JA4GGCのブログ 無線報国

真空管式ラジオ、軍用無線機やアマチュア無線機の修復の記録
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地1号受信機#1号機の修復作業記録 その7 (2016年03月27日)

2016年03月28日 21時09分58秒 | 01陸軍無線機器

地1号受信機#1号機の修復作業記録 その7 (2016年03月27日)

今回は、検波部(Ut-6B7)、低周波増幅部(6C6)とBFO部(6C6)の回路の配線作業を行いました。
かなり、オリジナルの配線が利用できたので、作業は急ピッチとなり全ての配線作業を完了することができました。
配線終了後、少し配線状況を確認すると、70年前の線材のため半田の接続点で切断されたり、半田ののりが悪く半田付け不良もありました。
少し、不安ですが、配線作業としては完了とします。
最後に、電源部と受信機を接続するケーブルですが、端子には電源コンセントの雌を2個縦列接続して接続ケーブルを作成しました。
次回からは、火入れと受信機能の確認とその調整作業を行います。
受信機と電源部をならんで設置すると、やはり風格もあり壮観です。

地1号受信機の付属の各種線輪(コイルパック)もありますが、すべてアマチュアによって戦後に加工されています。
これら線輪も、時間があればオリジナルに戻すこととします。

 

広島戦時通信技術資料館及は下記のアドレスです。
http://minouta17.web.fc2.com/

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地1号受信機#1号機の修復作業記録 その6 (2016年03月20日)

2016年03月21日 21時20分35秒 | 01陸軍無線機器

地1号受信機#1号機の修復作業記録 その6 (2016年03月20日)

基本方針は、地1号受信機ですが、回路実装としてはム-65の回路図を採用し配線するというものでした。
しかし、地1号受信機のオリジナルのものに近づけるため、水晶濾波器の回路を外し、AVC回路は採用するこことしました。
本来、業務の開発プロジェクトであれば、途中での方針変更はもっての外ですが、一人プロジェクトであれば自己責任だけで受容可能です。
まずは、準備作業として、MT管用のIFTにST管のトップグッド用のグリッドキャブ端子を作成します。
シャーシからIFTを浮かした取り付け形式ですので、中間周波数を455Khzから450Khzに変更するダストコアーの調整が厄介です。
今回は、中間周波段の第一中間周波増幅部(UZ-6D6)、第二中間周波増幅部(UZ-6D6)の配線を完了しました。
全体的な配線作業の進捗状況は約6割程度ですが、もう一工程作業すれば配線作業は完了しそうです。

参考資料
地1号受信機の回路図の変遷
地1號無線機受信装置受信機接続要図
地1號受信機接続要図
地1號受信機(二型)接続要図
ム65改受信機接続要図


広島戦時通信技術資料館及は下記のアドレスです。
http://minouta17.web.fc2.com/

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地1号受信機#1号機の修復作業記録 その5 (2016年03月14日)

2016年03月14日 21時15分51秒 | 01陸軍無線機器

地1号受信機#1号機の修復作業記録 その5 (2016年03月14日)

今回は、高周波増幅段まわりの配線を実施しました。
具体的には、第一高周波増幅部(UZ-6D6)、第二高周波増幅部(UZ-6D6)、混合部(UZ-6C6)、局部発振部(UZ-6C6)の回路です。
基本的には、既設の抵抗器と蓄電器との接続ですが、線材が古く硬化しており取扱に注意が必要なこと、かつ、狭隘な所での配線作業となりました。
また、線輪(コイルパック群)の接続端子との配線等には技量も必要です。
とりあえず、地1号受信機では必要でしたAVC回路関連の部品をショート状態として、高周波まわりの配線はすべて終了しました。
全体的な配線作業の進捗状況は約3割程度ですが、まだまだ先は長そうです。
なお、付属の線輪(4)820Kc~1500Kcを分解して、コイルの保存状態を確認しましたが、オリジナルのようなので安心しました。


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地1号受信機#1号機の修復作業記録 その4 (2016年03月06日)

2016年03月08日 13時37分21秒 | 01陸軍無線機器

地1号受信機#1号機の修復作業記録 その4 (2016年03月06日)

今回から配線作業を開始します。
当機は戦後アマチュアの手により、MT管に換装されましたが、抵抗器や蓄電器についてはほぼオリジナルな部品が使用されています。
また、配線の線材も幸運なことにオリジナルなものが使用されています。
したがいまして、配線については、極力オリジナル線材を使用しようと思います。
回路図については、茨城県Sさんに頂いたもので配線していきます。
とりあえず、ヒータ配線が完了しましたが、配線完了までには紆余曲折が想定されそうです。

 

