韜晦小僧のブログ 無線報国

真空管式ラジオ、軍用無線機やアマチュア無線機の修復の記録
手製本と製本教室の活動の記録
田舎暮らしの日常生活の記録

手製本活動(その43:製本教室)

2015年12月24日 17時10分04秒 | 00手製本/製本教室

手製本活動(その43:製本教室)

平成27年12月24日実施した製本教室の制作模様です。


全体の教室模様です。

 

完成した生徒作品見本です。今回は半革装1冊と紙製表紙1冊の丸背製本です。
一部ちりが悪かった製本もありましたが、全体的には大変きれいな出来栄えです。


革の表紙の文字入に、広島ハンズでレーザ加工したものです。箔押しなどより手軽に文字入れができます。

 

本日は、製本自体の作業ではなく、マーブル染め・箔押し・布の裏打ちといった製本に必要な基本的な技法の講習会をおこないました。

■マーブル染めの工程


■布の裏打ちの工程


■箔押し作業の工程

 

■本体部の折丁づくりの工程のチームの作業状況です。
①横目のA4用紙には、各生徒さんのご希望の内容を事前にこちらでレーザプリンターで印刷を行っております。
 印刷については、冊子印刷機能でA5版の縮小印刷を行います。
 今回は上質紙90Kgの用紙を使用します。
②この用紙を半分に折り、ヘラにてきれいに伸ばすといった単純作業です。
③後は捨て紙と合わせ、プレスして完了です。

 

※製本教室の案内は下記のとおりです。


中国新聞文化センター教室部
教室名:クレドビル教室 お問い合わせはTEL082-962-4111へ
講座名:手製本(ルリユール)入門
コース:第2・4木曜 10:00~12:00
講師:広島手製本倶楽部主宰 森川 昌幸
講座内容:自分の本を作りたいが、製本については全く知識がないといった初心者を対象とした講座です。
製本の基礎として、前期3ヵ月間は角背、後期では丸背の製本実習を行います。
専門的な製本道具を用いず、手作り製本が楽しめるようになります。
製本技術をマスターすれば、自分史、ホームページ、ブログや絵手紙など自分のアイデアを活かした本を作ることができるようになります。
1回 5単位 2,500円/月2回 5,000円(表示:税抜)
備考:初回 教材費 3,000円
   更新 教材費 2,000円

 


広島手製本倶楽部は以下のアドレスです。
http://minouta17.web.fc2.com/book_index.html

 

 


92式特受信機の定期点検記録 その4 (2015年12月21日)

2015年12月21日 22時43分09秒 | 02海軍無線機器

92式特受信機の定期点検記録 その4 (2015年12月21日)

故障調査について
①第一、第二高周波増幅段の真空管ソケットの電圧測定を行い異常値があるかの検討を行う。
②第一高周波増幅段なのか第二高周波増幅段の故障なのか故障個所を特定する。
③SSGによる信号注入によるオシロでの波形調査を行う。
以上大まかな故障調査ですが、問題は大きな信号では短波帯でも受信することができることです。
逆にこのため、故障個所の特定が困難であるという点です。
なお、故障個所が特定できれば、故障部品の交換を実施します。

まず、「①第一、第二高周波増幅段の真空管ソケットの電圧測定を行い異常値があるかの検討を行う。」ですが、
動作時の測定が無理なので、真空管を外し、静的に各電極の電圧を測定しましたが、異常値はありませんでした。

次に、「②第一高周波増幅段なのか第二高周波増幅段の故障なのか故障個所を特定する。」ですが、
周波数変換段の6A7のグリッドにアンテナを接続すると、5球スーパーとして受信することが可能です。
更に、第二高周波増幅段6D6のグリッドにアンテナを接続すると、受信機能が大幅に低下します。
また、第一高周波増幅段6D6のグリッドにアンテナを接続すると、同じく受信機能が大幅に低下します。
この結果、最低第二高周波増幅段6D6に問題があると判断されます。

最後に、「③SSGによる信号注入によるオシロでの波形調査を行う。」ですが、
空中線ターミナルに信号注入すると、明らかに第二高周波増幅段6D6のグリッド部で信号が大幅に低下しています。

