実務家弁護士の法解釈のギモン

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会社法改正法案-監査等委員会設置会社(2)

2013-12-09 09:55:50 | 会社法
 監査役会設置会社とどこが違っているかというと、まず第1点として、監査等委員会の委員は取締役の一人であって監査役ではないということ、従って、監査等委員会の委員は取締役会で他の取締役と同等の権限を有している、という点がある。この点は、監査役会設置会社と大きく違う点で、監査等委員会が旧委員会設置会社の監査委員会に似た仕組みであり、この点では委員会設置会社に似ていると言える。
 
 しかし、監査等委員たる取締役の選任は、他の取締役とは区別して選任することになっている。そのため、監査等委員の選任の実体は株主総会の専権事項といってしまって差し支えない。
 この点で、委員会設置会社の委員は、法律上は取締役会で選定することとなっていることとは大きく異なっていて、監査等委員の選任は、むしろ監査役を選任するのと、大差ない選任方法と言えそうな気がするのである。そして、監査等委員は3名以上で組織され、過半数を社外取締役としなければならないが、監査役会設置会社の監査役も、半数以上を社外監査役としなければならないという仕組みとほとんど変わらないのである。