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韜晦小僧のブログ 無線報国

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13号電探総合試験の作業記録 その2(令和3年03年26日)空中線の製作と総合試験

2021年03月26日 14時58分27秒 | 51電探試作計画

13号電探総合試験の作業記録 その2(令和3年03年26日)空中線の製作と総合試験

われ反射波を捕捉せり!!!
使用電波を145Mhzとして、送信機側から1/2波長の1mの部分で送信機のアンテナへ給電するとともに、受信機への引き出し線を接続し、1/4波長の50cmで放電管としてネオン管を接続し、受信機へ給電します。
使用アンテナは当面ダイポール型アンテナを自作し、これで実験開始とします。
試験電波については、電波法に規定する免許を要しない無線局の一種で微弱な電波を利用する無線局として送信のチューニングをわざとはずし微弱化電波として送信するこことしました。
近くの山に向けて電探を使用すると、なんと微弱ながら反射を表示機にとらえることができました。
ただし、とらえたといっても小電力かつ貧弱なアンテナのシステム構成のため、近くの山の反射波であり、飛行機などの小物体の検知は能力はありません。
2011年8月に電探指示装置丙1型復元作業として計画し、苦節10年の2021年3月にやっとAスコープ型の電探のエコーをとらえることができました。
大変感激です。
これにて、電探の試作計画については作業完了とします。


アンテナと給電線の具体例


受信機の検波出力の波形測定


表示機のエコーの表示状態


試験環境の全景

 

追加 R03.04.23最後総合確認試験と機器撤去作業
送信機側から給電線3C2Vのλ/2の距離に設置した放電の代替のネオン管は効果抜群で受信側への送信パルスを完全に減衰しているようです。
送信機電力を絞ったことと空中線を八木アンテナにしなかったことで、完全に反射波を捕らえたのか少し疑問は残っています。
ただし、反射波らしきものを指示機に表示したことでだけで満足です。
ここで各機器をばらしてかつ撤去し、ここに永遠の眠りに就けることとします。

 

 

電探試作計画      http://minouta17.web.fc2.com/aradar_prototype.html

仮称3式1号電波探信儀3型取扱説明書     https://drive.google.com/file/d/1F2Dz1-FBhtMl6tSRAvVtdSy9KuU2AXAo/view

広島戦時通信技術資料館は下記のアドレスです。    http://minouta17.web.fc2.com/

 

 

 


13号電探空中線の作業記録 その1(令和3年03年20日)空中線の製作の考え方

2021年03月20日 14時44分05秒 | 51電探試作計画

13号電探空中線の作業記録 その1(令和3年03年20日)空中線の製作の考え方

仮称3式1号電波探信儀3型(艦艇用)空中線取扱説明書に具体的なアンテナ構造が明示されています。
しかしながら、この実機と同じものを製作することはできませんから、アンテナ本体はハム用の144Mhz帯5エレメント八木アンテナを代替えとして購入するこことします。
ここでのポイントは、送受信共用の単一アンテナとして利用する仕組みをどう構築するかということです。

参考までに、この空中線を送受共用するためには、日本では放電管(TR管)が採用されています。
この放電管の使用についてのアイデアは、日本独自のものではなく、下記のフィリピン占領による陸軍兵技中尉友納典人等による分析により判明したものです。
無線と実験 昭和18年7月号 比島にて押収せる米軍・超短波警戒機の原理と構造 http://minouta17.livedoor.blog/archives/18022332.html
これを契機に陸海軍の電探に送受信共用の単一アンテナの実用化が進むこととなりました。

といいえ、当時の放電管を入手できませんので、今回は110Vのネオン管で代用するこことしますが、放電管を空中線の饋電線にどのように配置するかが問題となります。

このため、仮称3式1号電波探信儀3型(艦艇用)空中線取扱説明書の中から送受信共用接続に関するノウハウ部分を抽出します。
(七)受信機分枝回路⑤ヲ接続ス
本回路ノ饋電線分枝点⑥ヨリ放電管端子ニに至ル長サハ1/4λ×95%程度トシ導体直径4粍2線管23粍程度ヲ可トス。
茲(ここ)ニλハ波長(米)トス。
但シ放電管ヨリ受信機空中線端子ニ至ル受信饋電線ハ波動抵抗約230Ωノ2心入可撓(かとう)電線(※同軸ケーブルのことのようですが・・)若シクハ平行2線式饋電線トス。

