県南の丸森町は、干柿の産地として知られています。しかし近年は、高齢化や担い手不足により、栽培面積や出荷量は減少傾向にあります。
かきは高木性で樹高は3mを超えることから、高齢者にとっては栽培管理の負担が大きく、危険を伴う作業が多いのが現状です。また、従来の樹形では未収益期間が長く成園化まで10年以上の年月がかかり、新規栽培者の参入や既存生産者の規模拡大の妨げとなっています。
そこで、丸森町農業創造センターが主体となり、町内のかき生産者に福岡県農林総合試験場で早期成園化及び管理作業の省力化を目的として開発された「カキのジョイントV字トレリス栽培」の実証について取組者を募集したところ「まるもりころ柿クラブ(3名)」が実証に取り組むことになりました。
4月18日に宮城県農業・園芸総合研究所果樹チームの指導によりかきの接ぎ木を行いました。全員、ジョイント栽培の接ぎ木は初めてのため、手順や接ぎ木のポイントなどの説明を受けた後に接ぎ木を行いましたが、実際に行うと見た目よりかなり難しいといった声が聞かれました。
「まるもりころ柿クラブ」では、今回の実証を契機に町内の取組者が増えることを期待しており、例年、年度末に開催している加工用カキ研修会で生育経過等の報告をしたいと意気込んでいます。
普及センターでは、県内でも初めての取組であるため、今後も引き続き栽培支援に取り組んでいきたいと思います。
〈連絡先〉大河原農業改良普及センター 先進技術第二班
TEL:0224-53-3431 FAX:0224-53-3138