今週の予定・・・3.7-8全国会長会議
全国会長会議の資料が送られて来ました。膨大な資料で、読む方も大変なのですが、作る方はもっと大変なのだろう、と思い、本当にご苦労様です。感謝します。
と言っても、もちろん、内容に関する吟味は、きっちりとしなければなりません。
今日は、その膨大な資料の中の最も重要なエキスの部分であると思われる「平成25年度事業方針大綱案」について考えてみます。これは、A4一枚にギュッとまとめられたものです。
まず内容を紹介します。
「重点課題」として「3項目」が挙げられています。
「1.事務所経営基盤の確立」「2.帰属意識の高揚」「3.研究所体制の充実」
の3つ、です。この項目だけを見たのでは、どこのどんな団体の「事業方針」なのだかわかりません。よく言えば汎用性がある、ということかもしれませんが、要するに独自性・内容がありません。
実は、これを24年度のものと比べてみると、24年度は「1.事務所経営基盤の確立」「2.帰属意識の高揚」「3.境界紛争解決への取り組み」「4.研究所体制の充実」・・・の4項目だったのに対して、「3.境界紛争解決への取り組み」がなくなっています。
たしかに、この一年間を振り返ってみると「境界紛争解決への取組み」としてなされたことには、見るべきものがありませんでした。その意味で看板だけ掲げている状態を続けるのは好ましくない、とは言えるので、「正直な態度」ということでいいのかもしれません。しかし、資格者団体の「事業方針」の基本のところに業務内容に関わるものが何もなくなってしまって、項目だけを見たのではどんな団体の方針なのかさっぱりわからなくなってしまっている、というのは淋しいことです。
私は、24年度の「方針大綱」を見た時に、「これでは業者団体・業界利益団体の方針で、資格者団体の方針ではない」と思いましたが、一年を経てその基本思想が、より鮮明な姿をとって表れた、と言えるのだと思います。そのようなものとして私が24年度方針に対してもった疑問・違和感は今年より大きなものになった、ということが言えます。
調査士を含む「資格業」の団体は、「資格者」の団体としての性格と、「業者」の団体としての性格の二面性を持つことになります。考え方が「内向き」になると「業者」としての性格が前面に出てくるようです。しかし、そもそも私たちの土地家屋調査士としての存在は、一定の種類の業務について、「国民の利益」の観点から他の国民にはすることを許さず独占的に行うことができる資格を与えられている、というところにあるわけですから、常に「資格者」としての面を第一に考えるべきです。
「資格者」としての考え方の基本は、いささか手垢のついて胡散臭くなってしまった言葉で言えば「国民の生活が第一」ということでなければなりません。ところが、この「事業方針大綱」の基本思想」は、「調査士の生活が第一」というものだと私は思っています。たしかに、長年続く不況、経済構造・不動産市場の構造的変化の中で、あれやこれやの「きれいごと」ではなく生活していけなければ始まらないじゃないか、という気分があるのは、わかります。しかし、その気分にそのまま乗っかってしまう、というのは、大きな誤りなのだと思います。そんなことで問題が解決できるのなら初めから問題は生じないのです。
その姿は、いわば「金が欲しい」と思った時に、「俺たちは金が欲しいぞ」と言うことによって問題が解決するかのように思うもののように思えます。しかし、そう言うことによって、仲間内でのフラストレーションは解決される(「帰属意識の高揚」)かもしれませんが、現実は何ら解決しません。なぜなら、今の社会においては(基本的な構造としては)、社会的に有用性が認められるものに対して、その対価としての報酬(金)が与えられる、というなのだからです。「金が欲しい」時に「金をくれ」と言って許されるのは子供くらいのもので、あとは強盗か暴力団がそういうことをしているくらい、と見るべきです。 上記3項目を「事業方針大綱」にしようとする、というのは、いかにも発想が「内向き」であることを宣言するようなもので、なおかつ「業者団体」の方針としてもいささかセンスが悪い、というべきなのではないか、と思えるのです。
・・・・本当は、もう少し内容的なところに入って行きたいと思っていたのですが、十分に長くなっちゃいました。会長会議までに続きが書けるかな?・・・