(八)受信機分枝回路ノ分岐点⑥ハ送信機ノ饋電線結合「ループ」中点ヨリ距離1/4波長若シクハ其ノ奇数倍ニ等価ナルヲ要ス。
但シ、コノ等価長ハ閉電路及ビ饋電線接続端子等ノ影響ニ依リ1/4波長若シクハ其ノ奇数倍ニ相当スル実長ヨリ遥カニ短キヲ以テ次ニ述ベル方法ニ依リ分岐点ヲ調整ス。



一方、米国の実用レーダー工学(昭和31年3月発行)の関連項目を下記に示す。

日米での相違点
平行給電線に於ける電圧分布において、送信機用の給電線で最小電圧の箇所で受信機への接合点としそこから最大電圧の箇所のところで放電管を設置する必要があります。
そのためには、送信機の始端から饋電線への送信波の電圧分布は正弦波と考えるのか、それとも余弦波かということです。
日米どちらかが間違っているということなのでしょうか。

参考資料
こんなアンテナがあればFBなのですが・・・・
Yahooオークション オークションID:t780286353 NAGARA/ナガラ 144MHz 12ELEx2(スタック)x 2段 です。EME(月面反射通信)に建てたのですが


旧海軍の2式2号電波探信儀1型のアンテナを作った猛者もいます。
なんでも手作り工房  2式2号電波探信儀1型 に使われたアンテナの実験          http://www.ob3.aitai.ne.jp/~suz/21dentan.html

 

 

電探試作計画      http://minouta17.web.fc2.com/aradar_prototype.html

仮称3式1号電波探信儀3型取扱説明書     https://drive.google.com/file/d/1F2Dz1-FBhtMl6tSRAvVtdSy9KuU2AXAo/view

広島戦時通信技術資料館は下記のアドレスです。    http://minouta17.web.fc2.com/

 

 

 


13号電探受信機(トリオTR-2改造)の作業記録 その5 令和3年03月06日)TR-2#2号機の検波部の確認試験

2021年03月06日 19時56分34秒 | 51電探試作計画

13号電探受信機(トリオTR-2改造)の作業記録 その5 令和3年03月06日)TR-2#2号機の検波部の確認試験

送信部では変調パルスを正パルスで変調したので、最後の終段コイルの1次側で変調され、2次側で負パルスとなり電波送出されていました。
このため、変調パルスを負パルスに変調するため、低周波増幅段2段を1段として、12AX7のグリッド側に同期パルスを注入するこことしました。
しかし危惧はしていたのですが、低周波増幅利得が足りず、無理やり加変調気味の増幅をすると、放電管が常時放電することとなりパルス送信できない事態となりました。
このため、送信パルスに関しては、原則は無視し、負パルス送信波として、受信機側で対処することとしました。
具体的には、検波の抽出ポイントをV6の6BE6のグリッド側からV5の6BA6の陽極側に変更することで位相を逆転させることができます。
やっと完成したので、ケースに収納し、送信機、受信機、表示機のレーダー装置として並べて最終の総合確認試験を行った。
なんの疑いもなくうまくいこと考えいてたが、結果はまたまた負パルスが発生したり、受信パルスが突如不安定な波形が出現する始末となった。
冷静に考えると、50年前に製造された真空管式トランシーバーが今までなんの手当もなく正常動作しているほうが奇跡ではないだろうか。
受信機のRF部が特に怪しいので、今後調査し修理するこことします。
なかなかアンテナの製作には入れそうにありません。

変調パルスを負パルス対応

検波部の抽出ポイント変更対応

受信部(RF部と推定)の動作不良による検波出力部の異常波形

 

追試(R03.02.21)
実は2週間ほどこの件を放置し、携帯端末からスマートフォンへの切換作業に没頭していました。
古希までには、スマートフォンに切替ないとに操作も覚つかなくなる恐れるがあると思い最後の決断となりました。
スマートフォンの音声認識やLINEなどのアブリの進歩に驚くとともに、DOCOMOの営業所窓口の対応の悪さ加減にあきれるばかりです。
それはそうと、本件に話を戻しますが、2週間の中断ですっかり作業内を忘却してしまいました。
しかたないので、受信機の異常状態を追試するこことしました。
試験環境を確認すると、何故か受信機の電源コードとアンテナ線が接続されていません。
試験環境を再整備して、再度試験を実施すると今度は問題なく送信パルスを受信し、表示機の表示も問題ありません。
前回の再度のトラブルは、受信機側で負パルスが発生したことでしたが、よくよく考えると試験環境時にアンテナ線を接続していなかった可能性があったようです。
どちらにせよむ長時間運転しない限りすべての環境は問題なさそうです。
これで最後の工程となりますが、送受共用の空中線の製作に入れそうです。



