韜晦小僧のブログ 無線報国

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手製本活動(その41:製本教室)

2015年11月26日 16時12分23秒 | 00手製本/製本教室

手製本活動(その41:製本教室)

平成27年11月26日実施した製本教室の制作模様です。

全体の教室模様です。


箔押作業・・・布装の表紙作成後、箔押でタイトルをいれました。

 

■本体部作成2:見返し、天地のやすりかけ、寒冷紗貼り、はなぎれ、しおり、クータ貼りの工程の作業状況です。

①捨紙をはがし、全体的にお掃除します。

②本来は裁断工程ですが、天をやすり(#240)がけし平らにします。

③クータを準備し、しおり紐や花布を教材の中から選び、見返しを貼ります。

④しおり紐、花布。寒冷紗の順番で背に貼ります。

⑤最後に、クータを背に貼って完成です。

 

■表紙の作成工程(革と紙装)の角背・丸背チームの作業状況です。

①表紙の裏にはる黄ボール紙(厚さ2mm)として、表・裏・背の型紙を切り出します。
  丸背の場合には、背は地券紙で切り出します。
 背幅については、前工程にて測定したデータをそのまま使用します。

②今回は事前に自分で用意した裏打ちした布を使用し、この切り出した黄ボール紙を型として鉛筆でなぞり、表紙の枠を確定します。

③最後に、水溶きボンドにて、表紙の用紙に、切り出した黄ボール紙の型紙を貼り付けます。ここでの注意事項は角のまるめ処理です。

 

■表紙と本体部の合本処理丸背・角背チームの作業状況を以下に示します。

①事前に表紙と本体部を合わせ、チリがきれいにとれているか確認します。

②確認が完了すれば、水溶きボンドにて、背のみ表紙と本体部を仮接着します。10分程度で接着が完了します。

③表紙と本体部の見返しを接着する前に、チリ調整します。基本的には、糊付けにより2mm伸びますので、その分だけ事前に切断する必要があります。
 また、本体部の変形等にり、チリが斜めになった場合もこの時点で修正します。

④表紙と本体部の見返しをでんぷん糊を使用して接着します。この時クッキングペーパーを敷いておきます。

⑤次に、船底板を利用して溝をつけます。

⑥最後、溝に竹ひごをつけ、プレスして完了です。

 


※製本教室の案内は下記のとおりです。


中国新聞文化センター教室部
教室名:クレドビル教室 お問い合わせはTEL082-962-4111へ
講座名:手製本(ルリユール)入門
コース:第2・4木曜 10:00~12:00
講師:広島手製本倶楽部主宰 森川 昌幸
講座内容:自分の本を作りたいが、製本については全く知識がないといった初心者を対象とした講座です。
製本の基礎として、前期3ヵ月間は角背、後期では丸背の製本実習を行います。
専門的な製本道具を用いず、手作り製本が楽しめるようになります。
製本技術をマスターすれば、自分史、ホームページ、ブログや絵手紙など自分のアイデアを活かした本を作ることができるようになります。
1回 5単位 2,500円/月2回 5,000円(表示:税抜)
備考:初回 教材費 3,000円
   更新 教材費 2,000円

 


広島手製本倶楽部は以下のアドレスです。
http://minouta17.web.fc2.com/book_index.html

 

 


92式特受信機の定期点検記録 その2 (2015年11月24日)

2015年11月24日 20時31分20秒 | 02海軍無線機器

92式特受信機の定期点検記録 その2 (2015年11月24日)

今回は92式特受信機の下部構造部の定期点検及び整備に関する作業記録です。
まず、上部構造部(真空管を含む電気回路部分)と下部構造部(短波用バリコン、長波用バリコン及び抵抗器・マイカ型蓄電器と直流電圧の安定・制御部分)から構成されています。
この、分離作業から開始します。
分離作業方法としては、上部構造部の下部周りの4ミリのネジを取り外し、背面部の蓋をはずし、上部と下部のコネクターの端子版を外します。
これで、上部構造部を垂直方向に持ち上げると分離することができます。
また、分離することで重量が半減しますので、個々の点検作業が楽にできるようになります。
下部構造部を上部から見ると、全てアルミの蓋でシールドされていますので、蓋を外すとやっと中身が観察できます。

 

今回の下部構造部の点検目的は以下のとおりです。
①長波用のバリコンが動作していないので復旧すること。
②長波と短波切替用の電源SWの機能確認
③線条電源SWの機能確認

まず、「①長波用のバリコンが動作していないので復旧すること。」ですが、
長波用バリコンの構造は3連バリコンをスチールベルトで連結したダイヤルで同時に回転させています。
大変負荷がかかる構造です。
長波用ダイヤルを廻してみても、バリコンはびくともしません。
このダイヤルの構造は、いゆいるフリクション型でメモリ盤の右下部の小型ダイヤルと連結して廻す構造となっています。
この構造が弱点でダイヤルの回転が空回り自体となりやすいようです。
本来ならギヤー式のダイヤル構造が望ましいところです。
今回の修理ですが、ダイヤルの目盛版とバリコンの軸の接続にネジが使用されていますが、試験時にダイヤルを廻しすぎ、ネジが甘くなったのものでした。
とりあえず、ネジを締め直し修理完了です。

 

次に、②長波と短波切替用の電源SWの機能確認と③線条電源SWの機能確認ですが、
その前に、B電圧の電圧調整のブリーダ抵抗のホーロー抵抗器が割れたのか抵抗値がありません。
平成20年の修復時にセメント抵抗器を入れておりましたが、今回茨城県S氏から頂いた回路図の抵抗値に変更することとしました。