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米軍資料(作戦任務報告書)から見た対日レーダー戦の検証

2016年03月08日 13時10分34秒 | 03旧軍電探機器解説

米軍資料(作戦任務報告書)から見た対日レーダー戦の検証

B29による本土空襲については、日本側でも各種記録が多数残されています。
その中でも詳細なものでは、米軍の戦略爆撃機調査報告書の資料が引用されています。
この報告書にレーダー妨害関係の資料があったので、その紹介と考察を行いました。
電波傍受リストとして下記のようなデータ列が記載されています。
00090 0380 25 2705N 14212E 080145 2303 21 122 P EW 001010202
この情報は、B29の逆探知用受信機(R-44/ARR-5, R-55/ARR-7等)により、日本側のレーダー波を精密に測定するとともに、妨害電波送信機(T-28/APT-1等)及びチャフ(電波欺瞞紙: chaff)で電波妨害を行っていたことがよくわかります。
しかも、測定したデータから、日本側のレーダー機種までも特定しております。
特に、レーダー波の測定項目では、使用周波数、繰返しパルス数、パルス幅がありますが、このためには専用の受信機とともにオシロスコープを用意しています。
B29の電子装置事例からみると、逆探知用受信機(R-44/ARR-5, R-55/ARR-7等)とオシロスコープ(Panoramic Adapter AN/APA-10)組み合わせが必要となります。
この測定の仕組みですが、逆探知用受信機(R-44,/ARR-5)のV3(954)のMIXER部のIF出力5.25McのSO2端子(PANORAMIC)で繰返しパルス数、AF部V12(6V6)のカソードからSO4端子(VIDEO)でパルス幅をオシロスコープで測定すると考えられます。
また、この測定データから日本側レーダー機種の特定するための基礎データをも取得していたこととなります。
当資料から、日本側のレーダー使用状況もうかがえます。
電子戦に関しては、基盤の電子通信産業を含め当時の日米の技術格差を感じざるを得ません。
しかしながら、空襲を指導したルメイの所業と戦後勲一等旭日大勲章を受勲させた日本の関係者のことを忘れることはできません。


戦略爆撃機調査報告書
第20.21爆撃軍団作戦任務報告書(B29の攻撃記録)
付篇C通信
第Ⅰ部 レーダー妨害の計数値
1 レーダー対策
a.敵のレーダーの方向探知のため
b.20~30Mc/sの通常の探知を行う。
c.72~84Mc/sと190~210Mc/sにある敵の高射砲と探照灯のある場所を発見する。
d.ロープ(レーダー妨害片)を用いて、敵のレーダー防御の撹乱をする。
e.敵の音声通信を探知し、記録する。
2 方法
a.探知と妨害を完遂するために360ROM通信監視所が参加し、次の機材を使用した。
420APF-1,200APQ-2,23ARQ8,36AAPT-3,3APR-5,3APR-7,9APA6,23-APA-11,7-APA-24,1-ANQ-1.
b.各爆撃機は1ないしはそれ以上の電波妨害機を装備した。また、探照灯から身を守るためにロープ(レーダー妨害片)のユニットを50なすしそれ以上携行した。
c.八王子を目標とした第58航空団には、2機の妨害目的の特別な飛行機がこの攻撃の続行中、目標地域の圏内を旋回した。これらの特別な妨害飛行機は敵の照準用と探照灯用レーダーを連続妨害と点妨害した。
3 結果
a.92件の傍受が記録されたので、この節の末尾にそれらを列挙した。
b.敵の音声による通信が傍受されたので、周波数を記録しておく。
4Mc/s,4.4Mc/s,4.35 Mc/s,4.7 Mc/s
c.敵は、我々の点妨害を避けようとして、敵のレーダーの周波数を変更していた。
4 所見
a. 次の異常信号が記録された。
92/1500/10,96/2527/30,296/410/18,320/1900/2.

電波傍受リスト(特徴のあるデータのみ抜粋)
第1項 レーダー周波数
第2項 パルス頻度/秒
第3項 パルス長
第4項 経度北緯
第5項 経度東経
第6項 傍受年月日
第7項 傍受時刻
第8項 情報の出所 爆撃機集団
第9項 傍受機種別、情報入手方法
第10項 傍受信頼度 S疑わしい P確からしい C確実
第11項 日本側レーダー機能別  EW早期警戒 GL火砲照準 SL探照灯 GC火砲制御 AI 不明AV不明 SS不明
第12項 Mark Model Modification Type
作戦任務306,307,308,309番の報告書より
① 00068 0485 30 3228N 13946E 080245 0159 21 122 P EW CHI
② 00073 0485 38 3410N 13808E 080245 0125 21 122 P EW CHI
③ 00075 1852 04 3507N 13928E 080245 0217 21 122 P GL CTA03
④ 00090 0380 25 2705N 14212E 080145 2303 21 122 P EW 001010202
⑤ 00091 0805 04 3415N 14105E 080245 0138 21 122 S EW 001010002
⑥ 00144 0503 14 3430N 13600E 080245 0050 21 121 S EW 001030003
⑦ 00187 1020 06 3535N 14115E 080245 0236 21 121 S GL 00401

