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五球超ブローニングドレーキ式受信機の修復作業記録 その13 (2019年04月08日) 動作確認とオークション出品準備

2019年04月08日 10時21分40秒 | 05真空管式ラジオ

五球超ブローニングドレーキ式受信機の修復作業記録 その13 (2019年04月08日) 動作確認とオークション出品準備

オークションに出品するにあたり、以前、前面の装飾の剥離対策として、DAISOのリメイクシート(今回は大理石柄・ホワイト)を貼ったのですが、色的にアンバランスでした。
今回は、大理石柄・ブラックに変更して、全体の木製のケースとの色バランスをとっております。 安価なリメーク資材ですのでいつでも張替え可能です。
まず、出品するにあたり、本体と電源部を接続のコネクターを新設し、容易に素人の方でも運用できるように配慮しました。
さて、動作確認ですが、今回は放送局がある都市部の近郊での受信テストするこことしました。
実際的にNHK広島第二放送局の702Khz、10Kwをターゲットとして、約15Kmの直線距離で直接波の受信を試みることとします。
受信試験のためのアンテナは、実用性を考慮して、3メートル程度のビニール線を室内のカーテンにぶら下げております。
受信試験しますと、ラジオは修復していたつもりでしたが、第一高周波増幅段が全く機能していません。
しかたないので、アンテナを第二高周波増幅段のグリッドに接続して受信テストする702KhzのNHK広島第二放送局の放送波を問題なく受信することができました。
ただし、検波か低周波増幅段での歪で音声が少し明瞭ではないようですが、内容を判別できないことはありません。
なお、同調を正確にとるごとに明瞭度は増してきました。
問題は、第一高周波増幅段の問題ですが、入力のコイル、出力のコイル、バリコン、真空管、真空管ソケットの接触情況などすべて問題はありません。
どうも高周波信号が陽極側で消滅しているような感じなのですが、情けないことにこんな単純な回路で問題点が把握できません。
ただし、唯一問題と感じられるのは中和バリコンのニュートロドンが不安定なことです。
最後の手段として、中和バリコンをとりはずして中身を確認するこことしました。
そうすると、やっと原因が判明しました。
中和バリコンのグリット側の端子がなんとシャーシといってもまな板に完全に接触しています。
これでは、グリッドの受信信号がシャーシのまな板側にリークし、RF1の増幅するための入力信号が大幅に減衰していたため、
ここで信号が止まっていることとなります。
中和バリコンを取り外し、再度配線し再試験すると、アンテナコイルの一次側にアンテナを接続しても受信できません。
RF1のグリッドにアンテナを接続し、中和コンデンサーを受信信号の最大点に調整すると受信可能となりました。
なお、中和バリコンをLCRメーターで測定すると、6pFから29pFの容量を示しました。

現在の問題点 初段の受信コイルの一次側であるアンテナ端子に数メートルのショートワイヤーを接続しても、受信できません。
昭和初期の三極管の受信機では、アンテナはロングワイヤーを設置しないと、昼間帯では起電力が弱く受信できないのかと推論しています。

 

雑記
中波のラジオ放送波の停波も論じられる昨今ですが、今更新たにラジオ放送局を更新・再建設することは、時代錯誤であるかもしれません。
また、対応するメーカーとしても、いまの時代にそれなりの中波のラジオ放送波の技術者を養成しているとも思えません。
最後になるかもしれない中波のラジオ聴取を、このような古典ラジオを使用する意義はそれなりに価値があるものと思っております。

 

五球超ブローニングドレーキ式受信機 http://minouta17.web.fc2.com/radio_supercross.html

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