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韜晦小僧のブログ 無線報国

真空管式ラジオ、軍用無線機やアマチュア無線機の修復の記録
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1式空3号隊内無線電話機改2の修復作業記録 その2 (2018年11月04日) 組立作業

2018年11月04日 15時33分10秒 | 02海軍無線機器

1式空3号隊内無線電話機改2の修復作業記録 その2 (2018年11月04日) 組立作業

再塗装が完了したので、組立作業を開始する。
この後、欠落部品のためにアダプターをアルミ板で製作し、水晶ホルダーとバリコンを固定する。
そのほか、新規にボリュールとIFTを装着して作業は完了である。なお、部品のプレートの欠損部分をパソコンで修復する。真空管は、FM-2A05AとFZ-064Aを各1本づつしかなく、このままの復元は困難である。
周波数較正表が側面に装着されているが、よく見ると使用真空菅としFZ-2A05A、FB325Aなどの誤記があるが無線機整備の練度・能力もかなり低下しているようだ。なお、較正器の残骸を示す。

 

1式空3号隊内無線電話機
http://minouta17.web.fc2.com/navy_1-ku-3.html

広島戦時通信技術資料館及は下記のアドレスです。
http://minouta17.web.fc2.com/


1式空3号隊内無線電話機改2の修復作業記録 その1 (2018年10月27日) 再塗装作業

2018年10月28日 11時40分43秒 | 02海軍無線機器

1式空3号隊内無線電話機改2の修復作業記録 その1 (2018年10月27日) 再塗装作業

本機についても、再塗装と欠落部品である受信部の同調ダイヤルと水晶ホルダーを装着し、見かけ上の整備を行うこととする。
内部については、送信部はほぼオリジナルであるかぜ、受信部はすべての部品が欠如しており、あるのはソケットのみという実態である。
残念ながら完全なる復元は困難であることから、受信部は改以前のオリジナルの1式空3号隊内無線電話機の金属管の構成で再構築を目指すこととする。
なお、銘板のとおり松下電器無線製作所製の昭和20年2月製造とあり、この敗戦間際ではさすがに物資不足が影響したのかアルミの精錬度も悪化し、アルミが酸化しアルミの白い粉が噴き出す事態となっている。
また、一部の部品名のプレート板も、アルミ製から精巧な紙製に変更されていた。
このため、再塗装のため塗装の粘着性の保護シートを各部品に張ったが、剥がすと紙製のものは当然表面がはがれてしまう結果となった。
ネームプレートが紙製であるがアルミ製のような精巧さが逆に災いとなった。
再塗装作業は、部品が外れなかったりしたので不細工な結果となってしまった。
ケースの上蓋に、操作説明書が極細文字で印刷されているが、虫眼鏡を以ても機上員には読めそうもないが、ここで少し解読できるところを紹介してみよう。

一式空三號隊内無線電話機改二使用法
一 空中線
空中線ハ送受兼用単条空中線ヲ用フ
使用周波数ト空中線長
----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
送信周波数(kc) 三〇、〇〇〇 三五、〇〇〇 四〇、〇〇〇 四五、〇〇〇 五〇、〇〇〇 
----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
空中線長(米)   五、〇    四、五    四、〇    三、〇    三、〇
----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

