韜晦小僧のブログ 無線報国

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崎山電気工業 ミニグラフ Type-GAオシロスコープの修理記録(その1)(平成27年6月25日)

2015年06月25日 19時43分20秒 | 09真空管式オシロスコープ

崎山電気工業 ミニグラフ Type-GAオシロスコープの修理記録(その1)(平成27年6月25日)


本機も来歴不明です。
本機は資産除却時に銘板が意図的にはずされており、製造年月日等は不明です。
ただし、配線図には有力情報として崎山電気工業株式会社及び国家地方警察五十粍ブラウン管オッシログラフ警通仕-無第46号とあります。

崎山電気工業株式会社をインターネット検索しますと、全くヒットしません。
会社が統合されたのか、倒産したのか不明ですが、明らかに現在は存続会社はないようです。

もう一つの国家地方警察の件ですが、インターネット検索しますと、下記の情報がありました。
昭和22年、GHQの命令によって「警察法」が公布されました。
これにより「自治体警察」「国家地方警察」2つの警察が生まれます。
自治体警察
全ての市」及び「人口5000人以上の町村」に設置された警察。
市町村長の所轄の下に置かれ、経費は全て当該自治体の負担でした。
国家地方警察
人口5000人未満の小規模な町村」に設置された警察。
都道府県公安委員会の運営管理で、国や都道府県が維持していました。
職務の内容は同じなのですが、市町村によって管轄が違いました。現在でいえば、「県警の管轄が市町村単位で違っていた」ということ。)
そのため「広域的な事件が発生しても、捜査が困難になる」という問題が続発。
さらには、重い財政負担から自治体警察が減少するという問題も発生しました。(昭和22年には1600近くあった自治体警察が、6年後には139にまで激減。)
このため、昭和29年に警察法を新しく改正。これにより、現在の「都道府県単位での警察体制」に整えられました。
このとき、横浜・名古屋・京都・大阪・神戸の自治体警察のみは存続していました。
しかし、翌年の昭和30年に各府県警察に吸収され、廃止されています。

本機の修理に関する考察は以下のとおりです。
①配線図が付随しているので、修復は可能です。
②戦後になると米国の技術への傾倒もあり、ST管からGT管への切替が盛んに行われておりました。
 本機も、同様にGT管が採用されております。
 内部を見ていないので修復については当面踏み込めません。
③フロントに電源ケーブルはありますが電源プラグがありません。つまみなどはすべてオリジナルのようです。
④警察の無線通信機器の保守に使用されたものと思われます。

 

広島戦時通信技術資料館及び広島手製本倶楽部は下記のアドレスです。
http://minouta17.web.fc2.com/

 


手製本活動(その32:製本教室)

2015年06月25日 19時33分04秒 | 00手製本/製本教室

手製本活動(その32:製本教室)


平成27年06月25日実施した製本教室の制作模様です。


完成した生徒作品見本です。今回は半革装1冊と紙製表紙2冊の丸背・角背製本です。
今回半革装には初めて箔押しを行いました。
みなさん全体的には大変きれいな出来栄えです。

 

本日は、製本自体ではなく、マーブル染め・箔押し・布の裏打ちといった製本に必要な基本的な技法の講習会をおこないました。
なお、途中でデジカメのバッテリィがなくなったので、マーブル染めについては3月実施のもので代用します。

■布の裏打ちの工程

 

■箔押し作業の工程

 

■マーブル染めの工程

 


※製本教室の案内は下記のとおりです。


中国新聞文化センター教室部
教室名:クレドビル教室 お問い合わせはTEL082-962-4111へ
講座名:手製本(ルリユール)入門
コース:第2・4木曜 10:00~12:00
講師:広島手製本倶楽部主宰 森川 昌幸
講座内容:自分の本を作りたいが、製本については全く知識がないといった初心者を対象とした講座です。
製本の基礎として、前期3ヵ月間は角背、後期では丸背の製本実習を行います。
専門的な製本道具を用いず、手作り製本が楽しめるようになります。
製本技術をマスターすれば、自分史、ホームページ、ブログや絵手紙など自分のアイデアを活かした本を作ることができるようになります。
1回 5単位 2,500円/月2回 5,000円(表示:税抜)
備考:教材費 2,500円


広島手製本倶楽部は以下のアドレスです。
http://minouta17.web.fc2.com/book_index.html

 

 


菊水電子工業 539オシロスコープの修理記録(その1)(平成27年6月24日)

2015年06月24日 17時04分29秒 | 09真空管式オシロスコープ

菊水電子工業 539オシロスコープの修理記録(その1)(平成27年6月24日)

