観察月日 2019 7.14 曇時々小雨 20℃
観察場所 山北町 玄倉
雨が降ったり止んだり、はっきりしない天侯の中、登り坂の秦野峠林道
を小菅沢橋に向かって歩き出した。
「開会式・・ダムサイド・・集合して下さい」スピーカーの声が山にこだまし
、言葉が切れ切れになって流れて来る。
「これ、年によってあったり、気付かなかったり」Oさんが呟く。林道のガー
ドレールに沿って、ノハラナデシコが点々と続く。花は直径1㎝、色は撫子
色、花弁に白い斑点があり美しい。その小さな花弁の上に雨水が、小さな
水晶玉を造っている。
穂が出るにはまだ早いススキの繁みが続く。雨粒の付く葉表の裏を覗く
Rさん。「成虫は光らないオバボタルが。雨宿りかな?」
隣のススキの葉表には、セマダラコガネがいた。葉にもコガネの背羽にも、
雨粒がついている。この昆虫は濡れても気にならないらしい。
雨を避けた場所にある1本のススキには、黒く艶のある立派な触肢を 持つ
ワカバグモの雄がいて、上方に向い盛んに振り回す。見ると上には雌がいて、
求愛ダンスの最中なのだ。私にはボクシングのスパーリングと重なり微笑んで
しまったが、どちらも真剣行動なのだ。
サルトリイバラの葉裏に、アケビコノハが静止していた。
「これに出会いたかった!写真では知っていたが、」とWさん。「本には歩いて
いる写真が無い。載せてほしい。」と続けた。
聞えたのか?アケビコノハの幼虫が、歩き始めた。
ダムから スピーカーの声。
ノハラナデシコが。
オバボタル。
セマダラコガネ。
ワカバグモ
アケビコノハ。
歩き出した。
アケビコノハ が 歩く