大分単身赴任日誌

前期高齢者の考えたことを、単身赴任状況だからこそ言えるものとして言ってみます。

地震に伴う地殻変動と筆界(3)

2011-06-24 07:51:27 | インポート

先日書き始めた「地震に伴う地殻変動と筆界」にお二人の方からコメントをいただきました。ありがとうございます。この問題が、今、調査士の取り組まなければならない重要な課題としてある、ということをあらためて感じています。

その上で、まず、ふたつのお詫びと言うかお断り。

一つは、私自身が「ブログ」というものをよくわかってなくて、「コメント」というものも何かよくわからぬまま、行きあたりばったりでやっているので、十分な対応もできず申し訳ない、ということです。この状態は、若い人たちに教えてもらいながら改善していきたいとは思いますが、現状としてはそのようなものなのでご理解ください。

もう一つは、この場で論じること(「地震に伴う地殻変動と筆界」を含めて)には、理論的な展開としての首尾一貫性はなく、その時その時の論点、ということなり、せいぜいやがてそれをまとめていけるようになれば、というものですので、これもご理解ください。重すぎる課題を「連載」的なかたちで取り上げてしまったのは失敗だったかな・・・、という思いも含めて・・・。

その上で続き。

「登記研究」誌759号では、「後輩」がこう言っていました。

「震災前は基本三角点にもとづいて測量する必要がありましたが、現在は、基本三角点の座標値が公開停止になっており、不明であることから、各筆界点の相対的な位置関係が重要だと思います。」

ここでは「震災前は」ということと、「現在は」ということが言われています。こういう言い方は、「あなたは犬が好きだが、私は猫が好きだ」「昨日は暑かったが、今日は涼しい」というように、ふつうは、前に言うことと後に言うことが相反する場合に使う言い方だと思います。

しかし、ここで言われているのは、そうなのでしょうか?「「震災前は基本三角点にもとづいて測量する必要がありましたが、現在は、基本三角点の座標値が公開停止になっており、不明であることから、基本三角点にもとづく測量はできない」と言うのであれば。そういう形になるのだとは思いますが・・、後段で言われているのは、「各筆界点の相対的な位置関係が重要」だ、ということです。

ここに問題の混乱があらわれているように思います。言わば、技術論的な問題と、法律論的な問題が、区別されることなく、ゴッチャに論じられてしまっているように思えるのです。

その上で、私としては、法律論的な意味での「筆界論」としては、昔も今も「各筆界点の相対的な位置関係が重要」なのだと思っています。それは、沿革(「当該一筆の土地が登記された時」からそうだった)から言っても、「筆界」の目的と機能(所有権の対象である一筆の土地の外延的な限界を示す機能)から言っても、言えることです。このことを、明確にしておくことが大事だと思います。

それに対して、「基本三角点に基づいて測量する」ということは、その「筆界」を記録する(記録に基づいて復元する、ということを含めて)ための方法論の問題なのではないか、と私は思っています。

それなのに、この方法論にすぎない問題に過重な意味が付与されてしまい、目的論や機能論さえをも押しやってしまうような議論の混乱があるのではないか、と思えるのです。

しばらくの間、飛び飛びにこの問題に触れて行きたいと思います。


頼りになる職業人

2011-06-23 21:21:43 | インポート
暑かったですね!久しぶりに現場にでて、測り始めた瞬間からサウナにいるような汗がタラタラ流れ落ちました。東京で溜め込んだアルコールもみんな流れ出てくれればいいのですが。

デスクトップのパソコンからインターネットに繋がらない状態がしばらく続いていたのですが、いつも(と言っても10年で3回くらい?)お願いしているコンピュータ屋さん(?)に先週電話して「水曜まではいないのだけど」と言っておいたら、今日の夕方に来てくれました。さらに、2分くらいで全面解決。私が、いかに何も知らずにやってるのか、ということをあらためて思い知らされるとともに、やはりズブの素人にとっては「専門家」というのは、ありがたいものだと思いました。調査士の仕事においても、そのような「頼りになる職業人」としてあるように努めなければなりませんね。

今日の「市民講座」は「青少年問題」。面白かったエピソード。大分大学では、この数年、入学式をオアシス・グランシアターで行っているそうですが、それは大学の体育館では学生の席は足りるものの、保護者席が足りないから、とのことです。ある大学では、新入生の3.5倍の「保護者」が出席して入学式が行われているんですって。今の「大学生」というのは、そういう子たちなのだ、ということを認識しなくてはいけない、と思わされました。


日調連総会2日目(選挙速報)

2011-06-22 11:38:05 | 調査士会
昨日の総会議事終了後、「懇談会」が行われました。例年ですと多くの来賓の方々が来られる盛大な懇親会が開催されるのですが、今年は東日本大震災を受けて、総会出席者の交流・懇談を主眼においたささやかな(と言っても結構にぎやかな)会として行われました。私も、全国の多くの方々(7月に九州ブロックの総会があるので、今回は特に九州以外の方々を中心に)とお話ができました。