本機も来歴不明です。
なんの電源系のチェックもせず、電源オンとしたところ、水平掃引していることを確認しました。
本機は、大変幸先のいい状態です。
中身を確認するとトリオのように集合型の電解コンデンサーを使用していなく、高圧部はオイルコンデンサーを低圧部には単独の電解コンデンサーを使用するなどしており、電解コンデンサーの液漏れ防止対策がなされております。
さすが、菊水電子といったところでしょうか。
しかし、各種点検・試験をしていたら、突如スポットのみの状態と変化しました。
たしかに、水平掃引の安定度は悪く不安定であったのは事実ですが、故障がはっきりしたのはむしろ幸運です。
スポットがでるということは、高圧部を含むブラウン管の表示部の機能は問題がないということとなります。

ここで問題点を整理すると以下のとおりです。
○水平掃引が正常であった時、垂直増幅を増加したら、水平線が上昇した。
○水平掃引の発振が停止している。
○垂直増幅の入力段が改造されており、12AU7が一本追加されているが、なんの機能か不明である。

本機の機能の特徴について
操作パネルからわかるように、輝度調整、焦点調整が省略されている。(内部背面に配置されており調整は可能)
入力のAC/DCの切替機能なし。
ある意味素人が使いやすいようなオシロスコープのようです。

菊水電子工業株式会社について
現在でも業態変更もなく、現役の立派な日本の電子機器製造会社です。
特に、個人的には、1983年に米国空軍に約8,000台のオシロスコープを受注しており、当時地方紙の経済欄ても掲載され鮮明な記憶として残っております。
この事実は、やっと米国と電子機器分野で肩を並べたということを意味したいと思いたいのですが、米国空軍側としては単に価格だけの選定かもしれません。

