韜晦小僧のブログ 無線報国

真空管式ラジオ、軍用無線機やアマチュア無線機の修復の記録
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オークションウォッチ 軍用無線機 RUP-4

2020年02月27日 15時01分58秒 | 10オークションウォッチ

軍用無線機 RUP-4について
Yahooオークションで下記「軍用無線機 RUP-4」の出品がありました。
即決!美品!受信動作確認 軍用無線機 RUP-4 
商品の情報 
即決価格  :  39,800円(税0円)
残り時間 :  終了 (詳細な残り時間)
入札件数 :  1 (入札履歴)
詳細情報 個数  :  1
開始時の価格 :  39,800 円
落札者 :  J*D*0*** 評価:913
開始日時 :  2020年2月 24日(月) 22時 26分
終了日時 :  2020年2月 25日(火) 21時 47分
早期終了 :  あり 自動延長 :  あり
オークションID :  s719845606
商品の状態 :  やや傷や汚れあり
返品の可否 :  返品不可
出品者の情報
出品者 : kfaa200  評価 : 884 ( 890 -  6)
送料負担 落札者
商品発送元地域 京都府 京都市 海外発送 対応しません 発送までの日数 支払い手続きから1~2日で発送
配送方法 宅急便(ヤマト運輸)  :着払い
商品説明 状態は年代を考慮すると非常に良好で美品です。
受信動作のみ確認しましたが感度良好で、問題ありませんでした。
あまり見かけない希少品だと思います。
古いものですのでくれぐれもノークレームノーリターンノーサポートでお願いします。 電源ケーブル付属します。
黒線グランドで赤線に+6V印加下さい。
周波数範囲は2-12MHzです。
入札者の順位   
すべての入札履歴 1ページ中 1ページ目を表示 (入札合計:1件)
入札者 / 評価   入札額 個数 最後に手動入札した時間  J*D*0*** / 評価:913 落札者  39,800 円 1 2月 25日 21時 47分 1ページ中 1ページ目を表示 (入札合計:1件)
入札者の順位   すべての入札履歴  
商品画像
小さな画像をクリックすると、下に拡大表示されます。


 出品された写真を見ると、米軍のGRC-9によく似ていますが、少し形が異なっています。
米軍のGRC-9の写真を示します。

  

以下、本機軍用無線機RU-4について少し気になったのでどのような機種なのか調査してみました。
まず、ネットで検索すると、以下の情報がヒットしました。

RUP-4 ユーゴスラビア版GRC-9

 
1964年頃に最初の製造されたセルビアのエイニス (Ei Nis Serbia)社製、 受信機RP2のトランジスター版装置であり、独立した装置として機能し、2個の4,5V乾電池を使用します。
使用真空管:
送信部:OA2、ECC82(12AU7互換)、6AK6、6AK6、6AK6、6AK6、QQE03 / 20
受信部:トランジスタ構成の装置 送信出力電力: 20W
周波数範囲:  送受信共  2MHzから12MHz
変調方式:   AMまたはCW

EI Niš社について
EINiš(正式名称:Holding-Korporacija Elektronska industrija a.d.Niš)またはElectronics IndustryNišは、セルビアのNišに本社を置く持株会社です。 2016年5月に破産を宣言しました。
1948年、ラジオセットおよびレントゲンマシンの生産研究所「RRNiš」の設立から始まりました。
1970年代および1980年代には、1万人以上を雇用するユーゴスラビア最大の企業の1つでした。
しかし、1990年代には、国が直面していた研究や制裁への投資不足により、会社の事業の大部分が崩壊しました。
2000年代に、同社は音響機器、ブラウン管を含む電子管、印刷版、電子機器要素、油圧機器、空気圧機器、エアコン、医療機器、レントゲン機器、テレビ、ラジオ受信機、および半導体を製造しました。
また、電子真空管製造の数少ない残りのメーカーの一つでした。 2016年、地方ビジネス裁判所で倒産が宣言されました。

  

