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大分単身赴任日誌

前期高齢者の考えたことを、単身赴任状況だからこそ言えるものとして言ってみます。

読んだ本-『その女アレックス』 (ピエール・ルメートル著、文春文庫)

2015-01-21 17:15:55 | 日記
 昨年発表の「週刊文春ミステリーベスト10」「ミステリが読みたい!」「このミステリーがすごい!」それぞれの海外部門、「IN☆POCKET」の「文庫翻訳ミステリー・ベスト10」で第1位・・・等々、評判のフランス産ミステリーです。現時点で「9刷34万部」のベストセラーだそうです。

ベストセラーはあまり読まないひねくれ者の私ですが、あまりにも面白そうな評判に負けて、3日間の出張からの帰路に疲れた頭で読むのにはちょうどいいのかな、とも思って読んでみました。

その結果は・・・・、たしかに面白かったです。 

パリの街角で一人の女性が何者かにさらわれた。しかし被害者の身元すら分からない。監禁されたその女は懸命に脱出を試みるが絶望的な状況・・・。この時点で私には刺激的すぎてもうダメです。たしかに、人の心の奥深くにある重いものを表現するのにあたって犯罪にまで至る「事実」によってそれを表現をする、というのがミステリー、サスペンス小説のありかたなわけですから、それが悪いわけではありません。それにしてもその凄惨さはな・・・、というのが軟弱な私の正直な感想です。

「犯罪」を取り扱う小説ですから「悪い事」を描くのは当たり前ですし、日本でも同じようなことが描かれるものがあったりもします。でも、その上でなお言えば、連続テロ事件に現れるようなフランスの社会を覆う「社会の分裂」の深刻さが背景にあるのか、というようなことを思ってしまったりもします。今回の連続テロ事件を受けて、あらためてフランスのことってよく知らないな、と思わされながら読んだので、余計にそう感じるのでしょうが・・・。それにしても「犯罪小説」がもう少し穏やかになること、そうであっても読者が満足するような社会になること、を切に望むものです。

そう思いつつ、たしかに面白かったんですよ。本書は、捜査側の主人公ヴェールヴェン警部シリーズの第二作で、第一作は日本では今年秋に刊行される予定だそうです。ヴェールヴェン警部を含んだ捜査側のキャラクター造形がとても好感の持てるものなので、順番がひっくり返っちゃいますが第一作がでたら読んでみたいと思っています。

1 コメント

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Unknown (神崎和幸)
2015-01-21 21:22:14
こんばんは。

自分も「その女アレックス」読みましたよ。
面白いですよね。
スピーディな展開と意外な結末に驚きました。
刑事たちのキャラが立っているから、それもまた良かったと思いましたよ!

でも本当に凄惨でしたよね。

自分も第一作を読んでみたいと思っています。
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