韜晦小僧のブログ 無線報国

真空管式ラジオ、軍用無線機やアマチュア無線機の修復の記録
手製本と製本教室の活動の記録
田舎暮らしの日常生活の記録

九四式三号甲無線機三六号型通信機受信部の修復作業記録 その5 (2016年10月31日)

2016年10月31日 21時30分30秒 | 01陸軍無線機器

九四式三号甲無線機三六号型通信機受信部の修復作業記録 その5 (2016年10月31日)

本格的な修復作業に入ろうとすると、やはり前面パネルの汚れが気になります。
強力な洗剤でチャレンジしましたが、ちっともきれいになりません。
やはり、再塗装するしかありません。
まずは、前面パネルの銘板やつまみ類を取り外します。
メインダイヤルと2つのつまみがばずれません。
これらの部品を保護し、剥離剤で塗装を取り除きます。
下から茶色の下地材が出てきました。
アルコールで清掃し、銀色の特注スプレイで再塗装します。
筐体に本体を組み込むと、当時のオリジナルな受信機が復活したように思われます。
ここから、電気的な修復作業を開始します。


94式3号甲無線機の本文は下記のアドレスです。
http://minouta17.web.fc2.com/army_94-3-kou.html

広島戦時通信技術資料館及は下記のアドレスです。
http://minouta17.web.fc2.com/


九四式二號乙無線機二七號型受信機の修復作業記録 その5 (2016年10月23日)

2016年10月23日 21時27分47秒 | 01陸軍無線機器

九四式二號乙無線機二七號型受信機の修復作業記録 その5 (2016年10月23日)

感度不足を解消するための調査をしていると、急に受信機能を失う羽目となりました。
意気消沈です。
やっと、ここまで来たのにまた振出となりました。
ここで断念するか、再度気力を取り戻し修復作業をするかの瀬戸際ですが、こりずに、後者を選択し調査再開です。
基本に戻り、真空管端子の電圧測定から開始します。
といっても、低周波段には問題はありませんので、とりあえず高周波段から開始します。
そうすると、周波数変換段のUZ-135のG2端子に電圧がなくなっていました。
このため、局部発振の不具合が生じています。
問題は簡単に発見されましたが、この原因がコイルパックの断線が原因のようなのでコイルパックの分解調査が必要です。
旧軍のコイルパックの分解は、機種ごとに異なり、螺子の固着もあり、分解する手順がわからないと難解な作業です。
なんとか、分解して中身を確認するとコイル端子部分で配線のはんだが外れていました。
いままで、動作しており、急に配線がこれだけ外れる現象は実は理解できませんが、現実に起こったことと理解するほかありません。
とりあえず、はんだ付けして完了です。
コイルパックを装着し、まずは受信機の状態を確認してみると、なんと7Mhz帯でアマチュア無線の電波が感度よく受信できるようになりました。
前回までの受信機の高周波段の感度不足の問題が解消した理由がわかりません。
大変不思議な現象ですが、何が何だかわかりませんが、修復作業は完了となりました。

再生検波方式について
本機では、検波菅の出力側に現れる高調波成分の一部を、同位相で入力側に帰還して、検波菅の入力抵抗を負とし、入力側同調回路の実効Qを高めて鋭い選択度と高い検波利得を得る再生検波方式です。
再生検波回路で、スクリーングリッド電圧によって検波菅のgmを加減して再生状態を調節します。
なお、SSBにも対応可能ですが、調整がクリチカルなのが難点です。

中間周波数について
受信周波数を10目盛単位に中間周波数を測定し、平均で383Khzとなりました。
したがって、実効中間周波数はほぼ385Khzと思われますが、陸軍では中間周波数として、400Khzか450Khzを採用しています。
ひょっとすると、仕様的には、400Khzだったかもしれません。
残念ながら、日本無線史9巻では、中間周波数までは記載されていません。


94式2号乙無線機の本文は下記のアドレスです。
http://minouta17.web.fc2.com/army_94-2-otu.html

広島戦時通信技術資料館及は下記のアドレスです。
http://minouta17.web.fc2.com/


 


