宮城の農業普及現地活動情報

県内9つの農業改良普及センターから,地域の特色ある取組や,宮城を元気にする農業普及情報をお届けします!

集落の知恵と資源を活用した柿渋づくりが始動!

2010年09月30日 16時33分07秒 | 農村地域の振興に向けた取組支援
角田市石川口下集落では,兼業化や高齢化によって遊休地が増加する現状を打開しようと,有志6名で発足した「花集会」が中心となって,集落内の遊休畑90㌃にイチジクを栽培し,生食での販売や新たな加工品試作に取り組んできました。昨年8月には,花集会と集落農家組合の共催で「集落の夢を語る会」を開催し,これからの集落のあり方について老いも若きも皆で取り組もうと花集会が呼びかけました。この時「眠っている地域資源を活用すべき」とアドバイスして下さったのが民族研究家の結城登美雄氏でした。
 この集落は,古くからころ柿(干し柿)の原料となる「蜂谷柿」がどの家でも栽培されていましたが,担い手の高齢化に伴って今では柿を収穫する手間がなく,多くの柿は収穫されないまま木の上で熟してしまい,未利用資源となっています。結城氏からは「この収穫されない蜂谷柿を,渋が強い未熟期に収穫して柿渋を作ってみたらどうか」との助言があり,「なるほど,未利用資源活用はいいアイディアだ」と柿渋の需要や作り方を普及センターに尋ねながら柿渋試作(8月)へとこぎつけました。
 柿渋の新たなニーズを探り当てた花集会のメンバーは,「確実なニーズの獲得に向けて柿渋試作を成功させ,イチジクに次ぐ集落の収益部門を確立したい。」と,試作品が完成する来年に思いを馳せています。10月には集落ぐるみのお祭りがあり,花集会のメンバーは,新たな取り組みに1人でも多くの担い手が参加してくれるよう呼びかけることにしています。
 集落の高齢者(多様な担い手)が知恵を絞って将来の集落像を描いています。普及センターでは,この多様な担い手による取り組みが,次の担い手に譲り葉のように受け継がれ,石川口下集落が元気になるよう支援を続けていきます。

〈連絡先〉大河原農業改良普及センター 技術次長(班長)大泉 眞由美   
       TEL:0224-53-3496 FAX:0224-53-3138
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