昭和初期ナス3球交流式レフレックスラジオの定期点検記録 (2017年06月28日)
本機については、6年前にあるところへ預けていたため、機器の状態がどのようになっている不明のままでした。
今回定期点検にあたり、そのまま通電してみると、みごとに無音で全く動作していません。
電圧などの基本調査やC電池の電圧等については問題はありません。
真空管のフィラメントも導通があります。
首をひねっいたら、たまたま真空管UX-226を振ると内部で音がします。
どうも、真空管内部部品の溶接が外れているみたいです。
早速、UX-226を1本交換してみると動作しだしました。
しかしながら、感度が不十分です。
更に調査すると鉱石検波器の向きが逆転しておりました。
どうも、預け先で誰かがいじってしまったようです。
これでも、昔の感度まで戻りません。
本機も6年前なら、修理を続行すると思いますが、現在ではもはや気力がありません。
残念ながら、この状態ではありますがオークションに出品するこことします。
下記に参考資料を添付します。
◆概説
真空管の初期の時代は蓄電池でラジオを働かせるため、蓄電池の充電などの維持管理が大変でした。電灯線の交流を用いたラジオは、従来の乾電池や蓄電池を取り除いた交流電源装置という意味か単に交流のハムを取り除くという意味なのか不明ですが、当時はエリミネータとよばれていました。また、高周波増幅した後と、鉱石検波器で検波し、その検波した低周波信号を再度高周波増幅管の入力に戻し、低周波増幅を同時に行わせるレフレックスという回路を採用しています。真空管が高価であった時代に流行した方式であります。
◆製造記録
メーカ不詳、昭和3年から5年前後製造 電源トランス(TOKUHISA ELECTRIC LABATORY製)
回路構成
高周波増幅(低周波増幅部) 鉱石検波 低周波増幅部 電源部(整流)
UX-226 UX-226 KX-112A
(グリッドバイアスはC電池を採用)
保存状態
本体は国産で全てオリジナル部品であるが、スピーカは米国製(マグナボックス)。
保存状態→優良。感度→長期保存によりかなり感度は悪化しています。受信が可能程度と考えてください。残念ながら、ラジオとしては実用品ではありません。動作保証もできません。あくまで骨頭品として楽しんでください。
◆故障修理
低周波トランス交換、C電池容量抜けのため電池ボックスを追加。
電源ケーブル及びスピーカのケーブル断線のためケーブル修理。
UX-226を1本交換しています。
◆使用時の注意事項
電源スイッチなし。使用時のみコンセントと商用電源を接続し、未使用時には必ず切り離すこと。
空中線は屋外設置のロングワイヤーが必要です。
広島戦時通信技術資料館及は下記のアドレスです。
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