足立直義の丹沢・大山山麓だより

生き物との出会いを楽しみに今日も山麓を歩いています

No. 1658 ~ 玄倉だより (2)~ 

2019年07月27日 | 昆虫

観察月日  2019 7.14 曇時々小雨 20℃

観察場所  山北町 玄倉

 雨が降ったり止んだり、はっきりしない天侯の中、登り坂の秦野峠林道

を小菅沢橋に向かって歩き出した。

 「開会式・・ダムサイド・・集合して下さい」スピーカーの声が山にこだまし

、言葉が切れ切れになって流れて来る。

 「これ、年によってあったり、気付かなかったり」Oさんが呟く。林道のガー

ドレールに沿って、ノハラナデシコが点々と続く。花は直径1㎝、色は撫子

色、花弁に白い斑点があり美しい。その小さな花弁の上に雨水が、小さな

水晶玉を造っている。

 穂が出るにはまだ早いススキの繁みが続く。雨粒の付く葉表の裏を覗く

Rさん。「成虫は光らないオバボタルが。雨宿りかな?」

隣のススキの葉表には、セマダラコガネがいた。葉にもコガネの背羽にも、

雨粒がついている。この昆虫は濡れても気にならないらしい。

 雨を避けた場所にある1本のススキには、黒く艶のある立派な触肢を 持つ

ワカバグモの雄がいて、上方に向い盛んに振り回す。見ると上には雌がいて、

求愛ダンスの最中なのだ。私にはボクシングのスパーリングと重なり微笑んで

しまったが、どちらも真剣行動なのだ。     

 サルトリイバラの葉裏に、アケビコノハが静止していた。

 「これに出会いたかった!写真では知っていたが、」とWさん。「本には歩いて

いる写真が無い。載せてほしい。」と続けた。 

 聞えたのか?アケビコノハの幼虫が、歩き始めた。

ダムから スピーカーの声。

ノハラナデシコが。

オバボタル。

セマダラコガネ。

ワカバグモ

アケビコノハ。

歩き出した。

アケビコノハ が 歩く