大分単身赴任日誌

前期高齢者の考えたことを、単身赴任状況だからこそ言えるものとして言ってみます。

「東日本大震災報告会~被災地からの発信」

2012-12-15 16:57:13 | 調査士会
「東日本大震災報告会ー被災地からの発信」が午後1時から仙台国際センターで開催されました。以下、いつものように雑駁なメモをもって、ですみませんが、報告とします。

主催者挨拶 被災三県会会長挨拶
宮城 専門家として見て、感じて、考えていただきたい。
福島 原発事故による避難中の調査士の避難先での受入・・御礼とお願い。被災継続中
岩手 会開催に至る経過と意義

第1部 被災体験を聞く


岩手会会長宮古支部金会員 大船渡 事務所被災
「復興」という言葉が先行するが希望の持てる状況ではない。被災による心の傷の後遺症に悩む現状。
「津波てんでんこ」 津波到達ー逃げるのに精一杯の時間。まずは自分の命。
「瓦礫」=被災者にとっては「財産」だったもの。それを理解して、思いを共有することが大事。

宮城会 高野広報部長 自宅被災 。 情報の重要性。
避難生活ー暖房(停電)、水。
災害危険指定区域=建築をできない区域

福島会の相双支部坂本会員 福島第一原発から7km、富岡町。 6ヶ所を経ていわき市に避難中。
一時帰宅。「もう二度と帰りたくない」という人もいる状況。生活基盤の喪失。牛、駝鳥、ネズミ。進まない賠償。
避難指示解除準備区域、居住制限区域、帰還困難区域。坂本会員を含む3人=帰還困難区域。
放射線被害。農水産物風評被害、自主避難。災害関連死。・・・問題山積、「復興」への道筋見えない。
自分の地域と照らして考えてほしい。

3人の報告者は、それぞれ大変な経験をされた事実を要領よくまとめて、時にはユーモアをも交えながら、わかりやすく伝えてくださいましたが、その中でも話す中で記憶がよみがえるのか、言葉を詰まらせることもあり、あらためて被災の深刻さを感じさせられました。
報告の途中に福島県沖を震源とする地震(震度4程度?)があり、今なお地震が続く東北地方の大変さを体感しました。

続いて宮城、岩手、福島会から、会としての被災体験の報告。



第2部 土地家屋調査士と震災業務


宮城会 高橋理事
土地 地殻変動 移動 平行移動、ねじれ ・・・・500ヶ所調査(3点)
地図修正作業 2.8?
建物 職権滅失登記の調査 「滅失」判断 ・・「骨組だけの建物」。 地盤沈下-土地滅失


福島会 橋本副会長
原発事故による放射線被害状況
原発事故の被害賠償ー「登記された建物」のみを対象とする、との方針=未登記建物は対象外→未登記建物の表題登記等の需要 固定資産税台帳での確認での賠償を要請ー返答なし
調査士が建物調査の場合 警戒区域への公益目的の一時立ち入り可。 会員調査ー21%が「可」
警戒区域内の分筆登記ー「点検できないので25条11号を類推適用し却下」との首席登記官通知がなされている、とのこと。




第3部 まとめ(震災と土地家屋調査士) 山野目章夫早稲田大学大学院法務研究科教授



被災地の建物を考えるー 非区分建物 土地への定着性の問題。「建物の滅失」とは何なのか?という根本問題ー「建物性の喪失」と感じられても「滅失」としえない現実の理論化の必要
区分建物 東日本大震災でマンションが大きな問題とならなかったことー阪神との相違。被害の大きさ、「復興」への活力・方向の問題。「被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法」見直し検討ー「取り壊し決議制度」創設検討

被災地の土地を考えるー「土地の滅失」についての問題ー水没
「土地の境界」ー平成7.3.29民事局長回答(「地震による地殻の変動に伴い広範囲にわたって地表面が水平移動した場合には、土地の筆界も相対的に移動したものとして取り扱う」)を受けつつ不整形な変動があることを踏まえて進化すべき課題。

被災地の子らを思うー未成年後見人の問題。「嫡出でない子」の権利保護~親子関係法の体系そのものの見直しの必要性。


災害によって突きつけられた「制度」「法律」の問題を共に考えることが必要、とあらためて感じさせられました。

5時閉会。