9時15分、休会が解かれ議事再開。

第3号議案 7月31日を「土地家屋調査士の日」とすることが決議されました。

第4,5号議案 事業計画、予算案審議。実に膨大な事業量で詳しくはかけないので、別の機会・方法での報告するようにしたいと思います。
その中で、本筋の話ではありませんが、オンライン申請率についての情報が質疑応答の中であったので、紹介します。平成22年度の表示に関する登記申請のオンライン率は25.93%、権利に関するものは21.20%ということです。特に建物表題登記については、46.25%、福井では80.32%ということでした。参考まで。

さて、選挙速報です。票数を聞き終えた瞬間にアップすることにします。

会長選挙

瀬口潤二さん(山口会) 77票
竹内八十二さん(東京会) 105票

副会長選挙

岡田潤一郎さん(愛媛会) 121票
林千年さん(岐阜会) 127票
関根一三さん(埼玉会) 91票
小林昭雄さん(青森会) 68票
中村邦夫さん(福岡会) 37票
志野忠司さん(奈良会) 99 票

当選された方は連合会で、落選された方は地域や専門分野、その他の場所で引き続きご活躍いただきたいと思います。


日調連総会始まりました

2011-06-21 17:08:16 | 調査士会
日調連の総会が始まりました。

冒頭、セレモニーには江田五月法務大臣らがおいでいただき、法務大臣表彰行がわれました。
セレモニー終了後の総会は、東日本大震災に関する報告から始まりました。東北ブロック協議会、宮城会、福島会、岩手会からの報告により、あらためて震災の被害の大きさを再確認するとともに、そこから立ち上がろうとする力強い取り組みに勇気を与えられました。「調査士としてできること」をもう一度考え直す機会として、非常に有意義だったと思います。総会の出席者が、各会に持ち帰り、全会員に共有化しなくてはならないことだと思いました。

議長には、埼玉会の宮田会長、岡山会の高山会長が選出され、議事に入ります。総会は、184人の構成員全員の出席で行われます。この「構成員」というのは、日調連の役員、各会会長、各会からの代議員です。代議員は、300人までの会は1人、300人を超える会は150人までごとに1人を加える、ということになっています。つまり、各会からの出席者は、概ね150人の会員の代表、ということになります。責任重大ですね。二日酔いで寝ちゃう、なんてことは許されません。

議事の初めは、事業報告です。東日本大震災への対応、制度対策、なかんづく「国の出先機関の地方移管」への対応など、実に多くの事業がなされていることをあらためて確認しました。
第1号議案 収支決算承認。日調連の予算規模は5億円ほどで、単年度では、3千万円(積立金があるので実質1800万)ほどの支出超過とのことです。事業の量とそれに要する費用、ということを中長期的な視点に立って考える必要があるでしょう。
第2号議案は、役員改選です。今日、投票まで行い、明日開票がなされます。
所信表明が、会長候補は5分、副会長候補は3分で行われました。短い時間の中で的確に「やるべきこと、自分ならできること」を伝える能力というのは、役員、特にトップリーダーにとって絶対に必要な能力であると言えるでしょう。皆さんの演説は、それぞれの個性が出た面白いものでした。・・・・・私も、最終的に誰に投票するかを決めました。
結果は明日、報告します。


明日は日調連総会

2011-06-20 15:15:47 | 調査士会

明日明後日、日調連の総会があります。

総会への出席のため(他の用もあって)東京に来ました。これから、大分会からのもう一人の代議員である井上さん(副会長)と、総会へ向けた詰めた打ち合わせをすることにしています。会場は、東十条のもつ焼き屋を予定。・・・要するに、飲みに行くだけですが・・・。

今年は、日調連の役員改選です。3期6年会長を務めた松岡会長が勇退し、新しい会長が選挙で選ばれます(立候補者は、竹内玄副会長、瀬口玄専務理事)。副会長についても、定数4人のところ6人が立候補しており、これらの選挙での投票を明日行うことになります(会長選はもちろん1人、副会長選は3人に投票します)。

誰に投票するか?・・・・・正直、まだ悩んでいるところがあります。立候補している方々のことはみなよく知っています。調査士制度のことを真剣に考え、自分の損得抜きに献身的に働こうとしている方ばかりで、最初から「問題外」としてはじくべき人はいません。誰が選ばれてもいいのではないか、とも思えます。逆に言うと、「絶対この人じゃなければ!」というものがあるわけでもありません。戦略的な方向性、具体的な政策をめぐる論戦としては、いささか低調な感があり、誰のどこがどう違うのか?ということが、必ずしも明らかになっているとは思えないからです。もう少し、「調査士はこういう方向へ進むべき」ということに関する論議がなされてもいいのではないか、と思えます。「選挙」というのは、民主主義の最も大切なイベントであるわけですから、調査士の「民主主義の質」を問うようなものとして、選挙に対して行きたいと思います。

・・・ということで、最終的には、明日の会場での演説を聞いて投票行動を決めることにしよう、と思っています。・・・もしも、どうしても、というご意見のある方は、明日の午前中までにお知らせください。また、結果については、「日本で一番早い選挙速報」をこの場で行うことにしようと思っています。