この結果から、まず、第二高周波増幅段6D6の回路の怪しいところの電解コンデンサー(全て0.5μF)から交換することとします。
製造して70年以上経過していますので、電解コンデンサーのほとんどは正常とは思われませんが、怪しいものから取り換えては、上部と下部構造部を接続して試験を行います。
この作業は大変手間がかかりますが、特定の故障部品が判明するまで継続するしかありません。
そうこうしていると、第二高周波増幅段6D6の回路の関連する電解コンデンサーを全て交換しましたが、受信機能は回復しません。
それではと、意地となり、今度は第一高周波増幅段6D6の回路の怪しいところの電解コンデンサーを交換しだし、挙句の果て全部交換しましたが、受信機能は回復しません。
修復コンセプトとしてはオリジナル部品は手を加えないことを信条としていましたが、これでは修復コンセプトはなんだったのか反省しきりです。
この作業で電気的特性に関する部品には問題がないことになりますが、それでも受信機能に問題があるということになります。
よくよく考える、上部と下部構造部を接続するバリコンの接続が本当に正常に行われているのかが疑問が残ります。
目視では、確認できないので余計に気にかかります。
次回は、少し故障個所を別の観点から調査するこことします。
ここまで、部品交換しましたので、徹底的に故障原因の特定に努めます。

 

広島戦時通信技術資料館及は下記のアドレスです。
http://minouta17.web.fc2.com/

 


手製本活動(その42:製本教室)

2015年12月10日 22時02分30秒 | 00手製本/製本教室

手製本活動(その42:製本教室)

平成27年12月10日実施した製本教室の制作模様です。
今回も作業ミスによるトラブルがありました。事前に作業工程を熟考し、わからないときには立ち止まって質問してください。

全体の教室模様です。


生徒さんの完成作品です。全革装と布装の丸背製本です。文字入れはハンズによるレーザ加工が施されています。

 

■表紙の作成工程(革と紙装)の角背・丸背チームの作業状況です。
①表紙の裏にはる黄ボール紙(厚さ2mm)として、表・裏・背の型紙を切り出します。
  丸背の場合には、背は地券紙で切り出します。
 背幅については、前工程にて測定したデータをそのまま使用します。
②今回は事前に自分で用意した裏打ちした布を使用し、この切り出した黄ボール紙を型として鉛筆でなぞり、表紙の枠を確定します。
③最後に、水溶きボンドにて、表紙の用紙に、切り出した黄ボール紙の型紙を貼り付けます。ここでの注意事項は角のまるめ処理です。

 

■表紙と本体部の合本処理丸背・角背チームの作業状況を以下に示します。
①事前に表紙と本体部を合わせ、チリがきれいにとれているか確認します。
②確認が完了すれば、水溶きボンドにて、背のみ表紙と本体部を仮接着します。10分程度で接着が完了します。
③表紙と本体部の見返しを接着する前に、チリ調整します。基本的には、糊付けにより2mm伸びますので、その分だけ事前に切断する必要があります。
 また、本体部の変形等にり、チリが斜めになった場合もこの時点で修正します。
④表紙と本体部の見返しをでんぷん糊を使用して接着します。この時クッキングペーパーを敷いておきます。
⑤次に、船底板を利用して溝をつけます。
⑥最後、溝に竹ひごをつけ、プレスして完了です。

 

■本体部の折丁づくりの工程のチームの作業状況です。
①横目のA4用紙には、各生徒さんのご希望の内容を事前にこちらでレーザプリンターで印刷を行っております。
 印刷については、冊子印刷機能でA5版の縮小印刷を行います。
 今回は白紙の用紙を使用します。
②この用紙を半分に折り、ヘラにてきれいに伸ばすといった単純作業です。
③後は捨て紙と合わせ、プレスして完了です。

 

■目引き、背固めの工程の丸背・角背チームの作業状況です。
①本体に紙バンドを巻き、丸い筒とヘラを使用して丸みだしを行います。(角背はこの工程は不要です)
②金鋸で背に1.5ミリメール程度に深さの溝を切ります。
③背に水溶きボンドを塗り、切った溝に麻紐を入れていきます。
⑤最後に和紙を背に貼って完成です。

 

 