 

 

下部構造部の裏面にSW類がある関係上、下部構造部をさかさまにし、裏面の蓋をはずします。
なお、SW類については、経年劣化のため接触不良となっており、注油と接点磨きにより復旧しました。

 

最後に各部品を観察すると、蓄電器については日本無線製(昭和18年2月)、トランス類は、日本通信工業製(昭和16年3月と6月)とあります。
本機、実は銘板は別のものを付けていたので実態が不明でしたが、部品の内容から、日本無線株式会社が昭和18年前期の製造したものと思われます。
以上下部構造部についての定期点検を終了します。

疑問点
「翼板」電源の名称について
本来一般(陸軍を含め)では、真空管のプレートの和名の呼称は、「陽極」ですが、海軍の一部(艦船関係のようですが・・・)では、この「陽極」のことを「翼板」と呼称しています。
何故かわかりません。


広島戦時通信技術資料館及は下記のアドレスです。
http://minouta17.web.fc2.com/


 


アルバムの修復作業記録 その5 2015年11月20日

2015年11月20日 12時59分05秒 | 00手製本/製本教室

アルバムの修復作業記録 その5 2015年11月20日


最後の薄紫色のアルバムは、製本技法があまり有効に利用できません。
ただし、製本の表紙を作るだけの作業とわりきりました。

表紙と本体部の接合は組紐でかがるだけです。
特殊な技法としては、組紐用の穴にハトメパンチを行う点ぐらいでしょうか。
このハトメの道具は、ラジオ修理用にかなり前に購入しておりましたが、今回初めてアルバム修理で使用するこことなりました。

修復については、下記の工程で実施しました。
①アルバムを解体し、表紙と本体部に解体します。
②本体部の一部ページが破損していましたので、一部修理をおこないました。
③表紙を黄ボール紙から切り出します。
④革と黄ボール紙の一部で背の部分を作成します。この段階でハトメパンチを行います。
⑤最後に、表紙の背と表表紙を接合します。
⑥表紙の裏から、寒冷紗と見返し用紙で折り部分を強化し、乾燥したら組紐を着けて完了です。
 なお、組紐はダイソー商品です。

反省点
背の革の縦幅のマージン不足(本来余白は15mmとりますが、7mm程度しかありません)があり、少し強度不足が心配です。
革は白色を使用しましたが、ボンドが付着し少し汚れが出ました。


●最後にアルバム着手前と修復後の写真を掲載してすべて完了とします。
着手前

修復後


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アルバムの修復作業記録 その4 2015年11月20日

2015年11月20日 12時55分48秒 | 00手製本/製本教室

アルバムの修復作業記録 その4 2015年11月20日

次の赤色のアルバムは以下の理由により少し難関です。
A4版の規格と思っておりましたが、A4版より横幅が13mm長いことが判明しました。
これでは、A4版の規格サイズの黄ボール紙が使用できません。
また、見返し用の用紙もA3版の規格では使用できません。

しかたないので、アルバムの横を13mm切断するこことしました。
このため、アルバムの写真で切断面に引っかかる部分は貼り替えすることにしました。
この対応策で、A4版の規格の材料が使用できるこことなりましたが、大切な品に傷をいれることとなりました。

修復については、このパターンのものは製本と同じ技法が適用できそうです。
①アルバムを解体し、本体部に背固めを行います。
②乾燥したら、天と地は必ずヤスリかけをします。
③本体部には、見返し、花布、寒冷紗、クータを貼り合わせます。
④表紙を作成します。角と背バンドの位置には、革すきが必要です。
⑤最後に、表紙と本体部を合体し、乾燥したら完了です。

反省点
本体部の13mmの切断には、カッターを利用しましたが、材料が硬化している割に柔らかく、少し力を入れすぎたため、切断ず少し斜めとなりました。
本体部のカッターによる切断は、力まず1枚づつ切断するように心がける必要があります。

 

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アルバムの修復作業記録 その3 2015年11月19日

2015年11月19日 09時04分47秒 | 00手製本/製本教室

アルバムの修復作業記録 その3 2015年11月19日

まず、紫色の表紙のアルバムから修復するこことします。
この紫色のアルバムはB5版の規格より、少し小さく黄ボール紙がそのまま利用できることから最初に修復するこことしました。
このアルバムをよーく観察すると、表紙と本体部が分離しかかっています。
昭和20~30年代のアルバムの状態はこのようなものなのでしょう。
ここで、一般の製本とアルバムの相違を考えると、
アルバムでは本体部の紙の背を少し折り、次のページと接合するような形式のものとなっております。
この理由は、ページ間に余裕をもたせ、この間合いに写真をはさむことにより、背と小口のバランスをとっていることです。
経年劣化により、背側の接合部分が破れ、アルバムが解体する事態となるようです。
アルバムをバラしていると、背の部分に開きをよくするための「クータ」がありません。
このため、アルバムを開く度に、背に力がかかり破断を早めるものと思われます。

修復については、このパターンのものは製本と同じ技法が適用できそうです。
①アルバムを解体し、本体部に背固めを行います。
②乾燥したら、天と地は必ずヤスリかけをします。
③本体部には、見返し、花布、寒冷紗、クータを貼り合わせます。
④表紙を作成します。角と背バンドの位置には、革すきが必要です。
⑤最後に、表紙と本体部を合体し、乾燥したら完了です。

反省点
今回は革すきを省略しましたので、表紙の角がごわごわし見栄えが悪くなりました。

 

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