二 送信機
注意 特に(二)(三)項ニ注意セザレバ所要周波数ノ5/4倍トナルコトアリ
(一)送信用周波数発信子(1/8ト記銘)ヲ挿入ス
  (本機ハ水晶発振以外ハ不能ナリ)
(二)周波数曲線ニ依リ発振同調目盛板ヲむ調定ス
(三)電源接断器ヲ「接」トナシ約三〇秒後調整接断器ヲ「調整」トシ
 「発振同調」目盛板ヲ緩カニ回転シ「発振標示」用ネオン菅ノ点火スル
  点ヲ求ム
  ネオン菅ハ二箇所ニテ点スルコトアルヲ以テ曲線ニ依ル目盛附近ノモノヲ用フルヲ要ス
(四)「平衡蓄電器」ノ各目盛ニ対シ「空中線同調」目盛板ヲ回転シ空中線電流ノ最大点ヲ求ム
  但シ三〇、〇〇〇kc付近ニ於テハ「平衡蓄電器」ハ短絡
  (目盛一〇度(赤字を附ス))ノ位置ニテ使用ス
(五)「発振同調」「空中線同調」目盛板ヲ反復調整後固定シ調整接断器ヲ「送受」トス
  ((四)又ハ(五)項ニ於テ空中線回路ノ同調ニ依リ「発振標示」ネオン菅消ユルコトアルモ空中線電流計振レバ差支ナシ)
(六)電鍵操作及送話口接続器ノ押○ニ依リ電波ノ輻射及変調情況ヲ検ス又受聴器ニ依リ側音情況ヲ検ス
  備考一、送話口使用ノ場合ハ二個ノ送話口素子ヲ咽頭ノ両側ニ軽
  ク密着セシメ送話ハ一語一語ヲ区切り専ニ明瞭ニ話ス様
  留意スベシム音声ハ普通ノ会話ヨリ○高キ程度ガ適当ナリ
  ニ、送信セル場合普通ハ空中線電流計指度少シク増加スルモ
  周波数五〇、〇〇〇kc附近ニ於テハ僅減少スルコトモアリ
  但シ甚シク現象スル時ニ概ネ真空管ノ不良ニ因ル

三 受信機
(一)受信用水晶発振子(D/8受ト記銘)ヲ挿入ス
  (本機ハ水晶受信以外ハ不能ナリ)
(二)周波数曲線ニ依リ「受信同調」目盛板ヲ調定ス
(三)電源接断器(送受信機及較正装置)ヲ「接」トス
(四)較正装置ニ該周波数ノ送信用水晶発振子ヲ挿入シ発振セシ
  ム較正装置空中線ノ先端金具ニテ送受信用空中線ノ「キャプタイヤー」板覆部ヲ挟ムモノトス
(五)「微調蓄電器」ノ各目盛二対シ「受信同調」目盛板ヲ緩カニ回転シ
  受信音ノ最大点ヲ求ム
(六)「音量調整器」ニテ音量ヲ減少シ各蓄電器ヲ正確ニ同調点ニ反
  復調製後固定ス
(七)較正終了セバ全用接断器ヲ「断」トス

四 管制器
(一)送受信機調整終了セバ電源接断器ヲ「断(菅)」トシ管制器制御状態トス
  備考 送受信機ノ団厳接断器ヲ「接」トナシタルママ主管制器ニテ操作ヲ行ヘバ送受可能ナルモ主又副管制器ノ
  音量調整器ハ作動セズ
(二)主(後席)管制器ノ電源接断器ヲ「接」トシ約三〇秒後電鍵及送話口ニ依リ各作動ヲ検ス
(三)副(前席)管制器ニ就キ前項ニ準ジテ検ス
  但シ主管制器ノ音量切換機ハ副(前席)ニ○スモノトス


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1式空3号隊内無線電話機の修復作業記録 その1 (2018年09月23日)

2018年09月23日 21時52分13秒 | 02海軍無線機器

1式空3号隊内無線電話機の修復作業記録 その1 (2018年09月23日)

入手と修復準備について
昭和59年(1984年)のころのことであるが、広島市から少し西方に地御前というところがあるが、出張でたまたま同僚とそこを歩いていると家人が大量の電機製品を捨てているのに出くわした。
なんとなく近寄ってよく見ると、大量のST管と金属管や無線機の残骸、メータ類であった。
真空管無線機やラジオを卒業して10年以上たっているし、普通ならそのまま見過ごしてしまうところなのだが、よくよく見ると金属管も無線機の残骸も旧軍関係の無線機に違いないと確信した。
といっても、旧軍関係の無線機など今まで見たこともない。
後で判明したのであるが、その一つが、本機の1式空3号隊内無線電話機であったが本体のみでケースは残念ながら附属していなかった。
既に30年以上経過したが、この間ネットで関連部品の入手に努めたが、復元作業にはほど遠い状況である。
そうこうしている間、特注の海軍色の濃緑色のラッカースプレイーの保存期間がリミットのようなのでなんらかの修復を始めざるをえない羽目となった。