電探試作計画      http://minouta17.web.fc2.com/aradar_prototype.html

仮称3式1号電波探信儀3型取扱説明書     https://drive.google.com/file/d/1F2Dz1-FBhtMl6tSRAvVtdSy9KuU2AXAo/view

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13号電探受信機(トリオTR-2改造)の作業記録 その4 令和3年02月27日)TR-2#2号機の検波部の最終組立と確認試験

2021年02月27日 16時41分59秒 | 51電探試作計画

13号電探受信機(トリオTR-2改造)の作業記録 その4 令和3年02月27日)TR-2#2号機の検波部の最終組立と確認試験

バラックで試作した検波部を汎用基板に移植し、最終的にトリオTR-2の受信部に配置します。
確認試験のため、ダミーロードに接続した送信機から漏洩電波を、アンテナなしで受信して表示機の様子を確認できました。
但し、検波部出力がVpp 1.48Vと少し低めの電圧となり、かつ正パルスがシャープですが2次のパルスが見受けられます。
この状態では検波出力が低いことから、ホイップアンテナを接続して利得を稼ごうと考えました。
しかしながら、結果は正パルスではなく負パルスに変わり出力電圧も大幅に低下していまいました。
何故、アンテナあり、なしでパルスの極性が反転するのか熟考した結果、アンテナコイルの1次側(L1)、2次側(L2)の関係であると断定するに至りました。
アンテナなしの状態では、受信機の2次側(L2)からの漏洩電波をもとに信号処理が行われます。
アンテナありの状態では、受信機の1次側(L1)からの空中線電波をもとに信号処理が行われます。 
アンテナコイルの1次側(L1)、2次側(L2)では、位相が180°反転するため、この条件でアンテナなし、ありでの極性反転が起ったものと思われます。
因みに、トリオTR-2の回路図からパルスの極性の状態を検討すると、送信機のパルスが負パルスであることが判明しました。
確かに、送信部では変調パルスを正パルスで変調したので、最後の終段コイルの1次側で変調され、2次側で負パルスとなり電波送出されていました。
また振出に戻り、送信機の修正作業から着手します。
このようにパルス波形を取扱うことにより、戦時中のレーダー技術者の労苦が手に取るようにわかります。

検波部の汎用基板と受信部設置

アンテナなしの検波部出力

アンテナつきの検波部出力

トリオTR-2の回路図の受信部のパルスの極性状態

トリオTR-2の回路図の送信部のパルスの極性状態


参考
13号電探の受信機のパルスの極性状態

 

 

電探試作計画      http://minouta17.web.fc2.com/aradar_prototype.html

仮称3式1号電波探信儀3型取扱説明書     https://drive.google.com/file/d/1F2Dz1-FBhtMl6tSRAvVtdSy9KuU2AXAo/view

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13号電探総合試験の作業記録 その1(令和3年02年19日)電探各装置の結合による総合試験の実施

2021年02月19日 15時39分26秒 | 51電探試作計画

13号電探総合試験の作業記録 その1(令和3年02年19日)電探各装置の結合による総合試験の実施

電探の表示機、受信機(検波部以降はバラック組立のもの)及び送信機が完成したので、総ての機器を結合して総合試験を行いました。
全体的に送信機からのパルス信号を受信機で受信し、受信結果を表示機のオシロスコープに表示できるかどうかを確認することです。
特に、総てのインターフェースを正パルスで取扱うために、受信機の検波、低周波増幅後の信号が正パルスであるかの確認が必要です。

全体のシステム構成

受信機の検波、低周波増幅後の信号(正パルスを確認)

表示機の表示(電波のダミーロードのため発射していませんが、漏洩電波の同期パルスが立ち上がりの画面で表示されていればOK)


以上総合試験を実施し、画面表示を無事確認したので、最後に受信機のバラック分を正規のものとして製作します。
また、単一空中線の製作も併せて進めることとします。

 

R03.02.22 再試験 理由:検波段の負荷抵抗のつもりが微分回路となっていたため抵抗器をはすずした。


受信機の検波、低周波増幅後の信号(正パルスを確認)


表示機の表示(電波のダミーロードのため発射していませんが、漏洩電波の同期パルスが立ち上がりの画面で表示されていればOK)


試験結果 評価:送信波の漏洩電波が改善された。

 

電探試作計画      http://minouta17.web.fc2.com/aradar_prototype.html

仮称3式1号電波探信儀3型取扱説明書     https://drive.google.com/file/d/1F2Dz1-FBhtMl6tSRAvVtdSy9KuU2AXAo/view

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