韜晦小僧のブログ 無線報国

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トリオ CO-1303D オシロスコープの欠陥を45年ぶりに発見

2023年11月30日 10時14分11秒 | 09真空管式オシロスコープ

トリオ CO-1303D オシロスコープの欠陥を45年ぶりに発見

2018年9月に、オシロスコープ用の「SGX-03Aオシロ時計」のヤフーオークションにて購入して自宅のオシロに装着して時々古いオシロの保守点検で使用しています。
大変ユニークな商品で気に入っていますが、ただ精度が悪く実用品としては使用できません。
「SGX-03Aオシロ時計」オークション情報

 

オシロ保守点検
松下製 真空管式オシロCT-50E

トリオ製 真空管式オシロCO-50

岩崎通信製 トランジスター時オシロ SS-5040

目黒電波測器製 トランジスター製スイープジェネレータの表示部MCS-982A

トリオ製 トランジスター式オシロ CO-1303D

トリオのCO-1303Dを使用すると、時計表示の画面を見ると、左右が反転して表示されています。
今まで測定器として利用していた正弦波や方形波では左右対称図形のため問題は発生して居たかったのですが、このようなデジタル情報を入力源とすると、たちまち問題点が表面化しました。
本機トリオのCO-1303Dは昭和50年代の製品で約45年以上前のトランジスー製品と思われますが、まさか45年前の設計ミスを今日発見するとは思いませんでした。
回路図を見ると分かるように、ブラウン管の水平偏向板の両端の接続がテレコになって居ると思われます。
配線を直せば、修理完了となりますが別にアナログ情報の観測では、今のままで特に支障はありません。
メーカーにクレームもいれようにもトリオはありませんし、この設計者はもうすでに退職されているでしょう。
そういう意味では大らかな時代の製品だったということです。

以下単なるボヤキです。
今日、日本は半導体の生産に再度挑戦しようとしていますが、一度敗退の世界に戻れるものでしょうか。
如何に資本を注入しても、一度失われた半導体製品自体の生産を行うような世界に日本の若者は魅力も情熱も感じません。
日本で半導体の製品を生産することは、百均の製品を国内生産するのと同じことで企業としては採算とれません。
円が200円程度あれば条件は異なりますが、今日の為替の状態で半導体生産しても、利益は大幅な浮き沈みに再度接することとなり、結局また会社としては沈没するのが落ちではないだろうか。
もうエルピーダの話は誰も覚えていないのだろうが、この時、政府は何もしなかったではないか。
今頃になって、安全保障の観点で台湾TMSCや米国マイクロンに数千億円の支援をしますと平然と言う政治家の知能も問題だ。
外資に資金を提供するぐらいなら、国内の半導体製造装置関連を支援すべきだが、その中心だったニコンや大型コンピュータ製造メーカーの富士通や日電は今何をやっているのだろうか。
FACOM230-60やDIPSなどの開発力や情熱は、今は昔なのだろうか。
※エルピーダ
エルピーダは1999年、日立製作所6501.TとNEC6701.TのDRAM事業が統合して発足。2003年に三菱電機6503.TのDRAM事業をエルピーダが吸収して設立。しかし円高とDRAM市況低迷に伴う価格下落で業績が悪化。09年には公的資金300億円を注入されるなどこれまで国の支援を受けて再建してきたが、今年2月に会社更生法の適用を申請した。負債総額は国内製造業で最大の4480億円(11年3月時点)だった。
米半導体大手マイクロン・テクノロジーMU.Oは2日、経営破綻した国内DRAM(記憶用半導体)専業メーカー、エルピーダメモリを買収することで合意したと発表した。

とは言っても、もう日本ではオランダのASMLに対抗する力はないと思っていましたが、最近のキヤノンのニュースに大変感激した。ガンバレ ニッポン!

先端半導体の製造装置を発売 キヤノン、宇都宮で生産
キヤノンは2023年10月13日、高性能な先端半導体を低コストで製造できる露光装置を発売したと発表した。半導体の基板に微細な回路パターンを形成する際に、従来と異なる「ナノインプリント」という技術を使い、消費電力を抑えたのが特徴だ。宇都宮事業所(宇都宮市)で生産する。先端半導体の製造装置で先行するオランダのASMLに対抗することを目指す。
 キヤノンが売り出した装置は、コンピューターの「頭脳」となるロジック半導体に対応した回路の線の幅が5ナノメートル(ナノは10億分の1)相当のパターンを形成できる。改良を加えれば、さらに微細な2ナノメートル相当にも対応できると説明している。

 

 

 


