「さて、今回の九州旅行はどこに行こうか?」
4年間の九州勤務時代に九州の温泉、名勝、離島、マイナースポットを心ゆくまで旅しましたので、いつも妻と目的地について迷いながら検討。今回の旅はまず宿が決まりました。天草松島温泉の「天空の船」。立ち寄りたい所ということで、妻からの提案は佐賀県の「環境芸術の森」。博多からは方向違いの天草と佐賀ですが、私が立てたプランはこんな感じです。
・1日目: 博多→環境芸術の森→華紋(昼食)→宿
・2日目: 宿→高舞登山展望台→永尾剱神社→(九州道PAで昼食)→お茶村本店→博多
(訪れるスポットをプロット。天草は2019年の夏休みに上天草・下天草ともに巡りましたので、今回は宿メイン。宇土半島も一周旅をしたことがありますので、まだ訪れたことがないスポットのみ。)
ホテルからいつも利用するレンタカー店は徒歩3分の距離。8時の開店と同時に一番乗りでピックアップして「環境芸術の森」へ向かいます。博多からは高速利用で約1時間。道中最後の有料道路は「厳木多久有料道路」、難読地名です。(笑) 「多久」は「たく」で読めますが、「厳木」が読めない、、、「きゅうらぎ」と読みます。
(「環境芸術の森」の入口。静かです。鳥のさえずりと風にそよぐ木の葉の音だけ。駐車場には私たちのレンタカー以外は2台だけ。紅葉シーズンは大混雑しますが、新緑の季節はチャンスかも。)
「環境芸術の森」は、唐津市厳木町作礼山南西斜面に位置する約10haの私有林。その名の意味は、サイトによると、「昔の森を取り戻す 昔の川を取り戻す 昔の海を取り戻す-この思いを胸に風のふる里厳木に作礼山中腹をキャンパスとして、石・土・木を植付け紅葉の森が生まれました。人が手を加えることで森の美しさを守りたいと願いを込め『環境芸術の森』と名付けられました。」とのこと。
そして、紅葉シーズンに「環境芸術の森」に人が押し寄せるのは、この美しい映像を撮るため。
(とある雑誌の特集。敷地内にある「風遊山荘」の室内の漆塗りのテーブルに映り込む紅葉の景色。)
私たちもこの情報は知っていて、これまでも訪れてみたいと思っていましたが、混雑ぶりがすごいことと、他の観光地などと絡めづらいポツンと山奥にあることから、来れずじまいでした。今回、妻が「新緑の季節なら空いているかも。」ということで提案してくれました。博多からここまでは1時間、ここから天草は3時間。旅として成立する距離感なので今回訪れることにしました。
環境芸術の森の見所は、この「風遊山荘」での映り込み鑑賞と、敷地内の散策(約30分のコース)。人が少ないうちに「風遊山荘」に入ってみようということで、まずはそちらへ。
(大きな樹に隠れていますが、その向こうが「風遊山荘」。)
手前の石階段を上って、2階が玄関となっています。
(ここを拓いた環境芸術家 鶴田正明さんが起ち上げた「林仙之塾」が大きく揮毫されています。)
玄関を入るとすぐに広間です。
(てっきり巨大な漆のテーブルがあるのかと思っていたら、食卓サイズのテーブルが2台。)
「あれっ?どうなっているんだろう。」と思っていたら、ここの係の方(かっぽう着姿の親切なおばさま)が「漆のテーブルに小さなクロスが敷いてありますので、その上にスマホを置いて撮ると、映り込みの写真が撮れます。」と教えてくれました。で、やってみたら、こんな写メが撮れました。
(これはすごい。)
「ここでこうするといい写真が撮れますよ。」とベスポジとスマホの角度まで教えていただき、だんだん慣れてきました。(笑)
(すごくいい感じ。自画自賛。(笑))
妻も上手に撮っています。
(妻撮影。私より上手い。(笑))
広間には私たちともう一組のご夫婦のみ。おばさまがこの籐の椅子に座って記念写真を撮ることを勧めてくれましたのでお願いしましたが、めちゃいい写真が撮れました。「紅葉の時はとてもできないけど、今日は空いているからね。」とのことで、いい季節、いい時間帯に来たようです。
この後も何枚も写真を撮りましたが、新緑の季節も感動的な美しさの映り込み写真を撮ることができます。「環境芸術の森」、訪れるなら新緑の季節の朝早い時間帯(9時から営業)がおススメです。
さて、テンション高めで散策へ。
(池の周りだけなら15分コース。敷地をぐるりと一周で30分コース。)
散策の起点はこの池のほとりから。
(右側の石畳を歩いて森に入って行きます。)
右側を向くと、先程写真を撮った「風遊山荘」の全景を見ることができます。
(2階の手前の角、ガラス越しに先程の籐の椅子が見えます。あんな素敵な写真が撮れるのが不思議な感じです。)
日差しこそ暑いですが、風は爽やかですし、日陰はひんやりと気持ちい散策ができます。
(素晴らしい散策路です。さすが林業・造園業のプロの仕事です。)