作戦任務67番の報告書より
⑧ 00157 0494 10 3320N 14100E 041345 2350 21 121 S EW 001030000
⑨ 00158 0250 15 3310N 1401OE 041445 0020 21 121 S AV 006040400
⑩ 00182 0650 06 3320N 14040E 041445 0222 21 121 S SL 001020002
⑪ 03050 1460 02 2930N 14055E 041445 0423 21 121 S

以下、米軍の電波傍受リストから日本側のレーダー機種を推定しました。
①陸軍 超短波警戒機乙 要地用 通称名 タチ6  CHIは地上の意味か?
②陸軍 同上
③陸軍 通称名タチ3             CTA03は不明 
④海軍 2式1号型改2 通称名 11-2
⑤海軍 2式1号型   通称名 11
⑥海軍 3式1号型改1 通称名 13
⑦海軍 仮称4式1号型 通称名 S3 

⑧海軍 3式1号型改1 通称名 13
⑨海軍 3式空6号4型 通称 名H-6 機上用(AVはAvionics航空用電子機器のことか?)
⑩海軍 2式1号型改2 通称名 12
⑪海軍 2式2号2型  通称名 22 マグネトロン(磁電管)使用

第Ⅱ部 無線通信
1 攻撃報告 この作戦行動の続行中、航空軍地上無線局によって、34の攻撃報告が受信された。
2 偽装送信 この作戦行動の続行中、全体の92%の飛行機の無線通信士は、航空軍地上無線局から送信されたダミー(模擬)の通信を受信した。空軍地上無線局の他の通常の定時放送は、天候と時刻の通信であった。
3 周波数 次は通信に使われていた周波数で交信に失敗した割合である。
3Mcで9.7%,7Mcで58%,11Mcで32.3%
以下省略

8 装置の故障
AN/連絡用無線セットART-13;作動不能1,1つの通信経路で10ヵ所の故障、断続的作動1,遠隔操作不能1,電鍵リレー故障1,アンテナリレースイツチ故障1,音声回路リレー故障1,金属格子または陽極電圧の不足1。
BC-348;作動不能3
AN/ARN(長距離航法装置);方向感受アンテナ破損5
SCR-269G(ラジオコンパスセット);コンパス位置指示不良1
AN/ARN-5(計器着陸誘導装置);作動不能1
インターホーン;作動不能3,マイクロフォン・スイッチ作動不能5,マイクロフォン・ボタン作動不能1,プラグ差込器作動不能2
RL-42A;作動不能13,紛失した重り2

以下米軍の電波傍受リストを作成した電子機器の搭載例を示す。
ELECTRONIC EQUIPMENT OF B-29 "Enola Gay."
(As furnished by the Smithsonian Air-Space Museum)
Designation   Description and Main Component
----------------------------------------------------------------------
APN-9  LORAN Receiver.  R-65; 1.6-3.3 MC
APQ-2  Radar Jammer.  T-9/ Xmtr, 200-550 MC, 15 W
APT-1  Radar Jammer.  T-28/ Xmtr, 70-210 MC, 30 W
APT-2  Radar Jammer.  T-26/ Xmtr, 450-710 MC, 8 W
ARC-3  VHF Command Radio Set. R-77/ & T-26/, 100-156 MC, 8 W
ARN-5  Glide Path ILS Receiver.  R-47 or R-57, 332-334 MC
ARN-7  Radio Compass Receiver.  R-101/, 100-1750 KC 
ARR-5  Countermeasures Receiver.  R-44/, 0.5-143 MC
ARR-7  Countermeasures Receiver.  R-45/, 0.54-43 MC
出展 http://radionerds.com/images/5/5a/ENOLA_HTM.txt


 
出展 http://aafradio.org/NASM/Countermeasures_Station.htm

参考文献
ルメイ・最後の空襲 米軍資料に見る富山大空襲 中山伊佐雄
東京を爆撃せよ 作戦任務報告書は語る 奥住喜重・早乙女勝元
第20.21爆撃軍団作戦任務報告書(B29の攻撃記録)
Electronic Countermeasures Position  http://aafradio.org/NASM/Countermeasures_Station.htm
ELECTRONIC EQUIPMENT OF B-29 "Enola Gay."  http://radionerds.com/images/5/5a/ENOLA_HTM.txt


 

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