トリオ CO-1303D オシロスコープの修理記録について

2022年07月23日 09時01分36秒 | 09真空管式オシロスコープ

トリオ CO-1303D オシロスコープの修理記録について

本年度は断捨離の最終段階として倉庫にある不用品をすべてオークションにかけるように準備してきました。
最初に不要なオシロスコープの断捨離に着手しましたが、真空管式オシロスコープも当時1万円程度で入手したものが、やはり今では高くても千円から2千円程度しか値が付かず、トランジスター式オシロスコープに至っては、高級品のものでも100円程度、最悪の1円の売却の場合もありました。
値段はともかく断捨離する目的は達成することができました。

本機「トリオ CO-1303D オシロスコープ」もオークションにかけようと動作確認すると、電源起動直後では正常動作するので問題ないと思った途端、1分もたたない時間でブラウン管から輝線がなくなりました。同時に本体内部からカチカチという放電音が聞こえます。
本機は普及品のトランジスター式オシロスコープに分類されますが、正常動作しても100円程度のものとなりますが、故障品となると全く買手はありません。
また、こんな危険な状態のものを出品するわけにもいけないので当面放置し、どこかで処分することとしておりました。
結局、本年度の断捨離を断念したトランジスター式測定器の商品は、TRIO CO-1302(不動だったので内部を調査したら、ブラウン管が撤去されていた)、TRIO CO-1303D(故障中)、TRIO AG-202A(動作品)、TRIO AUDIO SSVM MODEL VT-104F(動作品)の4点となりました。

オークションも終了し、残ったジャンク品を片付けようとしたのですが、放置した「トリオ CO-1303D オシロスコープ」のことが気になりました。
捨てるのは何時でもできますが、故障原因を考えるとブラウン管の電源供給部の電源部のオイルコンデンサーの劣化にあることは明白です。
オイルコンデンサーは耐用年数を経過すると必ずと言って良いほど劣化し、絶縁が低下して漏れ電流が流れたり、液漏れによる容量不足などによる電圧低下の原因となります。
なお、高圧のコンデンサーの手持ちはなく、購入するしかありません。
たとえ高額な高圧のコンデンサーを購入して修理しても、売却すれば収支は合いません。
断捨離の方針と矛盾するので少し悩みましたが、取りあえず修理することを決断しました。

まずは、「トリオ CO-1303D オシロスコープ」の回路図をネットで見つけて、電源部のコンデンサーの規格を調べると、全部で4か所のC124あるいはC125の0.1μFで耐圧1,000Vのオイルコンデンーと 平滑機能のC123の0.1μFで耐圧1,600VとC126の0.1μFで耐圧2,000Vの中の1本に問題のコンデンサーが存在することになります。
次にネットで高圧コンデンサー0.1μFで耐圧の高いものを調べると、「2本 DC2000V 0.1μF フィルムコンデンサー」即決1100円、送料220円、合計1320円とあったので、即決で入手しました。
更に、予備として、「2本0.068μFで耐圧2,000V フィルムコンデンサー」即決1380円、送料300円で追加購入し、合計1680円となり、4本のコンデンサーで総額3000円を投資することりなりました。

これで、オトロスコープの修理の事前準備は完了しました。

ここから、修理に入りますが、高圧コンデンサーC124とC125を交換するためには、ブラウン管を取り外す必要があります。
通常のオシロスコープは、正面から取り外しする仕組みとなっていますが、本装置は裏面から取り外しする仕組みとなっています。
このため、後ろ側にはブラウン管の直径の穴があいております。
ただし、このほうが簡単にブラウン管を取り外すことができます。

ここまですると、簡単に高圧コンデンサーC124とC125を交換することができます。
両コンデンサーを取り外すと、液漏れの跡が残っていました。
両コンデンサーを回路から切断し、容量計で測定すると約23pfしかなく、ほぼ平滑コンデンサーとしては完全に不適格なものでした。
コンデンサーの交換を終了して、再度ブラウン管を装着して、確認試験を実施しましたがブラウン管に輝線が発生しません。
しかたないので、関連した高圧コンデンサーC123とC126も切断して容量チェックしてみましたが特に問題はありませんし、液漏れもありませんでしたが、念のため交換して、再度試験すると、今度は不思議なことに輝線が発生しました。

最後に低周波発振器TRIO AG-202Aを入力にして、正弦波が正常に表示することを確認して故障修理を完了するこことしました。

反省文
本来は高圧コンデンサーC124とC125の交換で正を常動作するはずでしたが、後で冷静に動作しなかった本当の原因を考えると、どうもブラウン管とソケットの結合が甘く、接触不良を起こしていたようです。
最後に言い訳ですが、どちらにせよ、長期使用を考慮すれば、高圧コンデンサーC123とC126の交換も必要な作業であることは間違いないことは事実ですが・・・・・・。


