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韜晦小僧のブログ 無線報国

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自衛隊放出シンクロスコープの我が家からも最終退役について (2019年1月27日)

2019年01月27日 21時58分10秒 | 09真空管式オシロスコープ

自衛隊放出シンクロスコープの我が家からも最終退役について (2019年1月27日) 

本機は自衛隊の放出品で、銘板はないが、付属の取扱説明書ではシンクロスコープJAY-Q2-Bの名称であることが判る。
松下通信が昭和41年頃製造したもので、民生品の名称は、VP-5403Aに近いが、つまみの位置が微妙に異なることからシリーズものの1種のようである。
20年前に埼玉の軍のジャンク品を取り扱う業者から自衛隊の放出品のオシロ、SSGとテスターの一式を購入した記憶があるが定かではない。
製造して既に50年以上経過しているが、すべて現役で安定動作している。
今回、中国製のデジタルオシロスコープSDS1102を購入し本格利用した結果、もはや大型のオシロを使用するこは困難と判断した。
今まで、被試験機をオシロのそばに於いて試験していたが、デジタルオシロスコープSDS1102ではポータブルのため被試験機にオシロを持って試験できる。
まるでテスターと同様な扱いである。
また、本機ではカウンターの機能があるので波形を見ながら周波数が判るので状態の把握が的確にできる。
このような理由のため、我が家からもシンクロスコープJAY-Q2-Bを退役させることとした。

 

 

参考情報
取扱説明書に所属の部隊名称として第101無人偵察機隊とあったが、昭和41年の当時ドローンのような無人偵察機があったのか気になったのでネット検索してみた。
第101無人偵察機隊では小型模型標的機 RCMATや無人偵察機 CHUKAR-Rがあるようで、無人偵察機ではカメラ収納し、パラシュート方式で回収するという前時代的な代物のようだ。

会計検査院の検査報告
自衛隊の物品の放出については会計検査院の検査報告があるが、この時代の背景があるので全文を参考のために掲載する。
部局等の名称 航空自衛隊第3補給処
契約件名 オシロスコープ(J/USM−1Aほか4品目)の修理
契約の概要 各種通信電子機器の電気波形等の観測に使用する計測器であるオシロスコープの故障箇所の診断及び故障部分の機能を復元するための修理
 台数46台
契約額 26,915,000円、ほかに官給材料1,718,589円
請負人 東栄電気工業株式会社
契約 昭和48年9月〜50年2月 7回 随意契約
支払 昭和49年9月〜50年9月 7回
この物品の修理に当たって、修理するオシロスコープより性能が優れた新型式の市販品があり、これを購入した方が経済的であったのに、購入することを考慮しなかったため、約550万円が不経済になったと認められる。
(説明)
  航空自衛隊では、現有する装備品等の修理について、装備品等の修復に要する部品費及び役務費を含む総費用が、当該物品の新品購入価格の65%以内の場合に修理を実施することとしており、本件オシロスコープについては、修理費を1台当たり505,084円から570,100円(昭和48年度国庫債務負担行為による契約)及び507,393円から730,502円(49年度の歳出予算及び国庫債務負担行為による契約)と見積り、その新品購入価格を過去の購入実績等によって1,284,000円から1,600,000円とし、このことから、いずれも上記の基準からみて修理することが適当であるとして修理を実施している。
  しかして、本件修理を実施したオシロスコープは、いずれも、36年度から44年度までの間に購入した真空管使用のものであるが、この種オシロスコープの製造等の実情についてみると、近年の電子工業技術の進歩に伴って、トランジスタ使用又はトランジスタ、集積回路併用の新型式のものが開発、市販されるとともに真空管使用の旧型式のものの製造は逐次取りやめられており、その性能等をみると、真空管使用のものに比べて、トランジスタ使用又はトランジスタ、集積回路併用のものは、信頼性、整備性、耐久性等が著しく向上し、消費電力も著しく低減しており、価格も、旧型式のものが44年度に128万円程度であったのに対し、新型式のものは同年度に60万円程度で、その後逐年廉価となっている。
 現に、同自衛隊においてもこれらの実情に応じ、既に44年度から新型式のものを購入しており、この修理契約当時の購入価格をみても、1台当たり577,000円(47年度)、540,000円(48年度)及び481,000円(49年度)となっている状況である。
 上記のような製品の供給状況、性能及び価格等からみて、本件修理を実施するに当たっては、廉価な新型式のものの購入を考慮すべきであったのに、既に市販されていない旧型式の物品についてその価格を過去の購入実績等により算定し、これをそのまま新品購入価格として修理実施が適当であると判断したのは適切とは認められない。
 もし、本件修理に当たって、新型式の市販品の購入価格を基にして修理実施の適否を検討したとすれば、修理見積額はいずれも修理実施の限度額を大幅に上回るばかりでなく、大部分は新品購入価格さえも上回ることとなり、修理の実施が不適当であることは容易に判明したと認められる。
  いま、仮に、本件修理を実施しないで新型式の市販品を購入したとすれば、その購入価額は23,070,000円で足り、本件修理に要した費用に比べて約550万円を節減できたと認められる。
 なお、上記のほか、49年度国庫債務負担行為により50年3月に修理契約を締結したものが5台(契約額3,004,000円)あったが、これについては、本院の注意により、8月にそれまでに実施済みの一部作業(作業費487,000円)を除き契約を解除した。

