2008年5月21日のブログ記事一覧-ミューズの日記
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<あれも聴きたい、これも聴きたい> 村治 昇先生 教室発表会

 昨年ミューズでも素晴しい演奏を聴かせてくれた子供達を教えておられる村治先生の教室の第36回発表会が先週の日曜日(11日)に行われました。勿論東京は台東区にあるカメリアホールという会場です。午前11時45分からの開始で、まずは例年通り大人の生徒さんの演奏から。若い人もいますが結構お年の方も多く、一見大きな会社の取締役ではというような方も。あとで聞くとなんと村治先生が独身だったころからのお弟子さんもおられるとのこと。当然村治佳織さんや奏一君がこの世に生まれてくる以前からということになって、彼らの成長の過程を全て見てこられたことになりますね。それにしても発表会を始められてから36回とは本当に驚きです。年に1回ですから36年間も続いているわけです。しかも村治先生は毎年1月にも「弾き初め会」として殆んど同じようなことをやられているので、実際は年2回ということになります。会の規模、生徒さんの数、会の内容、絶えず盛り込まれた新しいアイデア、そしてそれらを企画、指導し、全てに渡ってお世話をされる村治先生ご本人、そしてまたその先生を周りで助ける方々。どれをとっても素晴しい感動を覚えますし、心から頭が下がる思いがします。

舞台に登場する生徒さんは今回も50数名。特にやっと単旋律が弾けるようになった小さい子供の場合、先生が全て伴奏を受け持って一つひとつの曲を演奏していきます。子供達も伴奏に乗っていかにも気持ち良さそうに演奏します。中には演奏している音楽に自分自身がうっとりしながら弾いている子もいて、なんとも微笑ましい光景が続きます。また一人で演奏できるようになった子供達は名前と年齢をはっきり述べ、これから弾く曲に自分がどんなイメージを抱いているのかをしっかりと表明してから演奏に入ります。大人が考えたら無味乾燥と思える練習曲にも、子供達の感性ではこんなにも楽しい、そしてかわいいイメージを描いているんだといつもながら感心させられます。

去年ミューズで演奏してくれた子供たちは、この半年の間にすでに驚くべき上達をはたしていました。あの一番小さい子は先生の伴奏付きとはいえ、カタロニア民謡の聖母の御子を歌心たっぷりに弾きました。左ききのあの子はトゥリーナのセヴィリアーナスを見事なテクニックで弾き切りました。また中学生のあの子はソルのラルゴ・ノン・タントをすばらしいテクニックと表現力で演奏し、既に観客をその音楽で魅了するまでに成長を遂げておりました。

今回の発表会でのハイライトはなんといっても先生のお作りになった「オーケストラをバックに世界の名曲を」という趣旨のCD付きの曲集に基づく生徒達全員による合奏です。これは以前先生にうかがったところ、子供がギターを始めて、なんとか単旋律でもメロディを弾けるようになって、おじいちゃんおばあちゃんの前で演奏するとき、簡単に伴奏が付けられたらどれだけ喜んでもらえるだろうかと思ったところからの発想だったそうです。その狙いは見事に的中し、舞台の上でも子供達が全員本当に楽しそうに演奏していました。これで村治先生の発表会を拝見させていただくのは一昨年についで2回目ですが、できることなら毎年、あの子供達の成長を見続けていきたいと思うのと、村治先生のお弟子さん達は本当に幸せだなあと感じました。

発表会は夜の7時過ぎにやっと終了し、そのあとは全員お楽しみのパーティーです。私もお招きにあずかって出席させてもらいましたが、ここでもみんなが待ちに待ったイベントが行われます。生徒さん達の1年間のいろいろな頑張りに対する先生からのプレゼントの贈呈式です。先生からたてと賞状、そしてプレゼントを手渡された子供達の嬉しそうな顔。あれがまた来年に向けての原動力になっていくのが本当に良くわかります。子供達の顔にもその決意が漲っていて、いつ行ってもこちらも一緒に嬉しくなるパーティーです。村治先生のこの発表会がいつまでも続いていくことを心からお祈りしております。
内生蔵 幹(うちうぞう みき)


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