送信菅QQE03 / 20


 

1878年創業開始から2016年の倒産までの主要製品


 

調査結果について
米軍のGRC-9とセルビアのエイニス (Ei Nis Serbia)社製RUP-4は、形は良く類似していますが、中味は全く別ものでした。
ただし、東欧のユーゴスラビアという日本では馴染みの少ない小国ですが、エイニス (Ei Nis Serbia)社は、日本でいえば総合家電の松下電器のような存在だったようでした。
当時ソ連の技術に依存したのかもしれませんが、大変立派に家電・軍用無線機を生産していたようです。
ただし、ソ連の崩壊の余波もあり、残念ながら2016年には倒産しました。
このRUP-4も何の因果か分かりませんが、遠く極東の日本のオークションに出品されたということでしょう。

 

参考文献
Yahooオークション出品情報 https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/s719845606
MIRKO OLD RADIO COLLECTION http://lea.hamradio.si/~s52pc/Rup4.htm
Ei Nis Serbia  https://en.wikipedia.org/wiki/EI_Niš
ユーゴスラビア – Wikipedia  https://ja.wikipedia.org/wiki/
ユーゴスラビア 南スラブ系の民族主義と歴史的結末  http://www.yasuienv.net/Yugoslavia.htm

※ユーゴスラビアについて
ユーゴスラビアについては、ソ連邦の崩壊して関連して、ユーゴスラビアでは、スロベニア、クロアチア、マケドニアが1991年に独立、ボスニア・ヘルツェゴビナが1992年に独立、モンテネグロが2006年に独立そして、セルビアが旧ユーゴスラビアを2006年に継承、コソボが2008年に形式上は独立し、7ヶ国に分かれました。 当時民族、宗教などからの民族浄化などの悲惨なテレビニュースが連日報じられ、日本人には、心が痛むばかりで、なかなか理解不能の地域でした。

 

 


SP-600系国産化受信機の譜系

2020年02月22日 19時33分53秒 | 04戦後の軍用無線機

SP-600系国産化受信機の譜系
SP-600などの超大型の真空管式通信型受信機の所有者は、故人になったり、または、ご本人が断捨離などの理由で手放されるなどして、ネット市場に多数出回っています。
ここでは、SP-600系国産化受信機の譜系として、国産化受信機を体系的に整理しました。

HAMMARLUND SP-600
諸元
Model :SP600JX-17
Years :1950-72
Freq :6BAND/0.54-54Mhz
Type :Single/Double Conv.
IF   :3955/455khz
Filter:Crystal
Tubes :20
BAND1 :0.54-1.36Mhz
BAND2 :1.35-3.45Mhz
BAND3 :3.45-7.40Mhz
BAND4 :7.40-14.8Mhz
BAND5 :14.8-29.7Mhz
BAND6 :29.7-54.0Mhz
バージョンについて
JX =JAN LEVEL/6 CRYSTAL
JLX=長波バージョン(0.1M-0.4M 1.35M-29.7M)/6 CRYSTAL
VLF=超長波バージョン(0.01M-0.54M)

 

日本電気 RAP-261-CM 五三L中短波受信機二型 陸上自衛隊、海上自衛隊
名  称 日本電気 KK 製 RAP–261C,CL,CM
製 造 者 日本電気株式会社
形  式 交流用 21 球(5 又は 6 バンド)通信型受信機
電  源 80–110V,180–210V AC 1.5A (100V AC)
同調範囲  
RAP–261–C  540–1300kc 1.3–3.1Mc 3.1–7.4Mc 7.4–14.8Mc 14.8–28Mc 28–50Mc
RAP–261–CL 100–200kc 200–400kc 1.3–3.1Mc 3.1–7.4Mc 7.4–14.8Mc 14.8–28Mc 28–50Mc 
RAP–261–CM 230–540kc 1.5–3.5Mc 3.5–8.3Mc 8.3–16.2Mc 16.2–30Mc 
中間周波数 第 1 中間周波数 何れも 3955kc       
第 2 中間周波教  455kc(RAP–261CM では 630kc)
RAP–261 は 3 種類に分類され RAP–261–C,RAP–261–CL,RAP–261–CM のモデルがあ
って,使用目的に応じた受信範囲のあることは,規格明細からお判りのことと思うが,回路の構成,部分品の配置など基本的な設計は各モデルとも共通である。 SP-600との相違 受信機上部の部品配置が左右反転しています。
これは日本がコピー製品を作成するときの常套手段というか、明確なデッドコピーではないことを明示するための目的のようですが、コピーにしては、個々の部品がオリジナルより大型化したのか奥行きが15cm程度長くなっております。
また、採用真空管も6C4のところを6BA6にわざと変更していますが、保守性のため真空管の種類を少なくした理由かもしれません。
このように本来はかなりの改良を行いますが、今回はあまり改善点はみられません。