 

広島戦時通信技術資料館及は下記のアドレスです。
http://minouta17.web.fc2.com/


パナソニック オシロスコープ VP-5403A
https://www.originalmind.co.jp/useds/46673


昭和49年度決算検査報告 オシロスコープ(J/USM?1Aほか4品目)の修理
http://report.jbaudit.go.jp/org/s49/1974-s49-0029-0.htm

静内駐屯地 第101無人偵察機隊
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9D%99%E5%86%85%E9%A7%90%E5%B1%AF%E5%9C%B0

無人偵察機 CHUKAR-R RCMAT
http://www15.tok2.com/home/lttom/military-powers_jgsdf/other/chukar/military-powers_chukar.htm


第1高射特科団 第301無線誘導機隊
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AC%AC1%E9%AB%98%E5%B0%84%E7%89%B9%E7%A7%91%E5%9B%A3

Military Powers 誘導弾 地対空誘導弾系
http://www15.tok2.com/home/lttom/military-powers_jgsdf/03_missile/sam/military-powers_hawk.html


自作オシロ兼CRT型画像表示装置の試作作業記録 その9 (2019年1月27日)

2019年01月27日 21時09分01秒 | 09真空管式オシロスコープ

自作オシロ兼CRT型画像表示装置の試作作業記録 その9 (2019年1月27日) 

オシロの垂直増幅部が増幅不良のなっていたので、調査するとはずかしながらハンダ不良でした。
事前に自作オシロの垂直発振を60Hz、垂直発振を15Khz近辺に調整し、DVD装置からビデオ信号を注入するこことした。
今回から現用のアナログオシロから中国製のデジタルオシロスコープSDS1102に変更した。
テスター感覚で使用できるため非常に便利である。
垂直、水平とも綺麗なのこぎり波が表示されており、水平発振については同期がとれているようだが、垂直発振は70Hzで同期がとれていない。
ブラウン管の表示も映像とは思えないものが写っている。
まだまだ、問題がありそうで、思考錯誤は続きます。


真空管式オシロスコープ Oscilloscopeの修復記録
http://minouta17.web.fc2.com/Oscilloscope.html

広島戦時通信技術資料館及は下記のアドレスです。
http://minouta17.web.fc2.com/

 