修復作業について
ケースがなくて修復作業が進まなかったことが原因であったのだか、今回1式空3号隊内無線電話機改1のケースを流用するこことした。
ただし、改1は真空管を大型化したためサイズが大幅に拡張されており、そのままでは本体を収容することができない。
このため、ケースと本体間にL型のアルミ板を切り出し、アダプターとすることでなんとか本体を収容できると判断した次第である。

 

今回は、完全修復ではなく、再塗装のみとし、不足部品である電流計、銘板、水晶片、真空管(一部米軍のものを使用)やランプ類を整備するこことした。
再塗装のためには、取り外せる部品は極力外すことが肝要であるが、どうしても部品プレート(アルミのリベット止め)などの部品ははずせない。
螺子も経年の錆で外せないものもある。
剥離剤も70年も経過した無線機の塗装は簡単に剥離できそうもない。
本機のような修復には、いろいろ妥協も必要のようだ。

本機は完全修復作業を果たすことが出来ず、再塗装のみとなったことは、誠に残念であり、死に装束させている気持ちにならざるを得ない。

1式空3号號隊内無線電話機機修復下記のアドレスです。

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海軍TM式軽便無線電信機の修復作業記録 その5 (2018年03月11日)  木製ケースの作成

2018年03月11日 20時15分40秒 | 02海軍無線機器

海軍TM式軽便無線電信機の修復作業記録 その5 (2018年03月11日)  木製ケースの作成

ホームセンターで木材を調達します。
材質はファルタカ材としましたが、加工がしやすく軽いことが特徴ですが、少し強度面では弱く難点です。
木材を切り出し、組み立てて、着色し、最後に水性ニスを塗って完成です。
既存の金具を流用したので、正規のものは本体と前蓋はつながりますが、本機では切り離しの前蓋となりました。
残る作業は、受信機の性能アップと銘板偽造の2点となりました。


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海軍TM式軽便無線電信機の修復作業記録 その4 (2018年02月25日)  修復開始

2018年02月25日 21時47分39秒 | 02海軍無線機器

海軍TM式軽便無線電信機の修復作業記録 その4 (2018年02月25日)  修復開始

修復案2を採用し、機能を限定して受信機能のみとして、現行部品を最大限活用する方法としました。
このため、当面は使用真空管はUY-27Aとします。
配線は既存の部品を再利用するとともに、不足分や不良部品のみ新たな部品を使用します。
配線は簡単に済ませ、SSG注入による受信試験をしましたが、全く反応がありません。
よくよくチェックすると検波段のグリッドのソケットアダプターが接触不良であることが判明しました。
再度試験すると微弱ですが、受信反応があります。
ただし、システム構成が0-V-1なので、どう頑張っても感度を期待することはできません。
ここで方向転換し、古典ラジオの木製ケースの修復作業の勢いで、本機の木製のトランスケースを新たに作成するこことしました。
ホームセンターで、木材を調達し切り出しを開始しました。
ケースの色は海軍のダークグリーンとなりますが、またまたニスをたっぷり塗る羽目になりそうです。
また、ケースを作成するとなると飾りとして電鍵が必要となりますので、事前にオークションで落札しておりました。
落札した電鍵は外国製(カナダ製)ですが移動用のものでしかも1962年製です。
使用方法は膝にベルトを巻いてモールス信号を打つタイプなのですが、1962年当時このような需要があったのでしょうか。


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