minga日記

minga、東京ミュージックシーンで活動する女サックス吹きの日記

いそしぎジュセヨ

2008年09月14日 | ライブとミュージシャンたち
「今日はお祭りなので、この道を御神輿が通るんですよ。ライブの時に邪魔にならなければいいですが・・・。」

西新井のカフェ・クレールは商店街の小さな道に面したお店。明るい日差しの差し込む窓から通りが見えるのだが、逆にリハーサルをしている時も、もちろん本番の時も、窓の外を通る人たちがよく覗いていく。今日も子供たちが垣根越しに覗いていたので、思わずにっこり微笑む。きっとこちらの音も筒抜けに違いないが、マスターは外の音が演奏中に聴こえてくることを心配してくれていた。

そんな心配をよそに、堤智恵子さんの音はもの凄く鳴りまくっていた。私の音量や衰えたタンギングを遥かに上回るテクニック。2度目のセッションだったが同じ土岐さんの弟子同士とは思えない(って私があまりに師匠に似なかったのだけど...)。師匠、不肖の弟子ですんませ~~~ん。

最近になってようやくpの使い方に気がついた(今頃か!?)私は、彼女のサックスにもpの音色が加わったら怖いものなしなんだけどなあ、などと勝手に思いながら、気がつけば同じように負けじとでかい音を出していた・・・だめだこりゃ(涙)。

1セット目の3曲目で例の御神輿が・・・。しかも、バラッドを1ホーンで演奏するというコーナー。堤さんの選んだ曲は「いそしぎ」。静かにピアノソロを新ちゃんが弾いている、まさにそのとき。チャチャッ、チャチャッ、チャチャッ、チャチャッ・・・・・。ボサノバのリズムに微妙なずれ方で重なりあう祭りのビート。新ちゃんは何の事か、と思わずソロの手を止めて窓の外を眺めていた。写真はそのときのものだが、うまく神輿が写らなかったのが残念。

他の曲は全てノリノリ、イケイケの曲だったのによりによって彼女のバラッドのコーナーで神輿が通るとは・・・何となく予感はあったけど、あまりのタイミングにお客様もミュージシャン達も笑ってしまうという瞬間だった。

そんなハプニングの最中に「いそしぎかあ・・・そういえば、としきが韓国で『イソシゲ、ジュセヨ』ってよく使っていたな。」なんてくだらない事を思い出していた私って・・・(汗)。(「爪楊枝をください。」っていう意味)

それはともかく、素晴らしい女性アルト奏者との競演は楽しかったし、勉強になった一日でありました。また機会があればぜひやらせてほしい。なかなか人に喚ばれて演奏する機会の少ない私にはとても良い刺激になります。これから今田勝グループでウズベキスタンに行く予定の智恵子さん、お気をつけて~。