地2号無線機送信機の復元作業 修復作業記録 その6(平成31年01月22日)欠落部品の修復作業

2019年01月22日 21時29分12秒 | 01陸軍無線機器

地2号無線機送信機の復元作業 修復作業記録 その6(平成31年01月22日)欠落部品の修復作業 

丸型の52型のメーターが4つ必要だったので、年末までに無理やりネットで落札し、早速実装してみた。
やはり、角型メーターよりも丸型のほうが見栄えが良い。
抵抗器は2W型の少し大きめなL型抵抗器が採用されているが、一部の抵抗器が欠落していたので戦後の抵抗器を装着した。
真空管に関しては、送信菅はE-2057を1本とE-2053Bを2本の計3本が必要であるが、川西機械製作所の独自規格のため入手困難のようだ。
当面入手する目途が立たないので、同じ川西機械製作所製造の少し大型のE-510とFB-325Aを挿入して自己満足するしかないようだ。
最後に大型のホーロー型ブリーダー抵抗器が全部欠落していたので、水道パイプ菅(内径20㎜)を切断し、見かけ上ブリーダー抵抗器とし代用している。
なお、全体を再塗装したい誘惑に苛まれるが最終決断できないでいる。

 

地2号無線機受信機と送信機
http://minouta17.web.fc2.com/army_ti-2.html

広島戦時通信技術資料館及は下記のアドレスです。
http://minouta17.web.fc2.com/


参考文献
日本無線史 9巻 1951年 電波管理委員会
続日本無線史第一部 昭和47年2月 続日本無線史刊行会
魅惑の軍用無線機 ラジオライフ別冊 昭和59年11月 三才ブックス
グランパーズ・シャック Grandpa’s shackのオークション情報
ケンさんのホームページ http://kawoyama.la.coocan.jp/tubestorypentodestube.html


地2号無線機送信機の復元作業 修復作業記録 その5(平成31年01月07日) 内部清掃と欠落部品の修復作業

2019年01月07日 11時04分31秒 | 01陸軍無線機器

地2号無線機送信機の復元作業 修復作業記録 その5(平成31年01月07日) 内部清掃と欠落部品の修復作業 

今回は本機があまりに錆と汚れが目立つため、徹底的な清掃作業を行った。
頑固なアルミ錆には、キッチンのシンクで使用するステンレスタワシが大変有効であった。
全体が汚れが目立ったので、丹念に隅々まで清掃を実施し、清掃は不完全ではあるがこれで終了するこことした。

正面右下のコイルパックを初めて外してみたが、やはりここも一部のコイルが外されていた。

抵抗器は2W型の少し大きめなL型抵抗器が採用されているが、一部の抵抗器は運用影響により焦げているのが判る。
米軍の資料の中に、日本陸軍ではこのような設計ミスによる部品の損傷をメーカーまでフィードバックする機構がなかったと断定していたがまさに事実のようですね。

[a1] Reports of the U.S. Naval Technical Mission to Japan, 1945-1946 米海軍対日技術調査団報告書
概要からの抜粋
メンテナンス手順
失敗の大部分は真空管と抵抗器によるものであった。
同じ抵抗器が絶えず故障しているが、設置された機器や同じモデルの後の生産で設計や定格を変更することについて何もしていないようである。
真空管の平均余命には大きな変化があり、それが大きな問題の原因であった。

ところで、本機には個々の部品のプレートはあるが、肝心の銘板が欠落している。
このため、製造メーカーが特定できないが、内部の中の部品の一部である高圧用雲母蓄電器に日本通信工業株式会社と明記されている。
このことから、本機は日本通信工業株式会社自体か親会社の住友通信工業(日本電気株式會社)が製造したものと思われる。
なお、続日本無線史には日本電気で地2号無線機を数百台生産したとの記録がある。

地2号無線機受信機と送信機
http://minouta17.web.fc2.com/army_ti-2.html

広島戦時通信技術資料館及は下記のアドレスです。
http://minouta17.web.fc2.com/

 


参考文献
日本無線史 9巻 1951年 電波管理委員会
続日本無線史第一部 昭和47年2月 続日本無線史刊行会
魅惑の軍用無線機 ラジオライフ別冊 昭和59年11月 三才ブックス
グランパーズ・シャック Grandpa’s shackのオークション情報
ケンさんのホームページ http://kawoyama.la.coocan.jp/tubestorypentodestube.html