2008年6月17日のブログ記事一覧-ミューズの日記
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今日は今度の日曜日(6/22)に行われる「デュオ・ウエダ ギターリサイタル」についてご案内です。このコンサートは私も大変楽しみにしているんですよ。
と言うのも、デュオ・ウエダは2年前にもミューズサロンで演奏して頂いているんですが、その見事に息の合ったご夫婦の演奏は、それは素晴らしいものであったと言うことと、今回はそのプログラムがまた魅力的な内容だからです。

1曲はソルの最も美しい旋律と言われる「嬉遊曲作品62」ですが、後は日本人作曲家4人の作品なんです。しかも委嘱作品が2曲(石丸基司と藤井敬吾)と日本が世界に誇る作曲家、伊福部昭(ゴジラの曲でお馴染み)の代表作2曲をギター二重奏に編曲し初演されるんです。こんな魅力的なプログラムはありません(詳細はサロンコンサート情報ページをご参照下さい)。京都と東京での公演は大好評だったそうです。

伊福部昭さんは海外での評価は大変高く、武満徹に勝るとも劣らないレベルの日本を代表する大作曲家なんですが、日本では一般的には映画音楽の作曲家として知られていますね。例えば『ゴジラ』のテーマ曲をはじめ、『ビルマの竪琴』や『座頭市』シリーズなどがあります。
しかし、海外での評価の一面を垣間見るこんなエピソードがあるんですよ。
大学を卒業した1935年、アメリカの指揮者フェビアン・セヴィツキー(クーセヴィツキーの甥)の依頼により『日本狂詩曲』(当初全3楽章)を作曲し、ボストンへ送ったり、同年、パリで作曲コンクール「アレクサンドル・チェレプニン賞」が催されると、審査員の中にモーリス・ラヴェルの名を見つけ、ラヴェルに見てもらいたいという一心で、『日本狂詩曲』で応募します。結局ラヴェルは病気のため審査員を降りたそうですが、チェレプニンを初めジャック・イベールやアルベール・ルーセルといったフランス近代音楽を代表する作曲家たちが審査にあたり、見事第1位を獲得したんです。そして1946年(昭和21年)から1953年(昭和28年)まで東京音楽学校(現東京藝術大学)作曲科講師を勤め、初めて担当した芥川也寸志、黛敏郎などのお弟子さんたちから大変慕われたそうです。

その伊福部さんの曲をギター二重奏に編曲、初演すると言うんですから、非常に興味深いですよね。そんなプログラムを組んで頂いた上田さんからメッセージを頂きましたのでご紹介いたします。

「京都の上田英治です。デュオ・ウエダの名古屋での2年ぶりの演奏会まであとわずかとなりました。今回はデュオ結成10周年ツアーということで京都、東京を経て名古屋が最終回となります。日本を代表する作曲家、伊福部昭先生の3回忌を追悼し、プログラムの半分が伊福部先生の管弦楽曲のギター二重奏版初演です。また藤井敬吾先生と伊福部門下の石丸基司さんにも新作を作曲して頂きました。新作 といっても前衛的な作風とは全く逆の、大変親しみ易い作品で、京都、東京公演でも大変好評でした。伊福部昭を知っている人も知らない人も楽しめる演奏会にしたいと思っています。皆さんよろしくお願い申し上げます。」

さあ、楽しみでしょう?是非ご来場下さい。この機会をお見逃しなきよう・・・。


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