょうか」

ミニ観の日、Yさんが疑問を残して帰っていった。

 ヤマユリは6弁の大きな花を開き、白い花被には大小散りばめ

た赤い点模様と、黄色の帯模様があり、我々人間の目も引く。何

故かこの日のヤマユリには、アゲハチョウは飛来しなかったので、

疑問が残ったのだろう。

 丹沢山麓を歩いていた或る日、ヤマユリに飛来しているオナガ

アゲハに出会った。アゲハチョウはヤマユリの花を見つけると、

大きく開いた花被(6枚の花弁に見える)に向かって飛んだ。スト

ローを伸ばしているので、目的は吸蜜だ。大きな翅を羽ばたきな

がら赤い点模様を散りばめた花被片に着地した。

 そこで、赤い点模様をルーペで見ると、確かに単なるプリントで

はなく、鈎状の突起物でアゲハチョウの細い足先にある爪に掛か

り、体の支えに役立っている。もしも突起物が無かったら、アゲハ

チョウにとっては足場が悪く、このヤマユリを諦め他の花へと移

動したかもしれない。

 黄色の帯模様については、蜜源への指標と言われている。ヤ

マユリの花に来たオナガアゲハの動きを見ると、帯模様に沿っ

て動き蜜を探している様子がうかがえる。

 「アゲハの気持ちで、黄色の帯模様を指先で中心へと辿って行

くと、緑色に変わり溝になり、そこには蜜が溜まっていますよ。と

ても甘くて!」を見付けたのはRさん。

 アゲハチョウと言うポリネーターを引きつける、ヤマユリの戦略

が次々と見えてきた。

 県自然環境保全センターには、ヤマユリが数多く植栽してある。

丹沢山麓のある日、ヤマユリにオナガアゲハの飛来に出会った。

オナガアゲハは、構わずヤマユリに着地。

赤い点模様と黄色の帯模様が目立つ。

赤い粒模様をルーペ-で見ると。

帯模様を指でたどると。

ヤマユリの戦略が見えてくる。

緑の溝には 蜜が流れ出る。お呼びでないクロヤマアリが、ご馳走様。

                    * ヤマユリもよく見ると 不思議の塊。


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