 

 日本電気 高性能受信機MR-1 航空自衛隊
 基本的には、RAP-261と同等品のようです。

 

 

 日本電気 ORR-2受信機  海上自衛隊
本体部が大きく、かつ重量もあることから、本体部から電源部を分離しています。
本体部の大きさも、SP-600と同サイズになったものと思われます。

 

 

 日本電気 N-R-21B/ORR-2B受信部  海上自衛隊
正面ダイヤルのバンド切換の表示部と同調ダイヤルの表示部を何故かテレコになっております。
ひょっとすると、米国(メーカー?)からのクレームでもあったのかもしれません。

 

 

 

参考文献
米国製著名通信用受信機 ――展望と解説―― 水上正安
BOATANCHORとは http://ja2agp.web.fc2.com/title.html
Yahooオークション出品情報

 

 

 


第三級アマチュア無線技士養成課程講習の受講メモ

2020年02月16日 14時38分34秒 | 96無線コラム

第三級アマチュア無線技士養成課程講習の受講メモ

下記の講習を受講しました。
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■お申込み内容
■ 【コース】第三級アマチュア無線技士短縮コース<F320-0201>
【会場】JMSアステールプラザ(広島市中区)
【日程】令和2年2月15日(土)
【金額(税込)】   第三級アマチュア無線技士 養成課程講習 受講料  12,300円
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合計金額(税込) 12,300円
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講習受講に関する気づきを下記にレポートします。
1日の短縮コースということで、大変ヘビーな時間割当のようです。
9時30分から17時30分までの6時間の講習の後に、最後に終了試験があります。
昼食も40分しかなく、慌ただしいかぎりでした。
講習受講に際し、事前に郵送されてきた模擬問題集を試しに行ったところ、法規で30問中正解が18問、無線工学で30問中正解が21問でした。
少し不安になりましたが、略符号のARやVAなど電信特有の用語は不正解でもいいにせよ、第三地域、電波の定義の300万メガヘルツ、アマチュア業務の割当周波数、周波数の偏差などは分かりません。
無線工学でも、基本的なことを全て忘れており、可変容量ダイオードや並列共振の性質、プロダクト検波などが不正解となり、IDC回路など全く知識のないキーワードがありました。
やはり、事前の学習が必要なようですが、事前にモールス符号と模擬問題集をしっかり学習しとけば特に問題はなさそうです。
なお、参加者は24名で私同様に大半は電話級の大昔の免許証をお持ち方のようでした。
講習は、若い(?)女性の講師がやられたので、少し話が馴染めないところもありましたが、抵抗器の記号が変わったことや古い無線機が令和4年までの認定されないことが聞かれて大変参考になりました。
また、テスターで交流の電流が測定できないとの話がありましたが、この様な測定は考えたこともないのですが、テスターでぼんやりとできると思って今まで生きておりました。
もし、合格したら最後に電信運用して、アマチュア無線の世界を卒業します。

 

 追記 R02.02.20
会社のホームページで合否発表がありました。
24名全員合格でした。

 
追記 R02.03.03
本日アマチュア無線3級の免許証を郵送にて受領