菊水製測定器ファミリーです。

菊水電子工業株式会社のホームページの会社案内の沿革から

1951年  菊水電波を創立 
1953年  真空管電圧計、RC低周波発振器を開発 
1957年  オシロスコープ 、耐圧試験器、ファンクションゼネレータ 、矩形発生器を開発 
1962年  商号を菊水電子工業株式会社に変更 
1965年  本社を川崎(旧玉川工場)に移転 
1966年  2現像オシロスコープ、73シリーズ形電源、デジタルボルトメーター等を開発 
1975年  直流安定化電源PAD-Lシリーズを開発 
1979年  アメリカに菊水インターナショナル ・コーポレーションを設立 
1983年  国内製造拠点として富士勝山事業所を設立 新方式電源PALシリーズを開発 米国空軍向けオシロスコープを大量受注 
1984年  通信機器開発製造のシグテック(株)を設立 
1985年  デジタルオシロスコープCOM7000シリーズを開発 
1986年  富士勝山事業所の協力工場としてフジテック(株)を設立 周波数変換/交流安定化電源PCRシリーズを開発 
1987年  通信機器分野向けの各種標準信号発生器を開発 小型・高機能オシロスコープCOM3000シリーズを開発 
1988年  英国マルコーニ・インスツルメンツ社(現コバム社)と日本総代理店契約を締結 COM3000シリーズが通産省選定グッドデザイン産業機械部門大賞を計測器業界では初めて受賞 
1990年  物流センターを分離しケイアールシー(株)を設立
1991年  自動耐圧・絶縁低抵抗試験システムTOS9000シリーズを開発 汎用オシロスコープCOR5500シリーズを開発 高速プログラマブル電源PAXシリーズを開発 電子負荷装置PLZ-3Wシリーズを開発 資本金を22億125万に増資 株式を店頭市場に公開(11月22日) 
1992年  高速プログラマブルバイポーラ電源PBXシリーズを開発 計測機能搭載の交流電源PCR-Lシリーズを開発 最上位デジタルオシロスコープCOM7203Aを開発 
1993年  シグテック(株)を統廃合 二次電池の充放電テスターPFX40WA-8Sを開発 小型直流安定化電源PMC/PMC-Aシリーズを開発 本社を横浜に移転 
1994年  技術センター竣工(横浜市都筑区) 
1995年  高調波電流測定システム(ハーモニクス・アナライザ)HA01-PCR-Lを開発 CD/CD-ROMジッタメータKJM6235を開発 ISO9001認証取得 
1996年  高効率交流安定化電源PCR-Wシリーズを開発 直流安定化電源PANシリーズを開発 
1997年  FM/AMステレオ標準信号発生器KSG4310を開発 充放電バッテリテスタPFX20W-12を開発 部分放電試験器KPD1050を開発 本社竣工 
1998年  直流安定化電源PAN-Aシリーズを開発タイムインターバルジッタメータKJM6755を開発 直流安定化電源PVSシリーズを販売 ライズタイムコントロール機能付耐圧試験器TOS5052を開発 
1999年  パワーサプライ・コントローラPIA4800シリーズを開発 EMC事業について協立電子工業(株)と販売提携 
2000年 ISO14001認証取得 アース導通試験器TOS6200を開発 交流電子負荷装置PCZ1000を開発
2001年 創立50周年 コンパクト可変スイッチング電源PASシリーズを開発 大容量可変スイッチング電源PAMシリーズを開発 耐電圧・絶縁抵抗試験機TOS9200シリーズを開発
2002年 大容量可変スイッチング電源PVD-T 6kWタイプを販売 タイムインターバルジッタメータKJM6775を開発 可変直流安定化電源PAD-LAシリーズタイプIVを開発 バッテリテストシステムPFX2000システムを開発 多機能交流安定化電源PCR-LAシリーズを開発 中国の上海に駐在員事務所開設
2003年 電子負荷装置PLZ-4Wシリーズを開発 ユニットタイプ電子負荷装置PLZ-Uシリーズを開発 FCインピーダンスメータKFM2030を開発 耐電圧試験器TOS5000Aシリーズを開発 大容量可変スイッチング電源PVD-T 12kWタイプを販売 タイムインターバルジッタメータKJM6710/6310を開発 米国のオレゴン州ポートランドに駐在員事務所開設
2004年 中国・江蘇省蘇州に菊水電子(蘇州)有限公司を設立 米国、カリフォルニア州 サンノゼ市にKikusui America, Inc.を設立
2005年 ワイドレンジ電源PWRシリーズを開発インピーダンスメータKFM2150を開発 耐電圧試験器TOS8830、TOS8030、TOS8040を開発 FCスキャナKFM2151を開発 大容量スイッチング電源PAT40-200Tを開発 コンパクト交流電源PCR500Mを開発 中国科学院大連化学物理研究所(DICP)と、燃料電池評価に関する技術協力を締約。
2006年 創立55周年 高調波・フリッカアナライザKHA1000を開発 コンパクト交流電源PCR1000Mを開発マルチチャンネルトラッキング多出力電源PMPシリーズを開発 耐電圧試験器TOS8030(100V)を開発 中華人民共和国・上海市に菊水貿易(上海)有限公司を設立 高効率大容量スイッチング電源PAT20-400T、PAT60-133Tを開発 電力回生方式直流電子負荷装置PLZ6000Rを開発 リーケージカレントテスタTOS3200を開発
2007年 コンパクト交流電源PCR2000Mを開発 交流電子負荷装置PCZ1000Aを開発 擬似音声発生器KSG3600を開発 高効率大容量スイッチング電源PAT160-50Tを開発 中華人民共和国・天津市に菊水貿易(上海)有限公司の天津分公司を開設
2008年 高効率大容量スイッチング電源PAT-Tシリーズ4kWタイプを開発 高調波・フリッカアナライザKHA3000を開発 パワーサプライコントローラPIA4850を開発 静電気放電シュミレータKES4022を開発
2009年 バイポーラ電源PBZシリーズを開発 充放電コントローラPFX2511を開発 燃料電池インピーダンスメータKFM2005を開発
2010年 薄型可変スイッチング電源PAGシリーズを販売 キャパシタテスタPFX2411を開発 電子負荷装置PLZ-4WLシリーズを開発 静電気放電シミュレータKES4021A/4022Aを開発 耐電圧・絶縁抵抗試験器TOS9213Sを開発 耐電圧・絶縁抵抗試験器TOS5300シリーズを開発
2011年 キャパシタテスタPFX2421/2431/2441を開発 ディジタルパワーメータKPM1000を開発 EV急速充電器Milla-Eシリーズを販売  薄型ワイドレンジ可変スイッチング電源PWXシリーズを開発 高機能交流安定化電源PCR-LEシリーズを開発 シームレス充放電コントローラPFX2512を開発
2012年 大容量電子負荷装置PLZ-4W(H) SR/LPシリーズを販売
2013年 大容量バイポーラ電源PBZ SRシリーズを販売 マルチ出力交流電源PCR-LE2シリーズを開発 大容量直流安定化電源PHP-Tシリーズを販売 コンパクト交流電源PCR4000Mを開発
2014年 大容量交流電子負荷PCZ-A SRシリーズを販売 PID絶縁試験器TOS7210Sを開発 AC5kV耐電圧試験器TOS5200を開発
 