「少人数でお渡り下さい」と注書きが置かれている橋。
(2人なら全然大丈夫そうでした。)
見上げればモミジが美しい。
(妻撮影。)
そろそろ敷地の一番奥あたりに来ました。
(少し登って来る感じでしたが、このあたりがピークのようです。ここからは下りで楽でした。)
あと少しでスタート地点に戻って来る手前あたりでここの飼い猫がくつろいでいました。
(朝の掃除中のおばあさんが近くにいて安心しているのか、私たちが近寄っても逃げません。)
「環境芸術の森」、思い切って訪れて良かったです。また1つ、九州の人にもお勧めできるスポットを見付けました。1時間ちょっとの滞在の後、駐車場に戻ると、車が結構増えていました。
(10台くらい。そう言えば入口で何組もすれ違いましたので、広間で写真撮り放題とはいかないかも。)
さて、「環境芸術の森」を出発、有料道路・九州道を利用、松橋(まつばせ)ICで降りて宇土半島(南岸)を経由して天草へ。次の目的地は、宇土半島の先、大矢野島にある「華紋」という食事処です。「環境芸術の森」から約3時間のロングドライブですが、九州道は関東圏のような渋滞もなく快適で順調に到着しました。
(大きな道路に面していますが、樹々に囲まれている上に看板も出ていないので注意しないと通り過ぎそうです。)
ネットでリサーチして「華紋」を選んだのですが、選んだポイントは2点。
・天草名産の車海老の天丼がある。(2023年8月 沼津「伊豆家」など、旅先で好んで天丼の店を探します。(笑))
・以前訪れた下天草西岸の陶器の窯元、高浜焼の「寿芳窯」の作品を展示販売している。(思い出深い陶器を購入したい。)
偶然にも私たちの希望にドンピシャということで、「華紋」で決定となりました。出入口は2ヶ所あって、どちらからでも入れますが、こちらの食事処の入口から入ってみました。
(ちょっと怪しい感じ。(笑))
ランチタイムを過ぎているからか、特に有名店でもないからか、空いていました。古民家風の座敷席を見渡せる大きなテーブル席に案内され、ゆったり。
(多分古民家を活用していると思いますが、元は何だったのだろう。蔵ではなさそうだし。)
メニューはいろいろありますが、私は「車えびと特選えびのてんどん」を。
(天草大王の唐揚げも魅力的ですが、ここは初志貫徹で天丼を。)
10分ちょっとで天丼登場。蓋が思わせぶりに半分隠しています。
(天丼の鉄板の演出、❝閉まり切らない蓋❞。(笑))
蓋を取るとこんな感じです。
(車海老1本と❝特選❞海老2本、その他野菜。海老を前面に立ててアピールするのではなく、野菜が前面を占拠している素朴さが好印象です。(笑))
お味の方は、九州の甘い醤油のせいか、甘めの濃い味のタレが絡みつつもサクッと揚げたての天ぷらがうまい! 旅先の天丼は最高ですね。違うものを注文してシェアしようということで、妻は「海鮮どん定食(えびふらい2尾付)」を。
(海鮮丼の魚はもちろん天草産。タイ、ヒラメの他もう1種類だったような。それに車海老がのっています。海老フライも有頭の立派な海老です。)
海鮮丼の車海老は生きているとのこと。生きた車海老は大分県の姫島の民宿で食べましたが、その時は跳ねまくってたいへんだった思い出があります。
(いつ飛び跳ねるか気が気ではありませんでしたが、そこまで元気ではなかったみたい。(笑))
天丼と海鮮丼・海老フライを妻とシェアして、さっそく天草の味を堪能させてもらいました。後から入店してくるお客さんの注文を聞いていると、この海鮮丼定食と天草大王の唐揚げ膳が人気でしたね。
宿まではここから10分程度。時間調整も兼ねて、食後にゆっくりと店内の高浜焼(寿芳窯)の陶器を見てみます。
(食事処と、陶器など天草の産品を販売している店舗はつながっています。)
お皿の模様は「海松紋(みるもん)」という海藻を模したもの。2019年に寿芳窯を訪れた時は、この海松紋の器とくまモンのカップを購入しました。こうやって再び高浜焼を見ることができて良かったです。で、この展示台の右端にいました、くまモン。(笑)
(酒器にも湯呑みにもなりそうな、使い勝手の良いサイズ感。模様は、くまモン立ち、万歳、座り姿の3種類。)
白磁の美しさとくまモンのかわいさに、即購入決定。万歳と座り姿を1個ずつ、ペアで購入です(、、、この時は)。
「華紋」ですっかり天草モードになりました。それでは「天空の船」へ向かいます。
(迷うこともなく10分弱で到着、「天空の船」の駐車場にイン。今回の旅の相棒は、スズキの「ソリオ」です。CMでもやっている通り、車内は広いし天井も高い。目線高めですので運転しやすい。パワー不足はご愛敬。(笑))
・・・・・天草松島温泉「天空の船」1泊旅行③〔「天空の船」編〕へ続く。