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電探指示装置の試作記録(その1)(平成29年8月17日)

2017年08月16日 22時47分16秒 | 51電探試作計画

電探指示装置の試作記録(その1)(平成29年8月17日)

2011年8月頃から、電探指示装置丙1型復元作業を計画し準備作業を進めていました。
しかしながら、作業を具体化すればするほどいろいろな問題に直面し、前に進めることができなくなっておりました。
当初計画は以下のとおりです。

電探指示装置丙1型復元作業
三式一号電波探信儀三型は、国内に2点現存が確認されていますが、いずれも、指示装置は現存していません。
このため、当面の目標については、電探指示装置丙1型の復元を行い、最終目標としては、送信機、受信機そのものを新規に復元し、最終的には試験電波でもいいから発射して、Aスコープによる反射波を見てみたい。
だいぶ古い話だが、アマチュア無線の144MHz帯の最後部のバンドはレーダ試験用に割り当てられているはずです。
そういう意味で、手始めに新規に電探指示装置丙1型の復元を行うこことしました。

どうも、最初のアプローチに問題がありました。
というのも、電探指示装置丙1型の正確な資料があったため、このとおりの装置の復元を目指したことが混乱の原因でした。


今回は発想を変えて、ST菅などによる装置自体ではなく機能本位の復元を目指すこととします。
このため、電探指示装置の母体としては、手持ちのトリオ オシロスコープCO-3Kを使用し、電探指示装置丙1型の機能を再現することとします。
なお、レーダー用の送信機や受信機は、同じく150Mhz帯の真空管式タクシー無線機を転用する方針とします。
ここでの問題は、送受信兼用の八木アンテナの制御のためのTR菅(放電管)の入手できるかどうかですが、そう先のことまで心配無用です。
当然ですが、完成しても電波を発射することはできません。

手持ちのトリオ オシロスコープCO-3Kは2台ありますが、形式が少し異なっています。
どちらにしても、程度の悪いものをジャンクして利用するこことします。
シャーシがここまで錆びているものを見るのは初めてですが、製造段階で鉄板の材質かメッキ不良のようですが、トランスやソケットなどの部品は問題なさそうです。
今回は、CRT関連の真空管や高圧トランスなどの機能の確認を行います。
このため、高圧整流菅1X2Bと整流菅6X4、CRTの3KP1以外の真空管は外します。
電源系統をチェックし、通電しても問題がないことを確認して電源起動します。
といっても、すぐ動作するものでもありません。
本機の場合には、電源SWが故障しており、電源ONできないので、SWを直結して臨時対処しております。
更に、高圧整流菅1X2Bのアノードの接触不良の対策を実施しております。
そうすると、CRTの画面にスポットが綺麗に発生しました。
焦点や輝度調整も問題ないようです。


作業が順調なので、次工程として時間軸切替などのSW類や水平、垂直入力調整などのVR類を撤去します。
再度、通電してスポットがでるか確認していたら、案の定焦げた臭いと共に煙が発生しました。
電界コンデンサーが通電したことにより、発熱などにより電圧リークを起し、近接の抵抗器が過電流となったことが原因です。
しかたないので、電源回路とCRT菅関係の回路以外、抵抗器やコンデンサーを除去するこことしました。
この結果、通電するとCRTに安定的なスポットが発生するようになりました。


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