広島戦時通信技術資料館及び広島手製本倶楽部は下記のアドレスです。
http://minouta17.web.fc2.com/

 


手製本活動(その31:製本教室)

2015年06月11日 21時18分39秒 | 00手製本/製本教室

手製本活動(その31:製本教室)

平成27年06月11日実施した製本教室の制作模様です。


全体の教室模様です。


生徒さんの作品が中国新聞のマイギャラリコーナーに掲載されました。


今回は完成した生徒さんの作品です。布は自分で裏打ちしたものを使用され、大変きれいな出来合いとなりました。


特別コースとして、題字に箔押をおこないました。やっと上製本として完成です。

 

■表紙と本体部の合本処理丸背・角背チームの作業状況を以下に示します。

①事前に表紙と本体部を合わせ、チリがきれいにとれているか確認します。

②確認が完了すれば、水溶きボンドにて、背のみ表紙と本体部を仮接着します。10分程度で接着が完了します。

③表紙と本体部の見返しを接着する前に、チリ調整します。基本的には、糊付けにより2mm伸びますので、その分だけ事前に切断する必要があります。
 また、本体部の変形等にり、チリが斜めになった場合もこの時点で修正します。

④表紙と本体部の見返しをでんぷん糊を使用して接着します。この時クッキングペーパーを敷いておきます。

⑤次に、船底板を利用して溝をつけます。

⑥最後、溝に竹ひごをつけ、プレスして完了です。

 

■本体部作成2:見返し、天地のやすりかけ、寒冷紗貼り、はなぎれ、しおり、クータ貼りの工程の作業状況です。

①捨紙をはがし、全体的にお掃除します。

②本来は裁断工程ですが、天をやすり(#240)がけし平らにします。

③クータを準備し、しおり紐や花布を教材の中から選び、見返しを貼ります。

④しおり紐、花布。寒冷紗の順番で背に貼ります。

⑤最後に、クータを背に貼って完成です。

 

■本体部の折丁づくりの工程のチームの作業状況です。

①横目のA4用紙には、各生徒さんのご希望の内容を事前にこちらでレーザプリンターで印刷を行っております。
 印刷については、冊子印刷機能でA5版の縮小印刷を行います。
 今回は白紙の用紙を使用します。

②この用紙を半分に折り、ヘラにてきれいに伸ばすといった単純作業です。

③後は捨て紙と合わせ、プレスして完了です。

 

 

※製本教室の案内は下記のとおりです。


中国新聞文化センター教室部
教室名:クレドビル教室 お問い合わせはTEL082-962-4111へ
講座名:手製本(ルリユール)入門
コース:第2・4木曜 10:00~12:00
講師:広島手製本倶楽部主宰 森川 昌幸
講座内容:自分の本を作りたいが、製本については全く知識がないといった初心者を対象とした講座です。
製本の基礎として、前期3ヵ月間は角背、後期では丸背の製本実習を行います。
専門的な製本道具を用いず、手作り製本が楽しめるようになります。
製本技術をマスターすれば、自分史、ホームページ、ブログや絵手紙など自分のアイデアを活かした本を作ることができるようになります。
1回 5単位 2,500円/月2回 5,000円(表示:税抜)
備考:教材費 2,500円

 

広島手製本倶楽部は以下のアドレスです。
http://minouta17.web.fc2.com/book_index.html

 

 


英国ベン夫妻訪問(平成27年6月6日)

2015年06月08日 21時43分38秒 | 97資料館展示ルーム

英国ベン夫妻訪問(平成27年6月6日)

 

英国の軍用通信機博物館を運営されているベンノック氏が訪日されました。

九州から中国、関西を経て関東を縦断されています。

中国地方での軍用通信機器関係先の訪問として山口県熊毛郡上関町の祝島と広島県世羅町の当資料館を選定されました。

ベン氏のMilitary Wireless MuseumのURLは以下のとおりです。

http://www.qsl.net/g4bxd/contents.htm

来日にあたり、熊本市のハムズオフィスのM氏と下関市のF氏がサポートされています。

また、ベン氏から訪問プレゼントとして博物館のアルバムを頂きました。

 

 山口県熊毛郡上関町の祝島のO氏訪問風景です。

小生も一度は祝島を訪問したいと思っておりますが、未だ実現しておりません。

 

 広島県世羅町の当資料館訪問風景です。

海軍の92式特受信機に特に興味をもたれていた様子でした。

 

 

参考資料

ハムズオフィスのURLは以下のとおりです。

http://www.hamsoffice.jp/index002.html

 

祝島ホームページ

http://www.iwaishima.jp/