※製本教室の案内は下記のとおりです。


中国新聞文化センター教室部
教室名:クレドビル教室 お問い合わせはTEL082-962-4111へ
講座名:手製本(ルリユール)入門
コース:第2・4木曜 10:00~12:00
講師:広島手製本倶楽部主宰 森川 昌幸
講座内容:自分の本を作りたいが、製本については全く知識がないといった初心者を対象とした講座です。
製本の基礎として、前期3ヵ月間は角背、後期では丸背の製本実習を行います。
専門的な製本道具を用いず、手作り製本が楽しめるようになります。
製本技術をマスターすれば、自分史、ホームページ、ブログや絵手紙など自分のアイデアを活かした本を作ることができるようになります。
1回 5単位 2,500円/月2回 5,000円(表示:税抜)
備考:初回 教材費 3,000円
   更新 教材費 2,000円

 


広島手製本倶楽部は以下のアドレスです。
http://minouta17.web.fc2.com/book_index.html

 

 


92式特受信機の定期点検記録 その3 (2015年12月07日)

2015年12月07日 15時54分20秒 | 02海軍無線機器

92式特受信機の定期点検記録 その3 (2015年12月07日)

今回は92式特受信機の上部構造部の定期点検及び整備に関する作業記録です。
なお、上部構造部の点検目的は以下のとおりです。
①8年前に修復した時、大変保存状態が悪く、ソケット内部はアルミが酸化し粉のような錆が発生していました。
 その際、すべての錆を取り除きいましたが、今回内部の保存状態を確認する。
②端子版から各部の電圧測定を実施する。
③上部と下部構造部を接続し、受信機能を確認しするとともに、最大感度に調整する。
④長波帯の自作コイル(戦中から戦後の民生受信機のコイルを転用)で長-Ⅰ(E,F,G)の確認試験を実施する。
⑤故障調査について
 
まず「①の今回内部の保存状態を確認する。」については、少し錆が発生していた程度であった。
防錆用オイルを注油して終了とした。


次に「②端子版から各部の電圧測定を実施する。」については、修復時の電圧測定値とあまり乖離はないが、この測定値が正常かどうかはよくわかりません。
ただし、本機は特に艦船用受信機のため電蝕対策として受信機の配線において、直流をシャーシ本体から切り離している。
したがって、アースからみると少し高い(本機測定では+40V)電圧が基準値となっている。


「③上部と下部構造部を接続し、受信機能を確認しするとともに、最大感度に調整する。」の件ですが
長波部(長-Ⅱ(300~800Khz)E,E,Gコイル)については、少し感度不足ですが実用受信には支障はありません。
次に短波部ですが、これは自作コイル(短-Ⅳ(2400~4600Khz)A,B,C,Dコイル)の受信が故障していました。
故障とはいっても、微弱の受信は可能です。
このためSSGにより、信号波を注入し、コイルCのトリマーコンデンサーをチューニングしましたが、抜本解決には至りませんでした。


「④長波帯の自作コイル(戦中から戦後の民生受信機のコイルを転用)で長-Ⅰ(E,F,G)の確認試験を実施する。」ついては問題なく機能しました。
ただし、戦時の中波の受信範囲は550~1500Khzであるにもかかわらず、本機の受信範囲は330~1360Khzとなりました。
どうも、バリコン容量の関係が原因で1500Khzが受信できないようです。
これでは、デリカのハムコンバーター(出力が1500Khz)が使用できません。
残念ですが、ハムコンバーターの利用を断念するしかないようです。


最後に⑤故障調査について
本機は、上部と下部を分離した状態では動作できないので動作時の電圧測定等の試験ができず故障箇所特定が大変困難です。
試行錯誤をしていると、周波数変換段の6A7のグリッドにアンテナを接続すると受信ができることが判明しました。
このため、最低このステージ前の高周波増幅段の第2段の6D6(78)の回路に問題があることが判明しました。
本来なら本機のような状態のものであれば、電解コンデンサーはすべて交換する必要があります。
しかしながら、修復コンセプトとしてはオリジナル部品は手を加えないことを信条としていますので、故障箇所に限定し部品交換を行いたいと思っております。
このため時間はかかりますが、今後も故障箇所の調査を行い修復に努めます。

 

広島戦時通信技術資料館及は下記のアドレスです。
http://minouta17.web.fc2.com/