九四式三号甲無線機三六号型通信機受信部の修復作業記録 その4 (2016年10月16日)

2016年10月17日 06時08分34秒 | 01陸軍無線機器

九四式三号甲無線機三六号型通信機受信部の修復作業記録 その4 (2016年10月16日)

ホームセンターにて、アルミ板を購入し、天蓋部と背面部の部材を切り出します。
両側面部の部材は、剥離剤にて古い塗装を除去します。
後は、密着バインダーを散布し、陸軍色の専用のラッカーで塗装して終了です。
筐体の修理が完了すると、やはり見栄えが違います。
正面パネルの汚れが気になりますが、この後は本来の電気的な修復作業を開始します。


94式3号甲無線機の本文は下記のアドレスです。
http://minouta17.web.fc2.com/army_94-3-kou.html

広島戦時通信技術資料館及は下記のアドレスです。
http://minouta17.web.fc2.com/


九四式二號乙無線機二七號型受信機の修復作業記録 その4 (2016年10月16日)

2016年10月17日 06時06分38秒 | 01陸軍無線機器

九四式二號乙無線機二七號型受信機の修復作業記録 その4 (2016年10月16日)

受信機自体が少し発振気味なことが気になり、ストック品の民需用のシールドケース(ねじ込み式ではありません)を所定の真空管に装着しました。
少し、発振気味が抑えられた程度ですが、全体的な感度不足のためシールドケース装着効果を評価することはできません。
今回は、中間周波数が気になったので、少し精密に測定してみました。
受信機の目盛を70で固定とし、SSGのシグナルの最大値7001Khzを受信させます。
この周波数が被測定受信機の正の受信周波数となります。
次に、SSG信号を可変とし、次に強い信号を受信させると、7768Khzとなりました。
この信号が被測定受信機のイメージ信号となります。
本来は、受信目盛を10刻みに複数回測定しますが、今回は簡易測定となりました。
両信号の差である767Khzの2分の一が中間周波数となりますので、ほぼ385Khzが中間周波数と思われます。
最後に中間増幅段UF-134の入力にSSG信号を注入し、ほぼ385Khzがピークであることが確認されました。
とにかく、感度不足を解消することが先決です。

 

94式2号乙無線機の本文は下記のアドレスです。
http://minouta17.web.fc2.com/army_94-2-otu.html

広島戦時通信技術資料館及は下記のアドレスです。
http://minouta17.web.fc2.com/


九四式三号甲無線機三六号型通信機受信部の修復作業記録 その3 (2016年10月04日)

2016年10月04日 13時01分18秒 | 01陸軍無線機器

九四式三号甲無線機三六号型通信機受信部の修復作業記録 その3 (2016年10月04日)

本機は、本体のみでケースがありません。
また、保存状態も最悪なため、修復作業に力が入りません。
ひょんなことから、三重県のTさんから旧軍無線機用のケースを頂いたのを思い出しました。
引っ張り出すと、ケースはなにか軍用の電気装置の電源部のようですが、内部部品がないので特定できません。
ケースは横幅が10ミリ短かったため、無理やりグラインダーで削り、なんとか収容することがいできました。
やはり、ケースがあれば、見栄えが違います。
今回は少し修復方法の方向を変えて、見栄えを先行して対応することとします。

昔の資料整理していたら、倉敷市の襤褸の資料が出てきました。
関連する九四式三号甲無線機の副受信機です。
本機は師団が移動中でも無線情報を受信できるように携帯型の受信機として整備されたものです。
インターネットオークションがない昭和のよき時代の郵便による入札方法です。
襤褸には、大変お世話になりました。
本機(九四式三号甲無線機三六号型通信機受信部)も襤褸にて入手しました。

 


94式3号甲無線機の本文は下記のアドレスです。
http://minouta17.web.fc2.com/army_94-3-kou.html

広島戦時通信技術資料館及は下記のアドレスです。
http://minouta17.web.fc2.com/