参考資料
オシロスコープの電源回路
ブラウン管蛍光面の電位がアース電位とあまりかけはなれていると、蛍光面に手やドライバーを近づけただけで電子流が静電偏向され画像を正しく現わさなくなってしまう。
TV受像機の場合はブラウン管の口径も大きく、電子流の速度も速いのでこの現象はほとんど心配ないが、オシロスコープの場合はブラウン管の口径が小さいために画像への影響が大きくなるので注意を要する。
蛍光面の電位をアース電位に近づけるために、オシロスコープでは第二プレートの電圧をシャーシに等しいか、さもなければ若干正の電圧を加えるように設計する。
ブラウン管のプレートを接地し高圧のプラスをアース側にするのはこのためである。
また、第二プレートと偏向板の電圧がほとんど同じにならないと蛍光面上にゆがんだ図形が画かれる。最近のオシロスコープでは信号増幅回路の特性を良好にするために垂直、水平両回路とも偏向板を増幅回路の終段であるプッシュプル接続増幅管のプレートに直接接続することが多い。このため、第二プレートにはB電圧を分圧して供給しなければならない。
出展 アマチュアのラジオ測定器 岡本次雄、岸清 共著 ページ134

 

参考文献
オシロ「CO-1303D」回路図
http://jf2fkj-kouji.seesaa.net/article/353422879.html
Repair an oscilloscope CO-1303G
https://ja9ttt.blogspot.com/2017/04/repair-oscilloscope-co-1303g.html
CO-1303Gの修理

https://ja7gsa.hatenablog.com/entry/a68877168.html

 

 

広島戦時通信技術資料館及は下記のアドレスです。
http://minouta17.web.fc2.com/

 


自作オシロ兼CRT型画像表示装置の試作作業記録 その11 (2020年03月16日)

2020年03月16日 19時24分54秒 | 09真空管式オシロスコープ

自作オシロ兼CRT型画像表示装置の試作作業記録 その11 (2020年03月16日)
実はこちらの作業所を4月中に閉鎖することとしたため、あらためてCRT型画像表示装置の試験を行うこことした。
試験実施した結果、どうもテレビ受像機からの同期信号をうまく捕捉できないことと水平発振自体に問題があることが判りました。
しかしながら時間切れとなったため、当面これで作業を中断することとします。
何時かリベンジするこことします。

 

 

 

 

 

 

真空管式オシロスコープ Oscilloscopeの修復記録 http://minouta17.web.fc2.com/Oscilloscope.html

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2インチ真空管オシロスコープ定期点検について(令和元年11月10日)

2019年11月10日 19時18分19秒 | 09真空管式オシロスコープ

2インチ真空管オシロスコープ定期点検について(令和元年11月10日)
平成27年に修復した真空管式のトリオ オシロスコープCO-50と松下電器 2インチオシロスコープCT-50Eの定期点検を行いました。
やはり、時間経過とともにコンデンサー系の劣化が生じておりましたが、アイドリング時間経過とともに徐々に正常な動作になることを確認することができました。
今回は、以前ブログに掲載した「オシロスコープで時計を「SGX-03Aオシロ時計」の購入について」
https://blog.goo.ne.jp/minouta17/e/ff6dc5ec2dfa70b403d670c7d8771294
この「SGX-03Aオシロ時計」を利用してオシロのブラウン管に表示してみました。
ただし、このディジタル時計は誤差が大きく実用性が低いのが難点ですが、真空管式オシロとディジタル時計の組合せが大変魅力的です。

 

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自作オシロ兼CRT型画像表示装置の試作作業記録 その10 (2019年02月14日) 

2019年02月14日 16時10分48秒 | 09真空管式オシロスコープ

自作オシロ兼CRT型画像表示装置の試作作業記録 その10 (2019年02月14日) 

事前に自作オシロの垂直発振を60Hz、垂直発振を15Khz近辺に調整したつもりだったが、調製用VRが端っこでぎりぎり調整できる。
時定数のCを変更するこことした。
発振周波数の近似式は以下のとおりである。

f = 1 / ( 2 × 0.693 × c × R )

DVD装置がビデオ信号を注入して、水平、垂直発振の同期をオシロで確認する。
垂直発振は60Hzできれいなのこぎり波をしめしている。
しかしながら、水平発振は同期信号ものこぎり波の発振周波数も15.750Khzとはなっていない。
当然、ラスター画面だけで、影像画面が表示しない。
どうも同期分離回路に重大な問題がありそうで、まだまだ、思考錯誤は続きそうですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

追伸
時度、近所の人が邪魔しに来られます。


真空管式オシロスコープ Oscilloscopeの修復記録
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