足立直義の丹沢・大山山麓だより

生き物との出会いを楽しみに今日も山麓を歩いています

No. 1653 ~ いのちは卵から ~

2019年07月13日 | 昆虫

観察月日  2019 7.9.曇 21℃

観察場所  (秦野市 頭高山)

 私の机の上には、“ジャコウアゲハ”の幼虫がシャーレの中で、

食草の、オオバウマノスズクサの葉をモリモリ食べ、コロリとし

た糞をしながらすくすくと育っている。

 それは6月13日、私は小田急線の渋沢駅で二人と落ち合い、

渋沢丘陵へと向かった。

 街中の急な道を登り詰めると、緑が一段と濃くなった渋沢丘陵

の尾根に飛び出した。南に傾斜した畑が続き、青空の中に遠く

箱根の山々が望めた。

 東へ道を採るとハイカーで賑わう震生湖、私達は動植物を見る

のが目的なので、殆ど人に合わない西に向かう道を採った。やが

て頭高山入口の道標を過ぎ、山頂へ向かう道を採らずに右折し

て頭高山を一周する作業道を行った。

 ツノハシバミの実の成長を眺め、アカショウマの淡い黄色の花穂

を撫でながら行く。今の季節はジャコウアゲハが、空気の流れに乗

って山頂へと飛翔する。

 一周を終え、山頂への道に入るとオオバウマノスズクサが見事だ。

葉を裏返して見ると、真紅の擬宝珠(ぎぼうし)形をした小さな卵が

産み付けられていた。ジャコウアゲハの卵だ。自然が表現する色

・形、その美しさ、不思議さに引きつけられ、心がドキドキして、畏敬

の念すら感じてしまう。

 生き物にとって生命の始まりは卵からだ。私達人間も、祖先が友

に選んだ、イヌもネコも、卵の時命を受け、出発したのだ。ともする

と、それを忘れかけている私達に見せてくれるのが、語ってくれる

のが昆虫達なのだろう。

 机上のジャコウアゲハの幼虫は、蛹になったら頭高山に返しに

行こう。

シャーレの中で、育っている”ジャコウアゲハ幼虫。

頭高山へ向かう。

ジャコウアゲハが 山頂へと向かう。

オオバウマノスズクサの葉の裏を見ると ここには卵が1個。

ここには 2個!

拡大して見ると、 形、造り、色・・・・・・美しくて、不思議で、命が宿っているんだ。

★ あなたは どう感じる!どう思う!・・・・・・・。